続・毎時１０億ベクレル・・学者と一般人を結ぶかけはしは？

まず、７月時点での東電の見解　４分１１秒
「毎時１０億ベクレル」のほとんどは、過去に地面に落ちた放射性物質の再浮遊と考えている。

いいなさんの解釈－－－現在は出ていない。毎時１０億Bqは事故直後からの時間割り。
みーキザさんの解釈－－－既存のものが放出中。毎時１０億Bqは時間割りではない。
ぴんぽんの解釈－－－気を付ける程は出てない。
山本太郎－－－毎日、新規生産されたフレッシュな放射性物質が放出中。

現在の意見
いいなさんの解釈－－－現在は出ていない。毎時１０億Bqは事故直後からの時間割り、は間違いだった。
みーキザさんの解釈－－－既存のものが放出中だが気を付ける程ではない。毎時１０億Bqは時間割りではない。
ぴんぽんの解釈－－－気を付ける程は出てない。

私（素人）としては、東電の発表で「毎日２４０億ベクレル新規生産放出中」と大騒ぎになっているが、
これは日常生活で気を付けた方が良いのかどうか、という点だけです。

素人にとっての最大のハードルは、西門のダスト濃度からの推定値がなぜ毎時１０億ベクレルなのか。
最初の早野先生のツイートに登場するｐｄｆに、算出方法が出てますがちんぷんかんぷんでした。
では素人説明ですが挑戦してみます。　[[http://bit.ly/rgSPeH:]]

まずこの文章には「実測値」と言う言葉は、１度しか出てきません。
西門付近１km　Cs１３７の実測値　１Ｅ－５Bq/cm３　これだけで毎時１０億ベクレルを算出しています。

１では実測濃度を放出率（Bq/sec）に変換しています。
方法は、煙突から出る煙が拡散するモデル濃度を元に掛け算したと思って下さい。
地表面空気中放射能濃度分布という図の、大気安定度Ｄという曲線と距離１kmが交差する点が
毎秒１ベクレルの放出率だった場合の計算濃度です。
採取した実測濃度はこれより大きいので、毎秒１ベクレルの放出率を毎秒１４万ベクレルと仮定。

２では更にCs１３７だけでなくCs１３４もあるので２倍の、毎秒２８万ベクレルと仮定。
２．８Ｅ＋５Bq/sec（毎秒２８万ベクレル）＝１．０Ｅ＋９Bq/hr（毎時１０億ベクレル）です。
この数値だけが１人歩きしてしまいましたが、実はその先の１．７Ｅ＋０ｍSv/年（年間１．７ｍSv）が
報告したかった数値だと思います。（下線部の文）
計算式の内容については全く判りませんので、学者に教えてもらって下さい。

「事故直後の放出率　毎時８００兆ベクレルからこんなに減ったから、冷却も順調だよ」
と言いたくてグラフにしたのが、返って「今でも毎時１０億ベクレルかよ！」というような
印象を与える結果になってしまいました。
しかし「風向による差が無い」という観測結果と、会見ビデオにもあったように
「ほとんどは既に放出されたダストの舞い上がりだと考えている」という発言から
厳密に出てるかどうかはさて置き、何か行動を起こすレベルではないと思いました。
元より大変なレベルだったら、常識的に早野・野尻・菊池先生が大騒ぎするはずだと考えてました。

学者にとっては、放射性物質が新規に生産されると見つかるヨウ素・テルルを計測せずセシウムを計測している事から、新規生産ではなく既存の放射性物質の放出数値だという事は気付いてます。
でも一般人にとっては、資料そのものが何を示しているのかさっぱり判りません。
特に「子育てママ」のｏｗｌｙさんが、放射性物質が無限に新規生産され放出されると思い込み
相談していたので、「子育てママが１０億ベクレル・・」のまとめを作成しました。

その後、毎時１億ベクレルまで下がった時に、みーキザさんがその影響を評価してるツイートを
発見して、やはり「気を付ける程は出てない」と理解しました。
「多分わずかながら出ている」と思い始めたのは、９月に測定方法が変わってから。
ダスト舞い上がりによる、バックグラウンド・ノイズの無い海上測定で毎時１．３億ベクレルの
測定値が発表されてからでした。
このときも「最大」毎時２億ベクレルとの発表だったので、実際はもっと少ないと思いました。

まとめについては私より詳しい人達から、「これでは重大な誤解を与える安全デマ」とか
「実は危機的な数値だ」というような指摘も無かったので、出てない＝気を付ける程は出てない
とみんな受け取ったのだと思っていましたが、大変な誤解を与えていたのなら謝罪します。
「事故直後からの時間割り」問題は、コメント欄の指摘で納得されてるものだと思ってました。

また、この後に「ひまわり会見」がありHOPE-japan（ＨＪ）がデマ団体認定されたような
印象を受けました。
ＨＪは「福島のエートス」同様、いわき・南相馬などの福島県民も多く関わってるので
どこがおかしいのか学者同士で議論してもらわないと、一般素人には全く判りません。
それと、「毎時１０億ベクレル・・の誤解」まとめをもって、いいなさん＝デマと認定されると
過去にいいなさんと議論した危険派の人達が、鬼の首を取ったように喜んでいます。

更に順一さんの「一般向けスライド（間違いがあるかも）」まで全否定されてしまうと
正直、何もせず全国に拡散しているＥＭとぎ汁団体に、福島が飲み込まれていくのを
黙って見ていたほうが良いのかと、思ってしまいました。
どうか否定ではなく、予備知識ゼロでも理解できるスライドを学者本人で作って下さい。
現在、予備知識ゼロでも理解できる講演会活動をしているのは、ＥＭとぎ汁団体や
ＴＶで有名な大学教授や９条堅持の５０年間反核反戦運動してる人達ばかりなのです。
それ以外は、どうしても「理系大学生レベル」という感じがします。

自己責任・自己防衛のために勉強してない人が悪い！　とよく言われます。
その通り。
でもそう言う人たちの多くは１０年以上勉強して博士号を持ってる人がほとんど。
それを半年くらいの勉強で理解するのは難しいと知ってるのは、学者本人でしょう。
いわんや今すぐ日本全体に浸透させるなんて無理。

だったら、「最低限の知識・情報で理解する方法」を考えて欲しいのです。
ＩＣＲＰ１１１を読んでいない日本人が過半数、つまり読んでる人が少数派。
正確に理解してる人など身近にに誰もいないのに、学者・上級者では「常識レベル」。

「ＩＣＲＰ１１１を知らない人たち」　が生産・運送・販売した製品を買い、
「ＩＣＲＰ１１１を知らない人たち」　が走らせる電車に乗り、
「ＩＣＲＰ１１１を知らない人たち」　が調理したものを食べ、
「ＩＣＲＰ１１１を知らない人たち」　がデザインした服を着て、
「ＩＣＲＰ１１１を知らない人たち」　が建築した家に住む。

これを忘れないで欲しいのです。

一般人は学者の話が理解できず、学者は一般人が腑に落ちない点が解らない状態です。
なぜなら、その間の「かけはし」となるべきマスコミが役目を放棄してるからだと思います。
どうか、震災直後にあった「助けたい」という気持ちを思い出して、日本を救って下さい。
学者同士の高度な議論は、一般人には理解不能の雲の上の話にしか見えませんが
協力しているのか、いがみ合っているのか位は感じ取れます。
私のようなド素人にとって、みーキザさんもいいなさんも天才です。
それぞれの才能を活かさないと、本当にもったいないと思います。

もう一度、時系列通りで

ここまでの経緯

７月２４日
長いの会話の中で、「今も放射性物質が放出中」というのが事の始まり。
いいなさん－－－もう出てないでしょ？
狼王さん－－－新聞でも毎時１０億ベクレルという報道
いいなさん－－－爆発時放出のベクレルを時間で割っただけ、今は「出てない」
みーキザさん－－－違うよ、1番多かった頃の見積りは1京Bq/h
ぴんぽん－－－全く理解不能

８月
save-child　武田教授　おしどりマコ　２ｃｈなどが毎日２４０億ベクレル新規放出を支持。
その後またもや、毎時２億ベクレルという新聞報道にネットは大騒ぎ。
これらを受け７月の毎時１０億ベクレルと、８月の毎時２億ベクレルを合わせたまとめを提案するが
いいなさんは必要ないとの見解だったが、ド素人がまとめ作成。
きっと後で、誰か科学者から易しい解説が来ると期待していたから。

早々に「爆発時の時間割計算ではない」との複数の指摘あり。
いいなさん－－－時間割計算説は間違いと認めるが、「出てない」は合ってるから修正の必要なし。
ぴんぽん－－－「とにかく気を付ける程は出てない」、と理解し納得。

９月
いいなさんのヒマワリ実験結果をＮＨＫが放映、この内容が本人の意図とズレて後に大問題に。
翌週、ダッシュ村＋ＪＡＸＡ＋農水省によるヒマワリ実験結果発表。
いいなさんのヒマワリ実験結果発表に、みーキザさん激怒。

１１月
一般人の順一さんによる、一般人向け資料が易しく解りやすいと話題に。

これに「毎時１０億ベクレル」の一部が使われていたので、みーキザさんによる誤解まとめの発表。
複数の学者による間違いの指摘－－－順一さん訂正へ（元々、資料には間違いがありますと注釈付きだったが）
学会論文並のツッコミが入るが、学者による予備知識ゼロの一般向け資料を作る動きは無し。
更に千葉県流山市長と押川教授との議論に巻き込まれる。

「我孫子の子どもたちを放射能汚染から守る会」の要望書について　押川東大教授
http://bit.ly/ulvkeq
「我孫子の子どもたちを放射能汚染から守る会」木下黄太氏レクチャー＆トーク in柏　
http://amba.to/v5fKy3