全国学力テスト2012(小学校・国語)――こんな問題では国語力を計測できない

全国学力テスト2012(小学校・国語)の問題点を指摘する。
3
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

ついでにこれも。【平成24年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領(文科省) http://t.co/TBwhZVFs

2012-04-18 15:21:48
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

ついでにこれも。【全国学力・学習状況調査委託事業の入札及び契約に関する検証について http://t.co/HPrLcdYy 】内田洋行っていろいろ問題あったんだね…。

2012-04-18 15:32:12
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

このような http://t.co/8M8MCdAf もっともらしい記事、どうかと思う。「国語では、雑誌の特集記事を題材にした問題が初めて出された。複数にまたがる記事から一つの解答を出す際に、見出しから適切なものを選択できるかが問われた。…

2012-04-18 15:50:01
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

…こうした問題は知識や経験から論理的に思考する力を試す経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)を意識した問題だ」

2012-04-18 15:50:08
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

少なくとも、「知識や経験から論理的に思考する力」を問う設問になど、なっていない。マラソン問題の小問3は、一見そう見えなくもない。「マラソンの距離やその由来について説明するためには、( )の記事と( )の記事を結び付けながら読むとよい」の空所を選択させる問題。

2012-04-18 15:53:22
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

しかしこれは単に要約(言いかえ)問題。「何㎞走るの?」という見出し(とその記事)が「距離」について伝えていることと、「マラソンのはじまり」という見出し(とその記事)が「由来」について伝えていることさえ分かれば、すぐに出来てしまう。どこが「知識や経験から論理的に思考する力」なのか。

2012-04-18 15:56:19
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

要は、この小問で測れるのは「要約力」。記事の一部をそのまま本文として、「この文章はひとことで言うと何について書いてあるのか」とズバリ問えばそれでいい。答えは、「距離」、あるいは「由来」。こういった言いかえる力を直接試せばいいだけのこと。なぜ、ゴチャゴチャした問題にしてしまうのか。

2012-04-18 15:59:49
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

表、グラフ、図表、イラストなどといった非連続型テキスト(雑誌誌面は「連続型テキスト」と「非連続型テキスト」の中間的位置)を、見かけだけゴチャゴチャ配置しておけば、それで思考力を問うことができていると勘違いする教師が多すぎるんだよPISA信仰もそこから生まれている。

2012-04-18 16:04:57
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

こう言っておいて別の問題に言及していなかった。 RT @FukushimaKokugo: さて別の問題。

2012-04-18 16:05:24
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

授業まで時間がないので、他の問題については簡単に書いておく。

2012-04-18 16:05:40
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

全国学力テスト小学国語Bの大問1は、手紙文の書き方+敬語の使い方。まず、手紙の後付け(日付、名前の位置…)なんてのはA問題で問えばいい。というか、全国学力テストで「国語力」として問うほどのことなのか、とも思う。ズバリ思考力を問いたいのなら思考力に絞ればいいじゃないか。

2012-04-18 16:08:43
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

敬語の使い方にしても同じ。敬語なんて、国語力の周縁も周縁。そんなの、実社会で身につけていくしかないし、たとえ問うにしても、今回の問題のような複雑な解答文を書かせるなんて、無理に決まっている。

2012-04-18 16:10:28
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

「お返事には、ふうとうの中のはがきをお使いください。もし、ほう問させていただける場合は、六月の土曜日か日曜日で、宮本さんのごつごうがよい日時をそのはがきにお書きください」といった敬語を書けるかどうかを、全国学力テストで試すべきなのか。

2012-04-18 16:12:14
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

敬語の問題なんて出しているスペースがあったら、論理的思考力を問う問題をもっとバリエーションつけて出せばいいのだ。

2012-04-18 16:12:42
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

だいたいにして、子ども達の実態を無視しすぎている。6年生の子ども達にとって切実な敬語の課題といえば、「です」をつけられるかどうか、「はい」と返事できるかどうか、といったレベルだということを知らない人が作った問題だ。

2012-04-18 16:14:03
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

そして、大問2は、小6の子たちが中学生に対して部活(の満足度)に関するインタビューをする、そのための準備としての話し合いをしている場面を文章化したという、きわめてややこしく面倒な、かつ不自然にして学校的、道徳的、非現実的な場面設定の問題。もうコメントするのも面倒。

2012-04-18 16:16:38
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

最近発表された全国学力テスト分析(小学校国語 http://t.co/CEBu8zUl PDF)156ページによれば、国語B大問3の4の正解率は38%。これは子どもの低学力ではなく悪問ゆえの結果。が、これを根拠に「事実を基にして自分の考えをもつことに課題がある」と。ひどいね。

2012-08-12 22:31:40
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

注目すべきは、先に挙げた分析161ページにある次の記述。「毎日毎日、いっしょうけんめいにつらい練習をして、あきらめず、がんばっていい成績をおさめたからです」という類の解答が15%近くあったという点。むしろこの解答こそ正解だ。その理由: http://t.co/VrVXDmFP

2012-08-12 22:38:28
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

惰性的な再生産。まったくです。規準がない。RT @yamazoe_tamaki: @FukushimaKokugo 大学入試でもそうですが、良問/悪問についての明確な合意がないまま、惰性的に問題が再生産されているのが大きな問題ですね。

2012-08-12 22:41:02
福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

http://t.co/HJvZm5s2 >だいたいにして、小学校国語B大問3の4は「自分の考え」を問う設問にはなっていない。単なる読解問題だ(テキストが非連続というだけ)。それなのに、分析結果は「自分の考えをもつことに課題がある」。悪問の上に、分析もおかしい。二重に変。

2012-08-12 22:51:21