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ETV特集「世界から見た福島原発事故」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

4月29日にNHK・Eテレで放送されたものを文字起こししています。
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とし @toshihiro36

ヤツコ委員長:私たちは深刻な土壌汚染や、人々が仕事や故郷までも失うような重大な原発事故に対処しなければなりません。私たちはその記憶が鮮明なうちに、取り組まなければならないのです。

2012-04-30 09:24:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> 日本は福島原発事故の前までは、重大な事故が実際に起こることはほとんどないと考えてきました。1992年、原子力安全委員会はシビアアクシデント・重大事故への対策をまとめます。

2012-04-30 09:28:48
とし @toshihiro36

<ナレーション> 冒頭には「シビアアクシデントは現実に起こるとは考えられないほど発生の可能性は十分小さいため、原子炉施設のリスクは十分低くなっている」と記されています。しかし実際には重大事故は発生し、メルトダウンが起きて放射性物質が放出されてしまったのです。

2012-04-30 09:32:50
とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島の事故は、電力のおよそ4割を原発に頼るスイスにも衝撃を与えました。スイスには福島と同じマークⅠの原発があります。スイスは重大事故は実際に起こりうるとして対策を進めてきました。たとえばベントについて、電源を喪失しても動かせるよう対策が考えられています。

2012-04-30 09:38:43
とし @toshihiro36

レーマン副所長:これはベントを開く装置です。高圧の空気と窒素を使ってバルブを開きます。電気がなくても手動で開けることができます。電気は全く必要ありません。

2012-04-30 09:42:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> ベントは非常時に使うもの。電気がなくても開けることができなければ意味がない。そして、ベントを開けても中の放射性物質を出さない仕組みがありました。ベントフィルターです。日本の原発でも水を使って放射性物質を取り除くようになっていますが、

2012-04-30 09:47:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> スイスでは薬品を入れた大きなプールを使って、1000分の1まで減らすことができるといいます。

2012-04-30 09:49:38
とし @toshihiro36

レーマン副所長:これは化学薬品の入っている容器です。ベントをするときプールに注入します。放射性物質を取り除くのを助ける働きがある薬品です。ポンプは必要ありません。電気がなくても使うことができます。重力で自然にプールの中に入る仕組みです。

2012-04-30 09:54:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> スイスでは規制当局が強い権限を持ち、電力会社に積極的に安全対策を促します。

2012-04-30 09:59:28
とし @toshihiro36

スイス連邦原子力安全検査局広報・フーバー:スイスの規制当局は原発に世界的な事故が起きれば、それを分析しスイスの原発の安全性向上に役立てることが法律で定められています。

2012-04-30 10:04:14
とし @toshihiro36

<ナレーション> スイス原子力界の権威で、原発の安全対策を長年リードしてきたブルーノ・ペローさん。スイス原子力会議の副議長や国際原子力機関・IAEAの事務次長なども務めました。スイスには安全のためのひとつの原則があるといいます。

2012-04-30 10:09:36
とし @toshihiro36

ペロー:スイスは日本やアメリカと違います。高い安全性を求められるものは、安全であり続けなければなりません。もし安全性を向上させる新しいシステムができたら、それを追加しなければなりません。最先端に合わせる原則で、ダイナミックに安全性を追求できます。

2012-04-30 10:14:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> ペローさんは30年前から、日本の原子力関係者と情報交換を続けてきました。そのとき追加の安全対策の導入を何度も勧めたといいます。

2012-04-30 10:18:55
とし @toshihiro36

ペロー:私が日本に行き電力会社と会談したとき「スイスでは安全設備を追加している。そんなにコストもかからないから導入したら」と勧めたのですが、日本側はにこにこしながら「私たちには必要ありません。アメリカのメーカーも何の指示も出していませんから」と答えたんです。

2012-04-30 10:23:59
とし @toshihiro36

<ナレーション> 「日本の原発は安全だ」という言葉を、ペローさんは日本で何度も聞かされました。

2012-04-30 10:27:34
とし @toshihiro36

ペロー:安全に絶対はないのです。ですから現状のシステムにとどまらず、できる限りの改良と向き合うべきです。

2012-04-30 10:30:15
とし @toshihiro36

<ナレーション> 安全に絶対はない。その当たり前の事実を、福島第一原発の事故は突きつけました。かつてアメリカの格納容器改善プログラムに関わったバージェロン博士はこう言います。

2012-04-30 10:34:09
とし @toshihiro36

バージェロン博士:より安全に原子力を使うのなら、そのぶん値段も高くなくてはならないんです。我々が電気の使用を止めることはできませんが、だからといって化石燃料から電気を作り続けるわけにもいきません。それは次の世代に対して正しくありません。

2012-04-30 10:40:07
とし @toshihiro36

バージェロン博士:だとするならば、エネルギーは価格をもっと上げなければならない。安上がりで、しかも安全に原子力を使おうなんて思ってはいけません。それは大きな間違いです。

2012-04-30 10:44:19
とし @toshihiro36

<ナレーション> 安全を進化させることを、日本は自動車産業で大切にしてきたはずだといいます。

2012-04-30 10:46:14
とし @toshihiro36

バージェロン博士:自動車はテクノロジーが正しく発展したよい例です。登場して時間が経つにつれ、どんどん安全なものになりました。昔はブレーキさえついていればよかったのですが、シートベルトが義務になり、いまではエアバッグも義務になりました。高性能で安全な車の作り方を教えたのは日本です。

2012-04-30 10:50:52
とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島の事故が起きた日本では、いま原発の再稼働が焦点となっています。安全性をどう確保するか。 政府は原発の新しい安全基準を発表し、再稼働を進めようとしています。3つの安全基準のうち、1番目にあげられているのがすべての電源喪失を防ぐ対策。

2012-04-30 10:55:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島の事故では、津波で非常用ディーゼル発電機まで壊れました。電源を失った原発はメルトダウンの危険にさらされます。しかし事故が起きる前、原子力安全委員会は電源喪失についてこう考えていました。

2012-04-30 10:58:44
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