「累積100mSv以下は安全」説はいつから語られはじめるのか?(2)―JCO臨界事故報道を見直す:『朝日新聞』

 3.11以後、日本では「100mSv以下にはリスクがない」あるいは「100mSv以下はリスクが観察できない」とし防護や安全対策を軽視ないし無視する説が広がりました(注1)。  なぜこうした説がひろまったのでしょうか。そもそも、この説はいったいいつごろから存在したのでしょうか。そのことを考えるために、JCO事故時の報道をふりかえってみることにしました。  「100mSv以下はリスクはない」や「100mSv以下ではリスクは観察できない」と語るひとは「この説は通説」だといいます。ほんとうにそうなのでしょうか。今回は、『朝日新聞』の1999年10月から2000年2月までの記事を見ていきましょう。 続きを読む
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dabitur @dabitur

「東海村で反原発活動を続けている市民団体「脱原発とうかい塾」が十六日、同村須和間の中丸コミュニティーセンターで会合を開き、約百人の参加者に、臨界事故後に独自に集めた放射線量などのデータを報告した」(ibid.)

2012-05-04 00:03:17
dabitur @dabitur

「講師に招かれた荻野晃也・京大工学部助手が、三日に事故現場の南側などで採取したヨモギや泥の観測データをもとに講演し、住民の避難場所になった舟石川コミュニティセンターの方角に放射性ヨウ素が拡散した可能性を指摘するとともに、」(ibid.)

2012-05-04 00:03:51
dabitur @dabitur

「法定線量の年間一ミリシーベルトは、原子力を推進するための数字。それ以下でも体に影響がある」などと訴えた」(ibid.)

2012-05-04 00:04:03
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説を探して。/ 『朝日新聞』1999年10月30日朝刊「被ばく治療、手探りの連続 東海村臨界事故から1カ月=訂正あり」

2012-05-04 00:32:44
dabitur @dabitur

「○低線量10年後大丈夫? 専門家も悩む健康への影響/今回の臨界事故では微量とはいえ、かなり多くの人が放射線を浴びた。茨城県と東海村、那珂町ではこうした住民の不安にこたえるため、被災地住民登録を始めたが、微量被ばくが本当に健康に害があるのかは分かっていない」(ibid.)

2012-05-04 00:33:14
dabitur @dabitur

「ある量以上を被ばくすると、数年から数十年後に「晩発性影響」といって、がんなどになる危険性(リスク)が増すと分かっているが、今回はそれよりも少ない。だからといって全く影響なしといえるのかどうか、専門家も頭を悩ませている」(ibid.)

2012-05-04 00:33:34
dabitur @dabitur

放射線影響研究所(広島市)が四十年にわたって行った原爆被爆者約六万人の追跡調査では、二〇ミリシーベルト以下の被ばくグループでは、一般の集団と比べはっきりした影響は確認できなかった。五〇ミリシーベルト以下のグループでは、白血病以外のがんによる死亡率に差があった」(訂正済み記述)

2012-05-04 00:34:51
dabitur @dabitur

このデータによると、三十歳男性が五〇ミリシーベルト被ばくすると、がんで死ぬ危険性は約〇・五%増えると推定される」(ibid.)

2012-05-04 00:35:14
dabitur @dabitur

放影研の馬淵清彦疫学部長は「一般人のがん死亡率を仮に二〇%とすると、一万人の集団が五〇ミリシーベルト被ばくしたら、がんで亡くなるのが二千人から約二千五十人に増えるということだ」と説明する」(ibid.)

2012-05-04 00:35:27
dabitur @dabitur

五ミリシーベルトだと十分の一の〇・〇五%増えると解釈されるが、この程度になると、有害化学物質やたばこなどによるリスクや自然発病率の変動に隠れて見えなくなってしまう。/通常、一般人の被ばくの基準とされる年間線量限度の一ミリシーベルトは、これより低い」(ibid.)

2012-05-04 00:35:50
dabitur @dabitur

「放射線医学総合研究所(千葉市)の中村裕二総合研究官は、「全く心配ないとは言い切れないが、『何ミリシーベルト以上は心配だ』というのも難しい。まず自分の推定被ばく線量をきちんと知り、目安の値や放射線以外のリスクと比較して、冷静に対処してほしい」と話す(科学部・安田朋起)」ibid.

2012-05-04 00:36:28
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。/ 『朝日新聞』1999年11月10日朝刊「臨界事故…住民へ長期健康調査を 被ばく量の確定急務」

2012-05-04 12:04:41
dabitur @dabitur

「科学技術庁などのこれまでの調査で、茨城県東海村の*臨界事故の全容がほぼ解明された。核分裂したウランは微量だったが、周辺には中性子線の放射が長時間続き、避難要請されなかった地域の人も、一般人の年間線量限度を超える被ばくをした可能性がある」(ibid.)

2012-05-04 12:05:32
dabitur @dabitur

「住民の避難の遅れが被ばくの増加につながったことは明らかで、避難に関して何も対応できなかった、科学技術庁など政府の責任は重い。今後は健康への影響をつかむため、住民一人ひとりの被ばくの程度をまず正確に推計したうえで、長期間の健康調査を続けていく必要がある(科学部上田俊英、桑山朗人)

2012-05-04 12:06:09
dabitur @dabitur

「○個人情報管理など課題/ある量以上の被ばくをすると、数年から数十年後に「晩発性影響」といって、がんなどになる危険性が増すことがわかっている」(ibid.)

2012-05-04 12:06:48
dabitur @dabitur

放射線影響研究所(広島市)の原爆被爆者の追跡調査では、白血病以外のがんについて二〇ミリシーベルト以下では、はっきりした影響は確認できなかったものの、五〇ミリシーベルト以下では死亡率が増えた」(ibid.)

2012-05-04 12:07:02
dabitur @dabitur

「一九八六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故では、九〇年代に入って子どもの甲状腺(せん)がんが急増。とくに放射能汚染の著しい地域では発生率は以前の百倍にも達しているという」(ibid.)

2012-05-04 12:07:38
dabitur @dabitur

「茨城県などの調査では、事故発生時に三百五十メートル圏内には約二百五十人がいたとみられている。ほとんどは健康影響を心配する必要はないと思われるが、百五十メートル以内にいた人たちは、避難が本格化するまでに二〇ミリシーベルトを超えていた可能性がある」(ibid.)

2012-05-04 12:08:25
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。/ 『朝日新聞』1999年11月16日朝刊「募る不満、憤り 科学技術庁が東海村臨界事故で住民説明会 /茨城」

2012-05-04 12:09:52
dabitur @dabitur

「東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で起きた臨界事故で、科学技術庁は十四日、前日の那珂町に続き、東海村の村立南中学校体育館で住民説明会を開いた。同村では三百人を超える住民が詰めかけた」(ibid.)

2012-05-04 12:10:15
dabitur @dabitur

「科技庁側からはこれまでの対応の遅れに対する陳謝はあったが、監督責任や住民への説明不足などを追及する質問や意見には、あいまいな回答が目立ち、会場から「答えになっていない」などと、いらだちの声も上がり、緊迫した雰囲気に包まれた。*参加者からは不信感や不満を募らせる声が聞かれた」

2012-05-04 12:10:45
dabitur @dabitur

「あの時、私たちは逃げた方がいいのかどうかさえ決めることができず、ただずっと家の中で待ち続けていた」。葛西さんは当時、自宅の一室に子ども二人と居た。中性子線量が知りたくて防災無線にかじりついていた」(ibid.)

2012-05-04 12:11:49
dabitur @dabitur

「中性子線被ばくを防ぐためには、距離をとる必要があることを知っていて、「測定されれば逃げなければ」と思っていた。/だが結局、何も知らされないまま、葛西さんの夫は現場から三百五十メートルほどの事務所に約十二時間いることになった。夫の推定被ばく線量は、一・五ミリシーベルト」(ibid

2012-05-04 12:12:14
dabitur @dabitur

「妊婦は、〇・〇五ミリシーベルト程度のエックス線でさえ、一万人に一人の割合で障害があるという理由で、受けるなと医師から言われる。なのに科技庁は、はっきりしたことを言わない。一カ月半の間、住民は大丈夫なのかどうか判断できず、ずっと、不安の海でおぼれていたのに」」(ibid.

2012-05-04 12:13:18
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。/ 『朝日新聞』1999年12月22日朝刊「被ばく医療の備え急務 東海村の臨界事故、大内久さん死亡」

2012-05-04 12:14:58