「累積100mSv以下は安全」説はいつから語られはじめるのか?(4)―健康管理検討委員会報告と『原子力安全白書』を読む

3.11以後、日本では「100mSv以下にはリスクがない」あるいは「100mSv以下はリスクが観察できない」とし防護や安全対策を軽視ないし無視する説が広がりました(注1)。  なぜこうした説がひろまったのでしょうか。そもそも、この説はいったいいつごろから存在したのでしょうか。そのことを考えるために、JCO事故時の報道をふりかえってみることにしました。  「100mSv以下はリスクはない」や「100mSv以下ではリスクは観察できない」と語るひとは「この説は通説」だといいます。ほんとうにそうなのでしょうか。今回は、事故にさいして設置された原子力安全委員会健康管理検討委員会の見解を見ていきましょう。対象としたテキストは以下の5つです。 続きを読む
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dabitur @dabitur

「累積100m以下は安全」説をさがして。/ 原子力安全委員会「健康管理検討委員会の設置について」(平成11年11月4日)http://t.co/d6WZK2Bv

2012-05-05 07:03:08
dabitur @dabitur

「茨城県東海村のウラン加工工場で発生した臨界事故に関し、今後の検討管理のあり方を検討するため、原子力安全委員会の下に『健康管理検討委員会』を下記の通り設置する」(ibid.)

2012-05-05 07:04:56
dabitur @dabitur

「1.調査審議事項 臨界事故の線量評価の結果をふまえた健康管理のあり方について検討を行い、行政庁に対し健康管理の方針の提言を行うため、以下の事項を調査審議する」(ibid.)

2012-05-05 07:06:56
dabitur @dabitur

「(1)線量評価をふまえた健康管理の必要性の検討 (2)(1)の結果をふまえた具体的な健康管理の方法の検討」(ibid.)

2012-05-05 07:07:12
dabitur @dabitur

「2. 検討委員会の構成員 別紙の通り」(ibid.) http://t.co/eNCyNSBr

2012-05-05 07:11:09
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dabitur @dabitur

「3. 調査審議内容の公開 検討委員会の調査審議は原則として公開する。なお、個人に係る情報について、慎重に取り扱わざる得ないものがある場合については、非公開とすることがある」

2012-05-05 07:11:20
dabitur @dabitur

名前だけ書くと 明石真言・鎌田七男・草間朋子・古賀佑彦・小佐古敏荘・佐々木正夫・田中俊一・朝永正佐男・長瀧重信・馬淵清彦 の計10名。

2012-05-05 07:14:37
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。/ 原子力安全委員会 『原子力安全白書』(平成11年版)(http://t.co/WNxGemWl

2012-05-05 07:24:14
dabitur @dabitur

「平成11年は,我が国の原子力開発利用の歴史において,決して忘れることのできない,忘れてはならない苦い記憶を刻み込むものとなった。その記憶は言うまでもなく9月30日に東海村の(株)JCOで起こされた臨界事故である」(ibid., 松浦祥次郎「はしがき」)

2012-05-05 07:25:59
dabitur @dabitur

「(健康管理検討委員会での検討)科学技術庁における周辺住民を含む個人の線量の評価作業と並行して,安全委員会では,健康管理検討委員会を設置し,周辺住民等の健康管理についても検討を行い,報告を取りまとめた」(『原子力安全白書』平成11年版) http://t.co/LqzkfUdd 

2012-05-05 07:29:42
dabitur @dabitur

「事故による放射線や放射性物質による周辺住民やJCO従業員等の線量に関しては,ホールボディ・カウンタ*1等で測定がなされた実測値に加え,科学技術庁事故調査対策本部において評価作業が行われ,状況が判明する都度,事故調査委員会に対して報告がなされた」(ibid.)

2012-05-05 07:30:32
dabitur @dabitur

「個人線量については,周辺環境の線量評価と個人の行動調査に基づいた推定が行われ,平成12年1月31日に線量評価結果が安全委員会に報告された。(次ページ参照)」 http://t.co/LqzkfUdd

2012-05-05 07:31:01
dabitur @dabitur

「このような動きと並行して,安全委員会では,臨界事故での線量評価を踏まえた周辺住民等の健康管理の必要性,さらに具体的な健康管理の方法を検討するため,平成11年11月4日に「健康管理検討委員会」を設置し,合計12回にわたる精力的な調査審議を行った」(ibid.)

2012-05-05 07:31:24
dabitur @dabitur

「平成12年2月27日に部会報告がとりまとめられ,3月31日安全委員会に対し報告された。(参考3)」(http://t.co/LqzkfUdd

2012-05-05 07:31:57
dabitur @dabitur

「(健康管理のあり方) 健康管理検討委員会の報告では,今回の事故による放射線の影響は極めて小さく,影響を検出することはできないと考えられるが,住民の不安に適切に対応するため健康診断,健康相談を行うことが適切とした」(『原子力安全白書』平成11年版)

2012-05-05 07:33:17
dabitur @dabitur

「報告では,一般的な放射線の知識と健康影響について取りまとめるとともに,JCO事故における住民等の健康管理のあり方が示された」(ibid.)

2012-05-05 07:34:01
dabitur @dabitur

「JCO事故における健康影響について,推定された住民の方の被ばく線量は,種々の放射線影響が現れるには十分低く,住民の方に放射線による健康影響が現れるとは考えられないものである」(ibid.)

2012-05-05 07:34:13
dabitur @dabitur

「皮膚への影響,脱毛,奇形などの確定的影響*1が発生するレベルにはなく,がん及び遺伝的影響である確率的影響*2も,放射線が原因となる影響の発生の可能性は極めて小さく,影響は検出できないとしており,放射線の影響が検出できるような特別な健康診断は考えられないとしている」(ibid.)

2012-05-05 07:34:46
dabitur @dabitur

「確定的影響は,被ばく後比較的早期に発生する症状が多いが,そのような症状は,JCO事故後に実施した健康診断では確認されておらず,心配ないと考えられる。また,確率的影響は,放射線以外の原因でも発生する影響であり,推定された量の放射線被ばくでは,影響の増加はほとんどないと考えられる

2012-05-05 07:35:07
dabitur @dabitur

「しかし,住民の不安に対し適切な対応をとるため,健康診断,健康相談を実施することが適当とした。健康診断については,1mSvを超える者,避難要請区域内の住民のうちの希望者を対象とし, 」(ibid.)

2012-05-05 07:35:50
dabitur @dabitur

「健康に関する一般的な助言に資するという目的から,当分の間,年1回行うことが適当であり,健康相談は窓口を設け幅広く希望者を対象とすることが望ましいと指摘した」(ibid.)

2012-05-05 07:36:01
dabitur @dabitur

『原子力安全白書』平成11年版では「50mSv」という具体的な数値はでてこないのか

2012-05-05 07:36:45
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。/ 原子力安全委員会『原子力安全白書』(平成12年版)(平成13年3月) http://t.co/M3zo05t0

2012-05-05 07:39:03
dabitur @dabitur

「第1章 原子力の平和利用に伴う潜在的危険性と事故・災害 第1節 原子力利用における潜在的危険性   (原子力と放射線)  (原子力利用に伴う潜在的危険性とは何か)  (原子力利用に伴う危険と利益)  (放射線被ばくの影響)  (放射線管理上の線量限度)」

2012-05-05 07:40:10
dabitur @dabitur

「図表1-1-3:放射線の全身被ばくの人体影響 放射線を全身に受けたときに起こる影響のうち、代表的なものを示す*1」 http://t.co/BOk6BFUp

2012-05-05 07:42:51
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