2012年5月27日日本気象学会『5月6日の茨城栃木の竜巻に関する調査研究報告会』まとめ

2012年5月27日につくば国際会議場にて行われた日本気象学会2012年春季大会での緊急報告会『5月6日の茨城栃木の竜巻に関する調査研究報告会』のまとめになります。 公式告知:http://www.metsoc.or.jp/others/News/tornade_prog.pdf (報告内容) 「竜巻研究の課題と今回の竜巻の特徴」:東大大気海洋研究所 新野宏氏 続きを読む
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#metsocj 続いて気象庁の山内氏から『二重偏波ドップラーレーダーで捉えた竜巻渦』です。

2012-05-27 18:30:20
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#metsocj 気象庁山内氏「気象研から見て今回のエリアは北西方向15km程度の距離。2分毎に高度100m程度、4分毎に全体のレーダースキャンを行なっている。通常は親雲が観測対象だが近隣のため竜巻本体も観測。」

2012-05-27 18:32:37
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#metsocj 気象庁山内氏「親雲の構造、1223にフックエコーが見られていた。鉛直断面で見るとエコートップは10km程度。3次元構造では1235頃に竜巻渦の形態が発生した。フックエコーをドップラーレーダーで見ると渦があると分かり、1235に竜巻と同スケールの渦となっていた」

2012-05-27 18:36:34
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#metsocj 気象庁山内氏「レーダーでのパターンと被害分布を見ると両者のデータは一致している。鉛直構造を下層から順に見ると、約5kmの高さでも渦が存在していると判明。」

2012-05-27 18:38:40
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#metsocj 続いては防災科研の鈴木氏から『2012年5月6日つくば市の竜巻における親雲の構造について』

2012-05-27 18:42:05
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#metsocj 防災科研鈴木氏「スーパーセルは米国で研究が進んでいる。竜巻の他、予報手段としての活用からも注目されている。特徴としては持続する強い上昇流やメソサイクロンつまり鍵状の分布や前後の風の存在、数時間継続など。日本では米国のようなスーパーセルはほぼ見られない」

2012-05-27 18:44:26
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#metsocj 防災科研鈴木氏「今回は埼玉の国交省のXバンドと柏の気象庁のデータを利用。両者から概ね40-50kmに竜巻が存在。12時32分のレーダーでは強い雨の領域の南西部にフックエコーが存在。水平風も回転状で、渦度からもメソサイクロン相当が見られた」

2012-05-27 18:46:27
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#metsocj 防災科研鈴木氏「その後時間経過とともに、フック部分が今回の被害域を通過するが、徐々にエコーが不明瞭になっていった。」

2012-05-27 18:47:27
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#metsocj 防災科研鈴木氏「Xバンドレーダーは2つの偏波で観測を行うもの。雨滴の反射状況、電波の位相変化などから降雨の推定を行う。基本的に雨の強さは雨粒の大きさつまり反射強度に対応する。」

2012-05-27 18:49:02
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#metsocj 続いて気象研の加藤氏から『発生環境場、佐呂間竜巻との比較と250m数値シミュレーションの結果』です。

2012-05-27 18:52:45
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#metsocj 気象研加藤氏「竜巻発生前日の環境場そして佐呂間竜巻との比較を行った。5日12時と6日12時で比較すると地上上空の気温などはほとんど同じだが、高度500mの水蒸気量が6日には倍増している。風も前日とは地上の上空の風向差があり、発生しやすい環境となっていた」

2012-05-27 18:55:15
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#metsocj 気象研加藤氏「詳しく見ると、6日については温度こそはほぼ同じだが、相対的には海からの南風が入っているので気温が周囲より低くと判明、また水蒸気量から湿った空気のピンポイントな流入も判明し、500m以上の上空で積乱雲が発生しやすい状態だった」

2012-05-27 18:57:06
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#metsocj 気象研加藤氏「佐呂間竜巻の状況と比較すると、共通点としては西側の産地と会場からの至純空気の流入や下層の強い風の時計回りの回転などがあげられる。上空の気圧でも500hPaの様子から似ているが、大気自体の不安定度は今回のつくばのほうが上回る」

2012-05-27 18:59:43
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#metsocj 気象研加藤氏「250m及び50mの数値シミュレーションによると、再現されたスーパーセルは位置や時間は若干ずれていたものの、スーパーセルの構造そのものは捉えられていた。」

2012-05-27 19:02:56
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#metsocj 質問「スーパーセルができてそのうち竜巻に発達が2割だと、残りはどうなるのか」新野氏「難しいところだが、米国でもドップラーレーダーの観測でもわからないことが多い。上空だけでは違いが出てこないが地上では違いが出てくる可能性も」

2012-05-27 19:05:45
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#metsocj 質問「どのような点を観測やシミュレーションで重視するのか」新野氏「今考えているのは地表面近く。普通のドップラーレーダーでは数分毎の観測となるが、よく詳しいプロセスが見られればと」

2012-05-27 19:08:12
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#metsocj 質問「今回の竜巻の進行方向右側の被害があるとされているが」防衛大小林氏「一般的に竜巻は同心円。ただ台風と同じで進行方向の速度が加わるとより被害が出る。ただ今回の被害箇所については今後の調査対象だが、一般的には言えると」

2012-05-27 19:10:00
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#metsocj 質問「メソサイクロンやスーパーセルの存在、と地上での被害の関連は別のトリガーではないか。また予測の精度はどの程度か」新野氏「環境場が表現されていれば再現できると。ただ回転よりは上昇気流の形成が重要な上、回転のヨウ素が判明すればよく分かるようになると」

2012-05-27 19:12:56
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#metsocj 質問「地上での風速データと予測の整合性は」加藤氏「今後調査を行なっていくことになる」

2012-05-27 19:15:00
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#metsocj 質問「急激に上昇気流が強くなる特段のメカニズムはあるのか」新野氏「起きる場合にはメソサイクロンが高さ1-2kmで強い回転。スケール的に風速場に影響して大きな気圧傾度が発生する流れ」

2012-05-27 19:16:56
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#metsocj 再開します。続いては防衛大の小林氏から『上空から見た被害の特徴』です

2012-05-27 19:31:45
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#metsocj 防衛大小林氏「これまでの日本の竜巻について。これまでは99年の豊橋以外は殆ど10分以内。だが長時間に及ぶものもあると。今回では同時に複数発生し、いわゆるアウトブレークの可能性もある。」

2012-05-27 19:34:03
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#metsocj 防衛大小林氏「航空機での観測は5月7日の日中に実施。エリアはつくばから常総、真岡から常陸大宮まで。地上の竜巻渦の状況は不明だが少なくともつくばの例は十数km継続していたと。」

2012-05-27 19:35:22
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#metsocj 防衛大小林氏「一般に竜巻による地上の痕跡については日本の場合は土壌的に残りにくい。建物被害を見ても、建築物の新旧に関わらず、一般傾向として進行方向右側に位置する部分で被害が出ている。これらの被害の様子はこれまでの日本の台風ではあまり見られてないのが実情」

2012-05-27 19:38:16
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#metsocj 防衛大小林氏「最も被害がひどかったつくば市北条。進行方向裏側では相対的に被害が小さい傾向が見られるが被害がないわけではない。佐呂間の例と同様に壊滅的な被害をうける区域は直線に分布しており、渦の通過箇所に近いと想定される」

2012-05-27 19:39:37
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