山本七平botまとめ/「知にかかわる」面が皆無な”信念の人”/~なぜ反原発教徒と知的討論に基づく判断の変更・合意が成立しないのか?~

山本七平著『日本人と組織』/第九章「知」を窒息させる「信」の肥大化/147頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

26】簡単にいえば、神聖組織は、元来「理念」であり、世俗の中にあるものはその模型であり、その組織の目標は、自らその周辺の世俗組織を、天上・末世・歴史の未来における神聖組織へと導くという点に、その存在理由があるわけである。

2012-07-23 06:58:53
山本七平bot @yamamoto7hei

27】しかし、この原子力反対教は、「信」が極限まで肥大しながら、何かの模型ではないという意味で、あくまでも世俗組織であって神聖組織ではないのである。では世俗組織なのであろうか。

2012-07-23 07:21:20
山本七平bot @yamamoto7hei

28】世俗組織なら、それは「知にかかわる」面でだけ人間が参加する組織のはず、となると「正確な知識」なく、したがって正確な知的な反対理由もなしに反対することは、世俗組織にはあり得ないからである。

2012-07-23 07:59:01
山本七平bot @yamamoto7hei

29】となると、これは、前回にも記したように、中間型ともいえるし、同時に中間でなく両極のいずれでもないといえるものが、世俗の問題について「信」を肥大化させているから、通常の世俗組織はこれに対抗できないわけである。

2012-07-23 08:22:00
山本七平bot @yamamoto7hei

30】というのは、先方は当然のこととして改宗・転向を強制するが、それをされている方には、自分の方から触れうる「知にかかわる」面が相手にないから、手の施しようがなくなるからである。この問題は、以上のような形で鮮明に表れた場合は、だれの目にも明らかである。

2012-07-23 08:59:24
山本七平bot @yamamoto7hei

31】したがって公害反対運勣や原発反対運勣は、この面の分析にとって、大変に有難い存在なのだが、これらの擬似神聖組織を、もしこういう運動組織にだけ表れる特殊現象と見、自分たちの組織は別だと考えているなら、それは誤りであろう。

2012-07-23 09:21:29
山本七平bot @yamamoto7hei

32】というのは、この要素が存在しない組織は恐らく日本には存在しないからである。~後略

2012-07-23 09:59:28