「児童ポルノ規制」とは「検閲」である

日本国憲法が明文で禁止している検閲を、児童保護の名目でこっそり導入しようとしている動き。 これを批判しないメディア、そして私たち。
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有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

検閲する側が政治的な理由と目論見から「検閲」を「規制」に言い換えるのはもっともだが、される側までもがそれに合わせるというのはどういうことなのか。。

2013-05-29 07:40:35
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

メディアが横並びで「表現規制」の語をオウム返しに使っているのは、「検閲」や「言論統制」という問題意識が皆無であるのを端的に示している。

2013-05-29 07:41:56
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

戦前の「検閲」「言論統制」問題(上からと下からの双方において)の検討と反省がほとんどまったく行われず(例によって)有耶無耶にされたことが、現在まで影響しているのだろうなと。戦後のGHQの検閲と併せて、概括的にきちんと行なってしかるべきだった。

2013-05-29 07:45:32
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

今回、ヤフオクがいち早く検閲側に馳せ参じているのを見れば分かるように、「検閲」は単純な権力という送り側からのトップダウンの問題ではない。受け側、コンテンツ側の「迎合」「協力」の問題でもあるのだ。例えば。戦前の問題を実証的に再検証した佐藤卓己『言論統制』を一読すれば瞭然だろう。

2013-05-29 08:24:37
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

しかし、受け側が公共圏において(ヤフオクの如く、そして戦前の言論出版界の如く)、ひとたび「検閲」への積極的な協力と迎合の態度を示し、それを既成事実化してしまったら、以後、その人々はどんな名分をもって公権力の暴走を阻止できると言うのだろうか?

2013-05-29 08:30:16
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

統帥権干犯問題の時、天皇機関説事件の時、メディアと言論出版界は何をしていたのか?「法の支配」を無視し国家主義側に立って煽動に加わらずとも、傍観していたのではなかろうか。そしてその人々は、「検閲」「言論統制」がいよいよ自分たちにかかわる問題となった時、立ち上がって戦ったのだろうか?

2013-05-29 08:34:18
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

「児童ポルノ」という他者への「暴力」の排除と阻止こそが、関連法規の主眼たるべきである。ところが、山口浩先生も書かれているように http://t.co/l89MTcxryA 今回の「改正案」にはそんな趣旨は微塵も含まれていない。あるのは「検閲」という別の「暴力」の提案だけである。

2013-05-29 08:38:43
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

要するに今回の「改正案」とは、「児童ポルノ」という「暴力」が存在していることを利用した、あえて言えばむしろ「僥倖」とした、しかもそれを積極的に阻止・排除しようという目的を持たずにして、「検閲」という公権力のまったく別の「暴力」を正当化しようとする計画としか見えない。

2013-05-29 08:44:14
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

「児童ポルノ」という暴力の阻止と排除は、公共圏=市民社会全体にかかわる問題のはずである。であるならば、なぜ法案の内容や趣旨を公共圏においてきちんと説明することをせず(何のためのメディアなのか)、逆に騙し討ちのような形での提出を図っているのか?

2013-05-29 08:46:12
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

無論、戦前と戦後を問わず、TV局も新聞もコンテンツベンダーも、第一に利益を追求する私企業なのであって、思想や理念の擁護者ではあり得ない。トクヴィルがアメリカに見たような、市民の政治的自由の同伴者たるメディアは、とうに幻想と成り果てている(メディアはなおその幻想を利用しているが)。

2013-05-29 08:52:44
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

しかし私企業である限り、彼らは常に顧客たるユーザーの意見に気を配らざるを得ない。結局のところ、公権力に対してと同じく、メディアや言論出版界をも監視する責任は個々の市民にある。自由と「法の支配」の擁護者とは他の誰でもなく、自分たち自身である(それを組織化するのは別の問題である)。

2013-05-29 08:56:33
有坂純@ターナー展 @thorn_the_socrs

現状で私が考えるベターな解は、「児童ポルノ」という暴力阻止排除を主眼とした(組織犯罪対策や被害者のケアについてきちんと定めた)対案を作り(野党でも与党でもよろしい)、「表現規制」なる公権力による「検閲」の目論見を混ぜ込ませる余地を失わせること。

2013-05-29 09:02:15