「人間」はいつから「自然」に含まれなくなったか

『薬やクーラーに頼らないのは「正しい」、自然分娩や母乳育児は「正しい」、とか、何かにつけて「(人を含まない)自然は正しく、それに逆らうのは間違ってる」という感覚が、老若問わずあるんですよね。あれに名称はあるのか、正体は何なのか気になります。』 このMEDSIさんの疑問を、原田先生にお伺いした所、そもそも含まれてないとの回答と、その「自然」と「人為」の歴史の概略を教えていただきました。 ナチュラル志向の奥底が深い…
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自然という訳語

伊藤公紀 @Itoh_Kiminori

「Nature」を「自然」と訳したのは?→江戸時代の蘭学者がオランダ語の「Natuur」を「自然」と苦訳したのが最初らしい。http://t.co/OHGKhjoT @anmentei @teyllan @noboo69

2012-04-03 23:53:53
リンク t.co 自然観察
hamagaki seiji @ihatov_cc

歴史的な初出は、寛政8(1796)年に稲村三伯による最初の蘭日辞書『波留麻和解』において、オランダ語natuurを「自然」と訳したそうです(柳父章『翻訳の思想』)。RT @show3418 @anmintei @Itoh_Kiminori Natureを「自然」と訳したのは…

2012-04-03 23:40:10
hamagaki seiji @ihatov_cc

ただ明治以降も「自然」という語は元来の「おのずから」という意味で使われることが多かったのが、明治22年(1889)年の森鴎外×巌本善治「文学と自然」論争で、鴎外がドイツ語Naturの意味を強調したのことです。 @show3418 @anmintei @Itoh_Kiminori

2012-04-03 23:52:57
hamagaki seiji @ihatov_cc

柳父章『翻訳の思想』における引用を見る限りでは、『波留麻和解』には「自然」の読みは書かれていないようです。すでに平安末期の『色葉字類抄』には、「自然」の語にシゼン・ジネン両方の読みが載っているようです。RT @reservologic: このときの読みは「しぜん」?「じねん」?

2012-04-04 00:22:28
hamagaki seiji @ihatov_cc

@reservologic 私は専門でも何でもないのですが、柳父章『翻訳の思想』を見ると、明治以降は意味にかかわらず読みは「シゼン」が大勢のようです。右の明治2(1869)年『和譯英辞書』では、下段'Natural'の訳に「シゼンの」と。 http://t.co/8OoyCduD

2012-04-04 23:11:21
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石部統久 @mototchen

@Itoh_Kiminori @anmentei @teyllan @noboo69 訳語「自然」は明治22年頃定着だそうです。(参照)訳語と新語から見る日本の近代「自然」・「文明」・「哲学」を例として陳瑋芬http://t.co/NagC0tB4(の終わりのほう)

2012-04-04 05:25:49
SAITO Mareshi @mareshi

3限は大学院演習でした。「自然」概念については1限の漱石とも絡むかな。変化や時間の観念が含まれるのが伝統世界における「自然」ではないかという話とか。被創造物としての「自然」とは違う。

2011-12-06 14:32:44
SAITO Mareshi @mareshi

もともとあった「自然」という語をnatureの訳語としたことで後戻りのできない干渉が生じることになったという話を授業でしたのだけれど、西欧の文脈を漢語によって受け止めたことで、和語は相対的にそうした干渉からは免れたという側面もあることに気づいた。翻訳語の位相差と文化制度の再構築。

2011-12-06 15:45:49