被曝によるがん死亡リスクの増加についてもうちょっと考えてみた

以前リーフレインさんがまとめて下さったまとめhttp://togetter.com/li/321967 のコメントにも書きましたが、ここでの考えたことでどーも自分の中でも不明確な部分があったので、その間違えが何であったかを考え、更にもう少し先まで考えてみました。  で、MAKIRIN1230氏のブログが修正(というか改竄)後も相変わらず間違っているということが別の形で示されたので、それについてもあわせてまとめました。 続きを読む
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

数値の意味するところが「被曝群における○○」なのか「非被曝群における○○」なのか、区別できていないのに自説を振り撒かれてもねえ(笑)

2012-08-11 03:17:19

8/14 ツイートを追加しました。

ここまでのまとめの流れから、LARが意味がない数値であると私が主張していると勘違いする人がいるかもしれないとも考えられたので、そうではないということの説明(LARを使うことの積極的意義)についてのツイートを追加しました。

地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

では、LARってあまり意味がない数値なのか、というと必ずしもそういうわけではありません。これは既存の我々が常に曝されているリスクとの大小の評価には役立ちます。これらのリスクはLARによって評価されるからです。

2012-08-13 23:43:05
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

例えば、交通事故や感染症などのリスク因子、多量飲酒や喫煙などの生活習慣に起因するリスク因子については「普段私たちが曝されていて、かつ社会からそれらを除去することができない、あるいは難しい」ものです。

2012-08-13 23:43:26
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

こういった因子と放射線被曝のリスクを比較するときには、同じ土俵で比較をするのがより妥当なわけです。その意味でLARを推定するのはリスク評価上重要な意味はあります。

2012-08-13 23:43:41
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

例えば、どこにでもあるリスク因子であれば、どのような年齢層が年間どれだけそれによって死亡しているかは統計がとられていますし、それらのハザード関数を求めることはできます。

2012-08-13 23:43:57
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

このようにして、それぞれのリスク因子のLARを求め、それらがどのような年代層でどのような頻度で発生しているかがわかっていれば、これらのリスク因子によりどれだけ平均寿命が縮まるかを評価することもできます。

2012-08-13 23:45:03
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

その評価の一例として、例えばこの資料のようなものが挙げられます。http://t.co/kcgaH75 放射線被曝の影響もこれらと同じ土俵で比較するためにはLARを求めるのが妥当性が高いことになります。

2012-08-13 23:46:12
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

しかし、男性で未婚というのは10年近い寿命損失になるというのは恐ろしいですねぇ。もちろん、これは独身であるということに伴い様々なリスクが重積してくるからですが(食生活の乱れなど)。

2012-08-13 23:46:31
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

放射線被曝についてはバックグラウンドが0のところに「新たに上乗せされるリスク」と仮定しているので(実際には自然界から被曝してはいるが、それは考慮されていないので)、上記のような日常的に私たちの周囲にあるリスク因子とは様相が異なります。

2012-08-13 23:46:48
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

もう一つ面倒なのは、放射線被曝によって発生する健康被害ががんという放射線被曝によらなくても発生すると考えられるごく一般的な疾患であるということです。それは例えば有機水銀中毒(水俣病)やカドミウム中毒(イタイイタイ病)と根本的に様相を異にします。

2012-08-13 23:47:11

8/14 ツイートを追加しました(2)
これまでのまとめの内容を踏まえ、MAKIRIN1230氏が彼のブログ(修正履歴なしで修正を行ったバージョン)でいまだ根本的な間違いを犯しているところがどこかを指摘しておきました。

地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ですので、こういったリスク因子と放射線被曝の健康影響を比較する、という意味ではLARは意味があるものです。しかし、http://t.co/Nnn33Zv のような使い方は完全に間違い。

2012-08-13 23:47:29
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

これまでに書いてきたように、今の(生涯の)がん死亡率が○○%で、被曝によるがん死亡率増加は×%という場合、この×%はLSS研究ではEAR、ERRで、例えばICRPではLARに基づき計算されています。

2012-08-13 23:47:44
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

http://t.co/Nnn33Zv で言及されているのは「非被曝群では○○%のがん死亡率でああるのに対して、被曝群では××%になる」の××がどのような数値になるかです。

2012-08-13 23:48:01
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

そこに対して持ってくるべきは当然、○○は②であり③ではありませんし、××は①であり④ではありません。

2012-08-13 23:48:22
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

それに対して、http://t.co/Nnn33Zvの「1Svの被曝で、がんで死ぬ確率が26%から39%に増加する」などでは××が①でも④ですらもありませんので、当然間違いです。

2012-08-13 23:48:36
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

更に、「100mSvで生涯のがん死亡のリスクが約0.5%上乗せになるという説明をしたいのであれば、たとえばICRP publ.103 の名目リスクに基づいて説明すべきです」も××を④だと主張しているので間違いです。

2012-08-13 23:48:49
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

勿論、http://t.co/Nnn33Zvで言及されているhttp://t.co/Gi5dZmU の記述も間違っています。しかし、間違いを指摘しているときにその指摘内容が間違っていればそれは当然アウトです。

2012-08-13 23:49:08
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

こういった議論をするときには、何が前提で何と何を比較することが求められているのかを考えることが重要です。当然、上記の議論ではELRで表される上乗せ分が議論対象ですので、それを論ずるのに不適切な指標(LAR)を持ってきたらアウトです。

2012-08-13 23:49:30
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