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心の傷を癒すということ

 1995年に起きた阪神淡路大震災で、自ら被災しながらも被災者のケアを行った精神科医安克昌先生(故人)の手記。東日本大震災を経て、増補改訂版が出ました。  つまみ食い的なツイートなので、安先生の本意から外れるところもあるかもしれませんが、それは私の不徳といたすところです。ご指摘いただけたら嬉しいです。また、よろしかったら本書も御覧ください。 注:Scansnapの読み取りにより、誤字脱字等多いです。
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宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

震災後、被災地を離れた人たちを、県外被災者と呼ぶ。…日本中でつねにさまざまな災害が起きている。その被害者の数も相当の数になる。われわれの隣人の中には、種々の災害の被害者がいる。そのことに思い至るだけの想像力をわれわれは忘れてはならないだろう。 同前

2012-08-19 10:44:56

p323 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

被災地にコミラーティを復興していく際に、この、居場所の問題を考えていかなくてはならないと私は思う。…被災者がただ生かされているというのではなく、自分の居場所を見出せるようなコミュニティとはどのようなものなのだろうか。 同前

2012-08-19 12:29:12
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

心の傷や心のケアという言葉が一人歩きすることによって、「被災者の苦しみⅡカウンセリング」という短絡的な図式がマスコミで見られるようにもなったと私は思う。その図式だけが残るとしたら、この大災害からわれわれが学んだものはあまりに貧しい。 同前

2012-08-19 12:29:51

災害精神医学と心的外傷について

第1章災害精神医学入門--阪神大震災の経験を中心に

p337

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

愛する人との死別、住居や財産の喪失、失業、再建のための二重ローンなど、人びとは、個別の問題に直面することになります。ハネムーン期に感じられた連帯感は薄れ、早く生活を再建した人といまだ問題を抱えている自分とのギャップを強く意識するようになります。これが幻滅期です。 同前

2012-08-19 12:40:51
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

この幻滅期を超えて、新たな希望を抱き、生活の再建へと向かう時期が再適応期です。この幻滅期から再適応期は自然に進んでいくプロセスではありません。…その意味で、復興の困難な人たちに対しては、何らかの社会的サポートが必要なのです。 同前

2012-08-19 12:42:51

p347

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

般に、共通のトラゥマをもつ人同士でグループを作ることは、とても支えになるといわれています。というのは、ひとたびトラウマを体験すると、対人関係がとても難しくなるからなのです。先程、PTSDを受けた人はリマインダーを避ける結果、社会から引きこもってしまうという話をしましたね。 同前

2012-08-19 12:51:48
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

同じトラウマを経験していない人に、こんな話をしてもわかってもらえない、という気持ちが生まれます。たとえば、震災で子どもを亡くしたお母さんは、昼間も買い物に行けないんですね。…声をかけられて、子どもに関係する話題に触れると、それだけでもつらいのです。 同前

2012-08-19 12:53:11
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

「子どもを亡くした親の会」…ご主人との仲がうまくいかなくなるといわれる方がいます。どちらかが非常に悲しんでいると、どちらかが生活を支えなければならないから、非常にがんばるわけですね。 …子どもを亡くすというトラウマは、夫婦という関係にも大きな打撃を与えるのです。 同前

2012-08-19 12:55:44

p351

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

いってみれば同じ被災者同士だったんだけれども、やはり被災住民としては、そのとき水のでないホースの筒先をもってうろうろしている消防隊員を罵倒する以外になかったのかもしれません。でも、された方の消防署員は非常につらかったでしょう。同前

2012-08-19 12:59:33

p352

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

救援活動は災害が起こってから始まるのですから、すでに被害者は出ているのです。 救援活動は被害を最小限にするための活動ですが、被害をゼロにすることはなかなかできるものではありません。…この救援の事後性は、救援者に無力感を抱かせる事実なのです。 同前

2012-08-19 13:04:14

p357

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

子どもを亡くしたお母さんに、「あなたの心のケアをいたしましょう」というふうに近づいていったら、それはとても失礼なことですよね。…メンタルとか、精神とか、心とかといったことで近寄ってくる人に対して、とても嫌な感じがするものなのです。 同前

2012-08-19 14:03:55
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

小西聖子先生があるとき言っておられたことですけど、「心のケアをしたいという人はたくさんいるけれども、心のケアを受けたいという人はいない」。名言だと思いますね。それは、心のケアを受けるということは、被災者にとってとても恥ずかしいことだからです。 同前

2012-08-19 14:04:34

p358

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

次に大切なことは、被災者の主体性を損なわないということです。これは被災者のプライドを大切にするということとつながっているんですけど、援助を受けるかどうかは、その人の主体性で判断すべきことなのです。黙って援助を受けなさいという姿勢は、傷ついた人をもう一度傷つけることです。 同前

2012-08-19 14:05:30

第2章 心的外傷とは何か

p381

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

…虐待者である親は、何らかの心理的な問題を抱え、おそらく自分自身も苦悩しているということがいえます。虐待者は、表面的には普通に社会生活を送っているようでも、地域社会から、また、友人や親戚の中で孤立しています。 同前

2012-08-19 15:56:25
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