心の傷を癒すということ

 1995年に起きた阪神淡路大震災で、自ら被災しながらも被災者のケアを行った精神科医安克昌先生(故人)の手記。東日本大震災を経て、増補改訂版が出ました。  つまみ食い的なツイートなので、安先生の本意から外れるところもあるかもしれませんが、それは私の不徳といたすところです。ご指摘いただけたら嬉しいです。また、よろしかったら本書も御覧ください。 注:Scansnapの読み取りにより、誤字脱字等多いです。
103

心の傷を癒すということ

p161 避難所と仮設住宅の現実

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

自立にはそれぞれの。ヘースがある。はやく立ち直れる人もいるが、なかなか思うように元の生活に一戻れない人もいる。それを、援助しすぎたから依存心が強くなって自立できないのだ、と決めつけてよいものだろうか。 心の傷を癒すということより

2012-08-17 13:09:21

p168 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

私の妻は、大阪に避難したときに子どもを公園で遊ばせていたところ、見ず知らずの人に「神戸で被災した人は罰が当たったんですよ」と言われたそうである。また私の知人は、大阪にある職場で「いつまで甘えてるんや」と言われてひどく傷ついたと言っていた。 同前

2012-08-17 16:24:09
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

…もといたところにやっと戻って来ても、それで終わりではない。そこにはまだ生活の再建のための長い営みが待っている。…地域社会の復興とは、ぴかぴかの経済活動だけではないはずだ。社会的弱者といわれる人たちの日々の営みの中にこそ、貴重なものがあるように私には思えるのである。 同前

2012-08-17 16:26:55

p172 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

避難所をなかなか離れられない人たちは、将来に不安を持ち、行政の対応に怒りを感じ、復興を急ぐ世間からの批判に傷ついていた。あせりとあきらめの中で、ただ事態が好転するのを待たざるをえないのだった。 同前

2012-08-17 16:31:07

p186 変化していく意識

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

阪神淡路大震災後の手記:確かに瓦礫はリアルである。立派な家も地震が来ればただの瓦礫である。だからといって、人は瓦礫の中で生きるわけではない。 このようなことを、緑したたる仙台市で私は考えた。この町には美しさがリアルに存在していた。 同前

2012-08-17 17:01:57

p193 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

復旧した人には、いまだ被災当事者である人の気持ちがわからなくなっていくからである。そして被災当事者は確実に少数に、孤独になっていく。その事態を象徴的に示すのが、「自殺」や「孤独死」である。 同前

2012-08-17 17:06:48

p198 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

…自殺につながるような耐え難い感情の状態として次の三つを挙げている。深い孤独感、無価値感、殺害に至るほどの怒り、である。このような感情を緩和するためには、外部からの援助が必要である。それは、他者との関係、仕事との関係、自己の部分との関係である。 同前

2012-08-17 17:10:25

p201 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

神戸の町がだんだんと復興していき、私をはじめ多くの被災者の当事者意識が薄らいでいく中で、数多くの人が、理解や援助もなくただ一人で死んでいる。彼らはまさに、被災の当事者として亡くなったのだということを忘れてはならないだろう。 同前

2012-08-17 17:12:35

p214 <心の傷>とは?

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

一般に子どもは自分に降りかかったことをことばで十分に表現することができないため、身体や行動の異常として現われる。指しゃぶり・尿失禁などの「赤ちゃん返り(退行)」、まばたき・口をゆがめたりなどの「チック(不随意運動)」、発熱・腹痛などの「身体不定愁訴」といった症状である。 同前

2012-08-17 18:12:06

p215 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

「外傷の主題または側面を表現する遊び」、すなわち〃ごっこ遊び〃もよく見られる。阪神・淡路大震災の後には、多くの子どもに「地震ごっこ」が見られた。せっかく積み上げた積木を突然壊す、おもちゃの家をぐちゃぐちゃにする、絵を途中から真っ黒に塗りつぶす、などの震災を再現した遊びである。同前

2012-08-17 18:17:37
宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

震災によって子どもが受けた心的外傷は、地震そのものよりもむしろ災害によって変化した家庭環境の中から受けたものが多いだろう。たとえば、親が自分のイライラした感情を子どもにぶつけてしまう。あるいは親が忙しくて子どもが構ってもらえなくなる。 同前

2012-08-17 18:20:13

p216 同前

宮原篤 7th「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」 @atsushimiyahara

また、親が深く傷ついているとき、親を気遣うことによって、子どもは傷つくのである。 同前

2012-08-17 18:20:35
1 ・・ 6 次へ