暮らしの中の放射線・放射能はどの程度?

「暮らしの中の放射線・放射能はどの程度?」よく知られているとは思うけれど、改めて確認した。 自然放射線の起源には4種類ある: (外部被曝2種類)1)宇宙線のμ粒子、2)地面や壁からのγ線 (内部被曝2種類)3)食物の40K等のβ線、4)空中のラドン222Rnのα線 続きを読む
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

京都~大阪を行き来する私の日常生活空間での積算線量を、今日から1日1回メモする予定。ちなみに2012年8月の福島旅行中は4日で8μSv。同じ頃、阪大RCNPの実験室では11日間に19μSv。あまり変わらない。なお実験室での空間線量率は約0.065μSv/h、関西の平均がこの程度。

2012-08-24 16:09:35
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

もちろん空間線量率は、場所によって大きく異なる。例えば同じ関西でも、高い所と低いところとで、10倍くらい異なる。関東の最高と最低では20倍以上の開きがある。この原因は、岩石と土の質の違いによる。具体的には、天然のカリウム40成分の多寡、ウラン・トリウム成分の多寡でほぼ決まる。

2012-08-24 16:17:12
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

メモ。天然の40Kは放射性(半減期12.8億年)で日常の食物にも含まれ、天然カリウム全体の約0.0117%を占める。カリウムは普通の土壌や花崗岩(特に長石と雲母)に多く含まれる。ところが同じ花崗岩でもK成分の多寡に大きな違いがある。それで場所によって、自然放射能に違いが生じる。

2012-08-24 16:37:18
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

自然放射能が場所で違う原因は、40Kの違いに加えて、天然のウラン・トリウムの違いもある。天然ウランは普通の岩石中に約3ppm(1トンの庭石に3g程度)含まれる。天然トリウムはさらにその4倍。しかし場所によって100倍も違い、その成分の違いで、場所による自然放射能の違いも生じる。

2012-08-24 16:57:33
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

γ線の空間線量率は場所により大きく異なる。その違いの原因を、天然の40Kと天然ウラン・トリウム成分の、場所による違いで推定した結果:http://t.co/xp1rqDy5 この地図で、大阪府茨木市の大阪大学付近を見ると約0.074μSv/hの程度。これは私の実測と矛盾しない。

2012-08-24 17:09:42
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

天然のウラン・トリウムが本当に、そんなに多く身近にあるの?と思ったとしよう。「理科年表」を調べると2011年度版までは約900ppb (0.9ppm)と出ているはず。これは文献が1985年だったから。2012年度版から、2003年の文献になり、約3倍にあがり(苦笑)2.7ppm。

2012-08-24 17:29:24
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

岩石は天然ウラン・トリウムを数ppm含む。なぜγ線が出るか。純粋の238Uや232Thはα崩壊しか起こさない。しかし地球に何十億年もいるうちにα崩壊し、次々に別の原子核に変化し、途中でγ線も出す。図の波線がγ線で、これらが全部出ている: http://t.co/jQ55sXfm

2012-08-24 17:43:26
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偽ひよこ @sitemaster_KRM

@y_mizuno よく信じる(というか手抜きで調べる)http://t.co/MPLzO5kqによると,海水中で3.2ppbくらいですか.

2012-08-24 17:39:53
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@sitemaster_KRM それにしても、珍しい資料をご存知ですね。あそこ(JLab)は、アメリカの核物理・ハドロン物理用の電子加速器研究センター。 ウランの説明 http://t.co/GkJ2kuwS

2012-08-24 21:11:58
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@sitemaster_KRM ウラン238が自然の海水中に3.2ppbあるとすると、1Lの海水にウランは3.2μg、そのモル数を計算して、半減期45億年で崩壊率(ベクレル数)を計算すると、0.04Bq/Lという結果。まぁこんなものでしょう。岩石中で10Bq/kg程度だった記憶。

2012-08-24 21:53:13
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@sitemaster_KRM 失礼、以前計算した時は、ウランが岩石中に1ppmあるとして計算して10Bq/kg程度だったかと。最近のデータでは、天然ウランの地殻平均濃度が3倍に増えているので、再計算するなら、 30Bq/kg程度になりそう。確認すると約34Bq/kgですか。

2012-08-24 22:27:18
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

天然ウランには2種類ある:238Uと235U。238Uが大部分で235Uは微量。しかしウランの放射能は、実は天然に存在しない234Uも考える必要がある。234Uは238Uのα崩壊後に自然生成、半減期が短くて放射能が強い。この効果を入れると天然ウランの放射能は238Uだけの約2倍。

2012-08-24 23:10:37
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

天然ウランの放射能では、実は234Uも考える必要がある。この234Uは、238Uから常時生成されては即座に(半減期24万年で)消えて行く。つまり238U(半減期45億年)はゆっくり崩壊し、1個崩壊すれば234Uが出来ては消える。これを放射平衡と呼ぶ。結果的に、放射能は2倍になる。

2012-08-24 23:26:21
kato takeaki @katot1970

これだけ見ると誤解を招くので捕捉。α崩壊後は、別の名前の原子に変わります。238Uのα崩壊後はトリウム234になり、それがβ崩壊してプロトアクチニウム234になり、それがもう一回β崩壊してウラン234に辿り着きます。 RT @y_mizuno: 天然ウランには2種類ある

2012-08-24 23:21:12
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

御意。途中省略しました。補足の通りです。@katot1970 これだけ見ると誤解を招くので捕捉。α崩壊後は、別の名前の原子に変わります。238Uのα崩壊後はトリウム234になり、それがβ崩壊してプロトアクチニウム234になり、それがもう一回β崩壊してウラン234に辿り着きます。

2012-08-24 23:28:05
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ウラン崩壊系列の図。簡単バーション:http://t.co/jQ55sXfm 複雑バージョン:http://t.co/eDBbH5Kv 確認テスト^^:http://t.co/E7LJN8kZ http://t.co/hwLIKIwU http://t.co/VkzB71Km

2012-08-24 23:47:17
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カレーさん★ブラックスター @kitamurakenji

@y_mizuno 水野先生、変な質問ですみません。確認テスト1,2にある可愛らしいイラストは先生が描かれたのですか?

2012-08-24 23:55:20
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来ていると。表紙の絵を書いた人:http://t.co/deGRvzD9 @kitamurakenji 水野先生、変な質問ですみません。確認テスト1,2にある可愛らしいイラストは先生が描かれたのですか?

2012-08-25 00:01:40
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カレーさん★ブラックスター @kitamurakenji

なるほど。小学生5年生向けのテストなんですね。面白くて、よくできてますね^^ QT @y_mizuno: いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来ていると。表紙の絵を書いた人:http://t.co/kF9lFIGv

2012-08-25 00:11:01
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

小学校高学年向けです。ありがとうございます。伝えておきます^^ @kitamurakenji なるほど。小学生5年生向けのテストなんですね。面白くて、よくできてますね^^ QT @y_mizuno: いえいえ、学生さんの作品です。私は提案しただけで、問題も完全オリジナル。よく出来

2012-08-25 00:33:08
ryugo hayano @hayano

@y_mizuno 食品中のPo-210も0.6mSv/年.

2012-08-25 00:04:01
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

0.6mSv/年は、ちょっと多くありませんか? UNSCEAR2008でも0.12mSv/年となってましたが…。http://t.co/YHrkr6ZA  @hayano 食品中のPo-210も0.6mSv/年.

2012-08-25 00:36:22
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

再)自然放射線4成分詳細、【外部被曝2成分】1)宇宙線μ粒子と中性子、2)地面や岩石・壁のγ線(40Kと天然U・Th等)、【内部被曝2成分】3)空中ラドン222Rn等のα線、4)経口摂取=食物の40Kのβ線と210Poのα線等。 http://t.co/45vODx3e

2012-08-25 20:31:43
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

誤記訂正しました。http://t.co/45vODx3eにおいて、訂正後は「【内部被曝2成分】4)経口摂取=食物の40Kのβ線と210Poのα線等。」ここで訂正前は210Poのα線となってませんでした(210Poの影響は当然、β線でなくα線ですね)。以上、お詫びして訂正します。

2012-08-25 20:38:01
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ryugo hayano @hayano

@y_mizuno 先ほどDMした論文をどうぞ.最近日本の数値が変わりました.

2012-08-25 00:37:02