「命を断念する権利」〜産科医は堕胎をどう受け入れているか?
- tarareba722
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@roz_mko 母体から離れての生存を基準にすると、技術の進歩によっては、ラインがさらに前へと移動する可能性がありますし、もしも人工子宮が開発されたなら、中絶は一切許されないことになってしまいますね。
2012-09-13 20:36:24@m_nicioka でも、タグの色を分ける基準がありますよね。我々の場合、それが22週以前では胎児と母親とを比較した場合、児が生まれてくることで母親の肉体的社会的な生命を脅かすことになるのであれば、それは即ち児の生命をも脅かすことになる、と考えているのではないかと思います。
2012-09-13 20:38:13@m_nicioka それに加えて、その子が生まれることで家族に起こる変化が、通常の誕生より苛酷になることが予想される場合、です。
2012-09-13 20:40:46@m_nicioka 建前としては、子宮外での生存が不可能であるために中絶が許可されているようなものですから、そうなるかもしれませんね。ただ、生存・発育が可能かどうかという観点についていえば、22週以降であっても児の状態によっては不可能な場合(無脳児など)もあるわけで。
2012-09-13 20:45:08@roz_mko 母体の身体的負荷はよく解るのです。たとえば、拡張型心筋症や重症先天性心疾患、進行期CKDであれば、児が健康であっても、妊娠継続が母体死亡につながる恐れがある。コントロール不良の精神疾患も当てはまるかも知れません。ただ社会的な生命というのはどうでしょうか?
2012-09-13 20:47:36@roz_mko 社会資源を充実させ、十分なサポートが得られるなら、社会的生命(が何を指すかで変ってきますが)を脅かすことがあるでしょうか?それ以前に、母体の生命以外の要件が、中絶を正当化する理由になるのかどうか。
2012-09-13 20:49:30@m_nicioka それは確かに曖昧な基準だと思います。ただ、それを無くすと現在容認されている経済的困難による中絶も許されないことになります。
2012-09-13 20:49:58@roz_mko まさにそれをpro-lifeは主張するのです。pro-lifeも様々ですが、かのマザー=テレサ曰く、とにかくお腹の子を殺さないで、産んでくれさえしたら、我々が育てますからと。ノイジーと呼ばれる側も、ここまで考えている人がいます。
2012-09-13 20:53:11@m_nicioka もし、中絶の要件が今より厳しくなるのなら、まずは我々は単純に安堵するでしょう。ですがすぐに、これまでなら中絶されてきたはずの児が生まれさせられることで起こる様々な問題が新たに増えるということに悩むようになるかと。
2012-09-13 20:55:15@roz_mko それに対して、産科医はどう回答してきたのか、議論の積み重ねに関心があるのです。なぜ関心があるかといえば、自分の関心領域、終末期高齢者や神経筋疾患患者の"尊厳死"問題と、深くつながっているからです。
2012-09-13 20:55:26@roz_mko 現実は無理、というのは、金銭的サポートや児の養育施設の保障が無理という意味ですか?それとも、カップルの同意が得られぬことを指しますか?
2012-09-13 20:59:00@m_nicioka そりゃあ、生まれてきてくれれば後はどうにでもなるというのなら、どうにか説得はしたいです。でも実際にはとても不可能。中には「自分はこの子はいらない。でも殺すのは可哀想だから、産んですぐ乳児院に預ける/里子にだす」という人はいますけどね。
2012-09-13 20:59:34@m_nicioka それともう一つ。妊娠・出産は、正に命懸けなわけです。子供は育てられないから中絶したいという人に、生まれたら責任もって育てるから産んでくれと言って、その人が妊娠中や分娩による死亡や重大な後遺症を遺すことになってしまったら?
2012-09-13 21:03:25@m_nicioka 妊娠・出産のリスクとは、妊娠前の母体の健康状態だけによるものではありません。事前にわかっていれば、そもそも妊娠を許可しないのですから。
2012-09-13 21:05:50@m_nicioka 「私は死んでもこの子を産みたい」という話は一見美談に見えますが、それで本当に母親が死んでしまったら、「この子さえ生まれなければ母親は死ななかったのでは」ということを必ず誰かが感じるはずです。生きている全員で万歳はできません。
2012-09-13 21:08:12@roz_mko しかし命懸けの妊娠・出産を、22週という便宜的基準で後戻りさせぬ制度があって、それに唯々諾々と従っている現状と、便宜的基準を緩和すべく、積極的には動いていないわけですよね?命懸けだから!という考えは、説得力がないように思えます。
2012-09-13 21:08:57@m_nicioka 我々はそういう考え方をします。胎児ももちろん一つの命だが、既に生きている母親もまた同等の一つの命というわけです。
2012-09-13 21:09:26@m_nicioka 金銭的サポートなどですね。そういえばカップルの同意が得られないことも含まれるかもしれません。こちらから、生むことを強要はできません。
2012-09-13 21:11:31@roz_mko 同等ではないでしょう。中絶と同じ理由で、母体を殺すことはありえないのですから。新生児〜成人>>>胎児という序列をつけていたはずです。
2012-09-13 21:12:40@roz_mko 母体と胎児とを天秤にかけ、母体の生命が危ぶまれれば、いつでも母体を優先する。これは多くの人が納得出来る考えだと思います。そのことに異論を唱えるのは難しい。お前は死んでも良いから中絶するな、とは言えないからです。
2012-09-13 21:15:09@m_nicioka ちょっと待って下さい。前から気になっていたのですが、そもそも中絶自体産婦人科医が主体的に判断するものではないですよ。児の生殺与奪の権利は我々にありません。それは大前提です。
2012-09-13 21:15:54@roz_mko しかし金銭的サポートは現在もありますし(生活保護など)、少子化を懸念する世相であれば、更なる保障を積み重ねることは可能です。お金がないから殺しても良いのか?社会的活動もせずに殺人容認か?pro-lifeの主張はそこにも及びます。
2012-09-13 21:19:38