安東量子さん視察メモ(ノルウェー)
一方で、日本の一部で先日、話題になった「104Bqまでは四捨五入で100Bq以下としている」ことを、とやかく言う神経は理解できない。総量が重要なのだから。(批判していた人たちは100Bq/kgという基準値そのものが許せないようだが)
2012-10-28 23:51:30そう、私もそう感じました。多分これはノルウェー、スウェーデンに限った話ではないと思うけど、あの考え方をきちんと取り入れた重要な実践例だよね。 RT @masanochi ↓RT ICRP pub111の考え方 に連なるお話。
2012-10-29 00:04:38.@kazooooya 700Bq/日の恒常摂取なら年間で25万Bqを超えるので、年間実効線量は3mSvを超えると思いますよ。私は主に、一般的な食生活をしている人を主に想定して話を進めていますが、トナカイ常食のサーミの人たちにはちょっと高すぎると私は思うのです。
2012-10-29 00:10:03これから、連投ツイートを申し訳ありませんが、先日のノルウェー視察・研修の続きを書きます。あとで、togetterにまとめてもらうためです。
2012-10-29 02:03:58ノルウェーでの視察・研修中にずっと考えていたのは、消費者に対する放射線防護とともに、生産者への支援、地域社会・経済の復興をいかにすべきか?ということ。一つの考え方として、汚染地域の生産者には生産をさせず、国や東電にしっかり補償をさせれば良い、というものもある。
2012-10-29 02:04:55私もそう思った時期があるが、農家の人の話を聞いているうちに考えが変わった。賠償金をもらうだけで満足できる生産者がどれだけいるのだろう?生産者としては生産を続け、消費者のもとに自分達の作った製品を届けるのが生き甲斐であり、彼らの生活の基盤ではなかろうか?
2012-10-29 02:05:49ノルウェーのある牧場でも、自分達の作った食肉・乳から高い汚染が検出され、捨てられていくのが悲しく、無力感に苛まれた、という声を聞いた。しかし、その後、汚染を抑える努力を始め、様々な対策を行っていくうちに、基準値以下で販売できるようになり自信を取り戻した、と言っておられた。
2012-10-29 02:06:57十分な補償金が支払われることは大変重要だし、それは国や東電に要求していかなければならない。でも、生産活動を何もできない状況って、生産者の生活そのものを容易に崩壊させてしまうと思う。福島の農家の人からもそれを感じさせる切実な声を聞いたことがある。
2012-10-29 02:08:04消費者の健康を損ないかねない製品であれば、もちろん生産は中止されるべき。だから、様々な物質に基準値が設けられている。放射性物質であれば、消費者の内部被曝を年間1mSvに抑えることが一つの目安であり、そのために日本では市場流通品に100Bq/kgという基準が設定された。
2012-10-29 02:08:52しかし、現実にはその計算のもととなっている汚染率に、実際よりもはるかに高い値が使われ、厳し過ぎる基準になっている。そして、それが生産者に過大な負担を与えていると思う。(先日の、コメの全数検査にも関わらず、基準超えが一つ出ただけで全ての出荷がストップ、という例を挙げるまでもなく)
2012-10-29 02:09:53ノルウェーの定めた基準値600Bq/kgとまではいかなくても、スウェーデンの300Bq/kgくらいは妥当だと思う。少なくとも、日本の現行基準値100Bq/kgであれば、それ以下の値は全く問題無いものだし、検出下限を一桁台に下げてまで検査に金・人・労力をかける必要はないと思う。
2012-10-29 02:11:46ノルウェー放射線防護庁のアストリードさんやラヴランスさんをはじめ、食品監督庁の人たちも、日本の基準値は低すぎると言っていた。ノルウェーでそんな基準を設定すれば、トナカイ放牧だけでなく、羊・牛・ヤギの畜産農家もやっていけないと。同じ反応を私はスウェーデンの専門家・担当者からも聞いた
2012-10-29 02:12:40ちなみに、ノルウェーの食品監督庁の人が、私たちのために羊の生体検査の様子を見せてくれたときの結果。計った5頭は、70、60、10、160、80(単位Bq/kg)という値が出た。つまり、今でも一匹は日本の基準値を超えている。 http://t.co/p3vC7zgk
2012-10-29 02:13:14産業と生産者を守るという視点は、もっと日本で強調されても良いと思う。言い方によっては冷徹に聞こえ、「消費者の健康を損なってまでもか!?」という反応が返ってきそうだが、いや、いま話しているのは健康への影響は全くと言って良いほど変わらないレベルでのことだと、理解して欲しい。
2012-10-29 02:15:01「低線量被曝の影響はよく分かっていないのだから」などと言われるが、一桁とか二桁のベクレル数を許容する・しないで健康に影響が現れるのなら、チェルノブイリ事故後の北欧・中欧における基準値や摂取量を考えれば、それらの国で甚大な被害が出ているはずなのに、実際は違う。
2012-10-29 02:16:33放射能の影響を、水俣病のケースになぞる動きが日本では一部で見られるが、幸いにも水俣病の時と異なり、私達にはチェルノブイリ事故という先例があり、それがヨーロッパにどういう影響を与えたか(与えなかったか)という教訓がある程度分かっている。それを大いに参考にすべきだと思う。
2012-10-29 02:17:04