東海道中膝栗毛 エピソードゼロ
- KumanoBonta
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おつぼ父「私はな、田舎者ではあるが、地元の農協の理事まで務めた者だ。これだけ失礼なことをされるとは思ってもいなかった。おい、家主を出せ。家主にことわって、お前たちを痛い目に遭わせてやる! さあ!早く家主を呼んでこい!」
2012-11-25 19:42:32おつぼの父親がどんどん激昂し、声を荒げて興奮するので、周囲の人達がいろいろとなだめはじめる。しかし父親はいっこうに聞き入れない。やがて、騒ぎを聞きつけた大家の主人が小走りで駆けつけて来た。
2012-11-26 19:26:43大家「まあまあ、いったいどうなさったんです? 今さっき聞きましたけど、仏様の首がないとはいったいどういうことですか?」芋七「こういうことです。どうぞ見てやってください」大家「どれどれ」
2012-11-26 19:26:54大家「あらっ、まあー。お父さん、心配要りませんよ。首ならございます」おつぼ父「何⁉」弥次喜多芋七「何⁉」おつぼ父「どこだ、いったいどこにあるのだ」大家「ほら、下の方をよーくご覧になってくださいな。どうやら仏様を逆さまに入れてしまったんですねぇ。ホーッホッホッ」
2012-11-26 19:27:06弥次「なんと」芋七「まあ」喜多「そんなことに…」おつぼ父「逆さま? ああ、いや、そういうことでしたか」芋七「うわあっお父さん、まことに申し訳ありませんでした」
2012-11-26 19:27:15おつぼ父「いや、逆さまとは言え、こいつがおつぼと分かって安心しました。私もそこまで心が狭い訳ではありません。皆さん、お騒がせいたしました」全員 (あれ、逆さまはいいのか? (・∀・;) ナンデ) その後しめやかに葬儀が営まれ、おつぼは手厚く葬られた。
2012-11-26 19:27:29弥次「おつぼには悪いことをしたな」喜多「ああ」芋七「腹の赤ん坊にも申し訳なかった」喜多「親父さんにもな」弥次「そうだな」喜多「どうか次の世では幸せになれよ (ノд<。)゜。」芋/弥/喜「 (-人-) ナムー」
2012-11-26 19:27:40さて、喜多八がせっかく苦労して企んだ社長の椅子だったが、社長夫人にあっさり見抜かれた上に会社までクビになる。行くところがなくなった喜多八は再び弥次郎の家に居候することになった。弥次も長年連れ添ったおふつと別れ、新しく迎えた妻にも死なれ、いい事など一つもない。
2012-11-27 19:28:38あれ以来、お互いすることもなく、退屈な毎日を過ごしていた二人。弥次「なあ喜多よぉ、お前なにか仕事しねえのか? 最近つまんねえバイトばっかりじゃねえか」喜多「弥次こそ酒ばっかり飲んでねえで仕事すりゃいいじゃん」
2012-11-27 19:28:52弥次「あの一件以来、いい事がひとつもねーんだよ。すっかりツキが落ちた感じだなあ」喜多「うん…俺も」弥次「なんか面白いこと落ちてねえかな」喜多「そうだなー…」弥次「あ、」喜多「どうした?」弥次「面白いこと探しにいかねえか?」喜多「ん?」
2012-11-27 19:29:07弥次「旅に出るんだよ。厄落としの旅にさ」喜多「うほ、そりゃ面白いな」弥次「そのための金をまず集めよう。俺、友達から借金かき集めてくるわ」喜多「じゃ俺、女の子捕まえてちょっと貢いでもらってくる」そうと決まれば、目標達成のためにはあれよあれよと金を貯めてくる二人。
2012-11-27 19:29:20弥次「よーし、これで新しい年を迎えることができたぞ」喜多「酒を飲んで、パーっとめでたい春を迎えようぜ」二人で相談した結果、開運祈願厄落としのためには伊勢参りに行くのがいいだろうという話にまとまった。
2012-11-27 19:29:37そして春浅い3月、出発の日。弥次「さて、この家ともおさらばだな。そんじゃみなさん、ごきげんよう」喜多「いろいろとご迷惑をおかけしました」近所A「寂しくなるなぁ」近所B「くれぐれもお気をつけて」芋七「たまには手紙でもよこせよ」おタコ「おみやげ待ってるよおぉ~」
2012-11-28 19:45:06弥次喜多「では、行ってきまーす( ´ ▽ ` )ノ」皆「達者でなー」 2人の姿が見えなくなるまで、皆は手を振り続けて見送った。
2012-11-28 19:45:15喜多「なぁ弥次、伊勢にはかわいい子がたくさんいるかな ( ´ ∀`)」弥次「そりゃあ全国から人が集まってくるからな、道中が楽しみだ (´∀`)」喜多「いいことがあるといいなあ」弥次「おう、そだな」
2012-11-28 19:45:28