シマウマ(f_zebra)さんと考える「敦賀発電所の破砕帯調査」の中身は?

シマウマさんTW後のshin(moriokahigum)さんとの議論もとても参考になるので追加しました。
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2012年12月11日 敦賀発電所敷地内の破砕帯調査に関する原子力規制委員会への質問状の提出について
http://www.japc.co.jp/news/press/2012/pdf/241211.pdf

感想

Flying Zebra @f_zebra

敦賀発電所の破砕帯調査について、日本原電が出した公開質問状http://t.co/0afQSXZr を読んでみた。規制庁のサイトにアップされている有識者会合 評価会合の会議資料も一通り目を通した。以下に感想を記す。http://t.co/zyKsbgpM

2012-12-19 19:43:25
Flying Zebra @f_zebra

始めに断っておくと、ここでは純粋に科学的に検証するつもりだが、私は敦賀2号機の廃炉を望んでおらず、判断にバイアスが掛かることは否定できない。また、私は地盤工学は専門(の一つ)で地質学にも一定の知識はあるが、地理学に近い変動地形学については全く分からない。

2012-12-19 19:43:48
Flying Zebra @f_zebra

有識者会合で各委員が配付資料として出している資料は、説明用の補足資料という位置づけのためと思われるが資料内だけでは十分な説明が為されておらず、私の工学的知識では活断層と判断している根拠がフォローできない。

2012-12-19 19:45:01
Flying Zebra @f_zebra

私が変動地形学という学問分野を理解していないためもあるが、主張は非常に主観的という印象を受ける。自然科学に関する一定のバックグラウンドがあれば専門分野が異なっても示された客観的な証拠から主張の論拠をフォローできるという、狭い意味での自然科学とは勝手が違うようだ。

2012-12-19 19:45:56
Flying Zebra @f_zebra

地形の変動は掘削調査で直接確認できるのはほんの一部に過ぎないし、航空写真のない時代の地形を正確に知ることは難しい。つまり扱っている時間スケール、空間スケールの大きさに対して入手可能な客観的証拠が非常に限られているのだ。

2012-12-19 19:46:30
Flying Zebra @f_zebra

それでも、地表からは容易に観察できない活断層を推定する上では有用なツールであることは理解できる。ただし、実際の判断は地質学や力学的な応力場解析等と相互に補完した上で為されるべきで、これまでもそうしてきたと理解している。

2012-12-19 19:46:59
Flying Zebra @f_zebra

今回、変動地形学的な知見だけで活断層の可能性が高いと断定し、既に実施している地質調査の結果を反映していない、という日本原電の疑問はしごく妥当に感じる。「科学的」に判断したのであればその根拠を科学的に説明できるはずであり、説明すべきだ。

2012-12-19 19:47:38
Flying Zebra @f_zebra

原電の質問は判断の科学的根拠を問うものであり、これらの疑問は当事者でなくても自然科学に携わる者として妥当なものだと思う。この質問状に対して科学的に誠実な対応ができないようであれば、規制委員会は自らの態度が科学に基づかない恣意的なものと認めるのと同じである。

2012-12-19 19:48:51
Flying Zebra @f_zebra

敦賀2号機が廃炉になれば経済へのインパクトは大きいが、活断層のリスクが大きいことが合理的に説明できるのであれば、廃炉にするのが当然と考える。事業者の自主的判断などではなく、原子炉等規制法に基づき設置許可の取り消しをしなければならない。

2012-12-19 19:49:15
Flying Zebra @f_zebra

逆に、事業者の自主的判断に期待しなければならないような、科学的検証に耐えない程度の根拠しかないのであれば、強い権限を与えられる規制当局が恣意的と捉えかねられない不用意な「判断」を下すことは慎むべきだろう。

2012-12-19 19:49:49
Flying Zebra @f_zebra

現時点では問題の破砕帯が活断層かどうか私は判断できないが、科学的な検討も説明も十分に為されていないという日本原電の主張には強く賛同する。規制委員会は堂々と公開質問に応え、判断の正当性を証明してもらいたい。

2012-12-19 19:50:22
Flying Zebra @f_zebra

なお、リスクは「ある」か「ない」かではなく、ゼロから1の間に連続的に分布する確率変数の発生頻度にハザードを掛けたものである。原子炉の直下に活断層があってはならないという規定は、実在する活断層を発見できない可能性を認めた上で、そのリスクを最小化するのが目的のはずだ。

2012-12-19 19:51:40
Flying Zebra @f_zebra

破砕帯が活断層か否かばかりに着目し、活断層の定義まで変えて決着を図ろうとするのはリスクに対峙する態度としては愚かの一言に尽きる。言うまでもなく、直下に活断層があれば必ず地震が発生するわけでもなければ、近傍に活断層がなければ地震の被害がないわけでもない。

2012-12-19 19:51:50
Flying Zebra @f_zebra

活断層に限った話でもないが、「科学的に可能性が否定できない」というのは当たり前すぎて何も言ってないのと同じだ。例えば危機管理センターが置かれる首相官邸の直下に巨大地震を引き起こす恐れのある未知の活断層が存在する可能性にしても、科学的に否定することはできないのだ。

2012-12-19 19:52:48
Flying Zebra @f_zebra

ゼロリスクを求めるような姿勢は、リスクを低減する上では百害あって一利なしである。公衆がリスクについて正しい知識を持たず、リスクを意識することもなく生活できるのはリスクが小さいからに他ならないが、せめて影響力の大きなマスメディアは正しく理解しておいてもらいたいものだ。

2012-12-19 19:53:13

議論

moriokahiguma @moriokahiguma

正規の制度に基づいて専門家が判断した結果について、公衆のリスク判断と同列に語り、説明を迫るのはいかがなものでしょうか。それが通るなら以前の制度の時点で科学者から投げかけられた疑問(活断層の判断や膨潤という説明への疑念)に事業者サイドは答えてきたのでしょうか。@f_zebra

2012-12-19 21:53:13
moriokahiguma @moriokahiguma

鳥取県西部地震を経て06年に活断層が過去に動いたと思われる時期を5万年から13万年に厳しくしたのであり、今回のような大事故をへてより厳しくなったことが恣意的というのは少々強引ではないでしょうか。敦賀ではありませんが膨潤と言い張る事業者の態度の方が無理に見えます@f_zebra

2012-12-19 22:06:08
Flying Zebra @f_zebra

@moriokahiguma 活断層の有無については判断を控えますが、ここでの主旨は活断層であれば危険、そうでなければ安全といった単純化はナンセンスということです。過去に動いたのが40万年前なら安全で、10万年前なら危険と判断することには合理性を見いだせません。

2012-12-19 22:46:41
Flying Zebra @f_zebra

@moriokahiguma 正規のルートで投げかけられた疑問に事業者が答えていなければ運転は許可されていないと思います。専門家でも意見が割れることは珍しくありませんが、専門家のマジョリティが合意する懸念があったとは認識していません。

2012-12-19 23:28:01
moriokahiguma @moriokahiguma

現在の進め方に問題がないとはいいませんが専門家のマジョリティが認めた結果でしょう。これまでは専門家委員会の決定という手続き的正当性をもって原発を推進してきた事業者が自分の意に沿わない結果が出た時だけその非を鳴らしても説得力に欠けるというのが素直な感想です。@f_zebra

2012-12-20 08:36:16