第二次世界大戦が終結しても、戦争が終わったことを知らない(もしくは、敗戦を信じようとしない)日本軍兵士たちが数多くいました。彼らに戦争が終わったことを理解してもらい、投降するように呼びかけ、効果的に説得することが求められたのです。説得的コミュニケーションの効果性の研究です。
2013-01-24 11:53:53いろいろな研究がなされ、多くのことが明らかになりました。例えば、両論のうち、どちらかの主張だけを取り上げる一面的な説得的コミュニケーションよりも、両論併記の上で、一方を主張する両面的なコミュニケーションのほうが、一般的には効果があることなどが実験的に明らかになったのです。
2013-01-24 11:58:37さらに、このコミュニケーションの効果は、受け手の知的能力によって変わることも示されました。つまり、どんな人に対しても効果的な万能薬のような説得的コミュニケーションの方法がある訳でなく、相手によって、有効な方法が異なってくるということになります。
2013-01-24 12:02:33このような社会心理学の知見は、戦争だけでなく、企業でも取り入れられてきました。企業にも、従業員たちの志気を高め、生産性を向上させ、クライエントやカスタマーを説得することが求められているからです。
2013-01-24 12:04:39低線量被ばくを極度に恐れている人にも、いろいろな方がいらっしゃるようです。不安や恐怖で心配されている方。そして、その人たちが不安になるのを見て楽しんでいる人、自分の地位の向上や名声の獲得や収入に利用している人、または自分の政治的・宗教的な信条の実現のために利用しようとしている人。
2013-01-24 12:35:23この状況を利用している人たちを、説得しようとしても難しいですよね。人が不安になるのを楽しんでいる人は、踊らされて不安になる人が少なくなれば、そのうち、飽きてきます。もっとおもしろいことがあれば、そっちをすることになるでしょう。すると焦点は、不安が強く心配している人たちのことです。
2013-01-24 12:42:35もちろん「正確な情報や知識を提供する」ことは重要で意味があることですが、これまで不安が強く心配している人たちは、どんなに正確な情報や知識を提供されても、それをそのまま受けとめられないような心理的な機制が働くという話をしてきました。正確な情報や知識では不安や心配は解消しないのです。
2013-01-24 12:47:58多くの人は、「正確な情報や知識が提供されれば、不安や心配は解消されるはずだ」と考えるかもしれません。でも、「正確な情報や知識を知る」ことだけでは、不安や心配が解消されないことも多いのです。
2013-01-24 13:35:06大事なのは「不安や心配が解消される」ことになります。正確な情報や知識の提供や獲得はそのための有効な道具や手段のひとつですが、それだけではダメなこともあるのです。家族や友人との暖かい関係が必要だというのも、このことと関係します。理解されずひとりで不安や心配を抱えるのは苦しいのです。
2013-01-24 13:59:25無知をなじったり、馬鹿にしたり、排斥したりするのは、逆効果です。ますます頑なに自分の殻に閉じこもってしまいます。それに、相互に感情的な対立が生じてしまいます。「正しいことを言っているのになぜわからないのだ」、「私は子どもの安全と健康が優先なのよ」というかみ合わない議論になります。
2013-01-24 14:37:01不安で心配な高い人に「心配するな」と言っても、「でも心配なんだ」とますます不安や心配が強まってしまいます。安心してもらおうと意図したコミュニケーションが、かえって相手の不安や心配を強めてしまうこともあるのです。気持ちをわかってほしいのにわかってくれてもらえないと思ってしまいます。
2013-01-24 14:49:50以前、あるお母さんから、子どもに留守番を頼む時「もうお兄ちゃんなんだから、ひとりで留守番できるよね」と言ったら「できないもん」と答えたが、別の機会に「まだ赤ちゃんだから、ひとりで留守番できないよね」と言ったら「ぼく、できるもん」とちゃんと留守番しました、と聞いたことがあります。
2013-01-24 14:53:52人は、パラドクシカルですよね。「心配するな」と言われると心配になるし、「心配なんだね」と不安や心配な気持ちを、わかってくれる人がいると安心したりするのです。それが家族や友人だったら、どんなに心強いでしょう。家族や友人からの理解や支えが大切なのです。
2013-01-24 15:05:13まとめに対する反論など…。コメント欄を開放しているのになぁ…orz
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名状しがたい黄色いもの。