福島第一原発事故 差額説が持つ問題点 高嶌さん解説

スタディさん@study2007 の質問に対する高嶌さん@TAKASHIMA724 のツイートをまとめました。
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studying @kotoetomomioto

で、申し訳ないのですがあと2点だけ質問というかご意見を伺えたらと思います。①http://t.co/qgPGLlb9q8にまとめた様な排出制限を上回る汚染を裁判所は受忍限度以内と判断するでしょうか?@TAKASHIMA724 http://t.co/DIx8Q9l8a9

2013-04-15 20:16:23
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studying @kotoetomomioto

詳細は述べるまでも無いと思いますが、これら放射性障害を防止するための規定は、今も、当然ながら国内他地域では尊守されています。仮にある一定の地域に例外を設けるとしても、年限、立ち入り、持ち出し、等に関する整合性が取れないと思うのですが。@TAKASHIMA724

2013-04-15 20:19:27
studying @kotoetomomioto

②差額vs包括の現状は判りました。今回は「線量&濃度」という証拠が残存して(もしくは記録として残って)いますので「mSv当たりの単価」による準包括的な戦略は難しいでしょうか? 以上です。@TAKASHIMA724

2013-04-15 20:24:55
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

スタディさん,分かりやすい図を有り難うございます。このように視覚化すると,問題の全容が把握しやすいですね。@study2007

2013-04-16 03:35:20
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

今回のご質問は2つとも難しいのですが,とりあえず第1のご質問から。@study2007

2013-04-16 03:37:31
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

Q1:http://t.co/maPctImqzx にまとめた様な排出制限を上回る汚染を裁判所は受忍限度以内と判断するでしょうか? http://t.co/4JajAEADas

2013-04-16 03:37:53
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TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

A1:個人的には,なんらかの法令違反があれば原則として受忍限度を超えると判断すべきだと考えますし,実際に,生活環境や健康被害が対象となった裁判例の多くはそのように判断しています。(続)

2013-04-16 03:38:22
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(承前)しかし,法令に違反している場合には必ず受忍限度を超えると判断されている訳ではありませんので,注意が必要です。(続)

2013-04-16 03:39:19
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(承前)というのは,受忍限度論の判断枠組み自体が,多くのファクター(被侵害利益の性質と内容,加害行為の態様,原因行為の公共性,法令ないし信義則違反の有無など)の総合判断という形をとっており,法令違反は判断の一要素に過ぎないからです。

2013-04-16 03:39:48
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

実際に,最高裁平成6年3月24日判決は,建築基準法および都公害防止条例違反があった事例において,次のように述べています。

2013-04-16 03:40:21
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

「工場等の操業が法令等に違反するものであるかどうかは…受忍すべき程度を超えるかどうかを判断するに際し、右諸般の事情の一つとして考慮されるべきであるとしても、それらに違反していることのみをもって…権利ないし利益を違法に侵害していると断定することはできない。」

2013-04-16 03:40:31
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

このように,「法令違反があったとしてもそれは判断の一要素に過ぎないので,他の要素を総合判断して受忍限度内と判断しうる場合がある」ことを最高裁が正面から認めていますので,今回のケースについても,最終的にどのような判断になるかは,なお予断を許さないのです。

2013-04-16 03:41:57
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

Q2:今回は「線量&濃度」という証拠が残存して(もしくは記録として残って)いますので「mSv当たりの単価」による準包括的な戦略は難しいでしょうか?

2013-04-16 03:42:13
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

A2:ご質問の趣旨は,線量と濃度による客観的数値と金銭評価を結合させて,被曝の程度に応じた包括的賠償を認められないか,ということですね。

2013-04-16 03:43:58
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

このような手法は,交通事故の場合の損害額を,後遺障害の等級付けに応じて定めるという手法に類似しており,損害額の証明に関する困難を回避できる点で充分考慮に値すると思います。

2013-04-16 03:48:26
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

ただ,線量と濃度の客観的数値が,具体的にどのような損害に結びつくのかの根拠付けをしっかり考える必要があろうかと思います。

2013-04-16 03:49:08
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

少なくとも,明確な根拠付けを必要としない精神的損害の認定に限定すれば,このような客観的基準を用いることは可能かもしれません。この点については,もう少し考えさせて下さい。

2013-04-16 03:52:06
studying @kotoetomomioto

大変明瞭な回答ありがとう御座いました。私ももう少し考えてみます。詳細はまた後日ご相談させて下さい。1つ予告を言いますと、線量の対価を算出する根拠として健康被害や精神的不安などの「被害」は勿論追求すべきと思いますが、より手っ取り早くは、、(続)@TAKASHIMA724

2013-04-16 07:37:43
studying @kotoetomomioto

放射線作業従事者が被曝の対価として受け取っている「手当て」を公衆や高リスクな子供に外挿する方法もないかと考慮中です。勿論、その場合、将来の請求権の放棄が必要?など、いくつか問題もあるのですが、、。とりあえず今回は本当にありがとうございました。@TAKASHIMA724

2013-04-16 07:44:54