こんな杜撰でデタラメな計算で生活保護基準を引き下げ、国は多くの低所得者をさらに苦しめるのか。

「生活扶助相当CPI」  生活保護基準引き下げの一番の大きな根拠になっているこの数値が、実は、生活保護利用世帯の実態を考慮せず、根拠の名に値しない杜撰な計算に基づくものであることについての連続ツイートです。4月15日(月)に大阪で開催した勉強会の中継ツイート含みます。  この件については、先日まとめたこちらもご参照下さい。 ・それでいいのか。実態を反映しない杜撰なデータに基づく生活保護基準引き下げについての質問と厚労大臣答弁  http://togetter.com/li/486938 続きを読む
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

そもそも、なんでいきなり「生活扶助相当CPI」なるものが取り沙汰されるようになったの?と思っている方も多いのではないだろうか(私もその一人だったので)。平成25年1月27日に厚労省より「生活保護基準等の見直しについて」という生活保護基準引き下げの根拠を示した資料が発表された。→

2013-04-16 00:44:33
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→この「生活保護基準等の見直しについて」という資料そのものがネット検索しても出てこないのだが、http://t.co/PtJSwqVojO の「4.生活保護基準の見直しについて」以降の部分がほぼ一致するので、こちらを見ていただければと思う。→

2013-04-16 00:48:06
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→この中で、厚労省は生活保護費を3年で約670億円削減するとしており、その内訳は①体系・級地のゆがみ調整分90億円、②デフレ調整分580億円(デフレ率4.78%)としている。→

2013-04-16 00:52:03
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→なお、このゆがみ調整分90億円は社保審生活保護基準部会で検討されたものだが、同時に同部会では「生活保護基準の引き下げには慎重な配慮を」とわざわざ釘を刺した。デフレについては同部会では一切検討対象となっていない。つまり物価連動は生活保護基準を決めるにあたって考慮の対象外だった。→

2013-04-16 00:55:02
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→従って、デフレ=物価連動を生活保護基準引き下げの根拠とすることは、厚労省自らが自らの審議会の結論を無視したことになる。「基準引き下げには慎重な配慮を」という部会の意見もテンから無視しているのは、まるわかりだ。→

2013-04-16 00:57:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→話を戻す。この〈デフレ調整分580億円削減〉の根拠になったのが「生活扶助相当CPI」。http://t.co/PtJSwqVojOの11・13頁を参照のこと。H20とH23における生活保護世帯の消費品目の物価指数(CPI)を算定して比較した、としている。→

2013-04-16 01:03:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→その結果、H20とH23では、H23の方が生活保護世帯の消費における物価指数(生活扶助相当CPI)が4.78%も下がってるじゃないか!じゃあ、その分だけ生活扶助費を引き下げます!というのが厚労省の言い分。繰り返すが審議会では一切検討されなかった論式。→

2013-04-16 01:04:47
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→果たして、本当に生活保護世帯の中で、消費に関する物価が4.78%も下がっているのか。5%近くも物価が下がってその恩恵を受けているのか?そもそも、この「生活扶助相当CPI」の計算方法がおかしいのでは?ということで、勉強会をしたというのが今日のいきさつ。

2013-04-16 01:07:49
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

さてこれから、大阪で中日新聞の白井さんをお招きしての、生活扶助相当CPIについての勉強会。

2013-04-15 19:30:59
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(勉強会)厚労省は生活保護基準引き下げに物価下落を理由にした。H20→H23の比較。H20は原油高の時期でこれを比較の対象にするのもひどい。総合物価指数で2.35%の下落。生活扶助相当CPIで4.78%。この数字が異常だと感じた。続

2013-04-15 19:44:50
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)消費者物価指数=CPI。基準時点の価格を100として比較する。支出割合=ウェイトは、支出全体の中でのその品目への支出の割合。品目ごとの物価指数とウェイトをかけ合わせて全体の物価指数が算出される。同じ物価指数でもウェイトが大きいと、総合物価指数が大きく違ってくる。続

2013-04-15 19:48:06
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)低所得者には低所得者なりのお金の使い方=支出割合がある。しかし、生活扶助相当CPIは一般世帯とおなじ支出割合を用いた。ここがまずおかしい。続

2013-04-15 19:49:16
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)3月31日にこのことを記事で取り上げて厚労省にコメントを求めたが、たいした実のあるコメントはなかった。4月1日に民主党の中値議員が予算委員会で質問、9日に生活保護問題対策全国会議が記者会見。しかし厚労省の反応はない。こちら側の声を大きくしていく必要がある。(続

2013-04-15 19:51:58
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)まず福島みずほ議員が予算委員会で質問し、答弁書が出た。それは品目が一覧で出ているだけだが、生活扶助相当CPIで除外された品目がわかる。家賃や授業料など他の扶助で出るものは除外。除外品目の総ウェイトは3608/10000(全体の支出割合のうち36%)。(続

2013-04-15 19:56:56
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

福島議員の質問とこれに対する答弁の内容は、同議員のブログでみることができます。→生活保護の生活扶助基準に関する質問主意書&答弁書 http://t.co/FhhvMHGjnI

2013-04-15 19:58:56
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)残りの6394/10000の中に何が入っているか。今の消費者物価指数を押し下げているのは電気製品。電気製品は21品目でウェイトが268あるが、生活扶助相当CPIを算定するにあたって除外されていない。(続

2013-04-15 19:59:51
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)生活扶助相当CPIを算定するのに一般世帯のウェイトを当てはめた。電気製品の割合は一般世帯の中では268/10000=2.68%なのに、生活扶助相当CPIでは268/6494=4.19%となった。実感に遭わない。愛知県の支援者の協力で生活保護利用者にアンケートすることに。続

2013-04-15 20:02:22
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)175世帯にアンケートから回答。生活保護の受給期間中の生活扶助総額を、電気製品購入金額で割ってみると、0.56%。高めに出ても1%は行かないのではないか。実際には電気製品の支出割合が1%未満なのに、政府の計算では4%以上になっている。(続

2013-04-15 20:04:03
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)本来は生活保護世帯の支出割合を調査してそれを当てはめるべきなのに、支出割合の異なる一般世帯を使った。しかもそこに電気製品が入っているので生活保護世帯の購入割合が高いことにされてしまった。続

2013-04-15 20:05:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)H20→H23の下落率の大きいものトップ10は全て電気製品である。除外品目をもうけたことで、食料品や光熱費の支出割合も電気製品と同じようにあがっているが、電気製品の下落率が大きい。(続

2013-04-15 20:08:46
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)長妻議員が国会図書館で作成した資料では、生活扶助相当CPIの下落率4.78%のうち電気製品の寄与度は4.08%。電気製品下落の影響がなければ、生活保護世帯の物価下落率は0.7%でしかない。電気製品の支出割合が高くなったので、こういうことになった。(続

2013-04-15 20:10:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)生活保護世帯は電気製品をそんなに購入していないのに、多く購入する割合にされて、それによって物価下落率が4.78%になるということで、生活保護基準が下がる。そんなことがあっていいのか。(続

2013-04-15 20:11:26
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)厚労省の社会保障審議会の生活保護基準部会のとりまとめでも物価の話はなく、とりまとめの10日後にいきなり生活扶助相当CPIがでてきた。この生活扶助相当CPIについては学者の検討も審議もない杜撰なもの。こんなおかしな話にみんな起こらないのか。(続

2013-04-15 20:12:47
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)ウェイト(支出割合)について、なぜ厚労省が一般世帯にものを使用したのか。受給世帯特有のウェイトを示すデータがないので一般世帯を当てはめたとのこと。ところが!(続

2013-04-15 20:14:18
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)「社会保障生計調査」という資料がある。厚労省のHPにも掲載。生活保護世帯約1100世帯を対象とした調査で。食料、水道光熱費など10代品目のデータが公表されている。1ヶ月毎日家計簿をつけてもらう。原票(日ごとの家計簿)には、毎日何を購入したかがわかる。(続

2013-04-15 20:16:21