山崎久隆さん「茨城県 東海村を中心とした 原子力施設について」(1)

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1. 今日は、東海村 周辺の、主に 核燃料サイクルに 含まれている 施設を 中心に 話を すすめていきたい。(山崎久隆)

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2. 東海村に 原子力施設が 集中立地したのは、比較的 東京に 近いこと、無有地 (官有無番地 ?) の 多いこと、軍の 施設が あったことなどが 挙げられる。(山崎久隆)

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3. 敗戦後、米軍基地の 返還運動が 起こり、その 跡地利用として 原子力の 研究機関が 集まってきた。(山崎久隆)

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4. 最初に ウラン鉱石の 精錬事業が 始められた。 こうした 過去のものまで 含めると、ウラン精錬に 始まり (使用済燃料から) プルトニウムを 取り出すまでの 核燃料サイクルが、東海村では すべて 揃っていた ことになる。(山崎久隆)

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5. 戦時中、福島県 白河市の 郊外から、ウラン鉱石を 採掘して、東京大学 西田 ? 研究室の 指導で、ウランの 精錬が 行われる。 GHQ により 戦後、施設は 破壊された。(山崎久隆)

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6. 1950年代から 90年代に かけて、人形峠では 大量の ウラン残土が 問題となり、解決できず 今に 至っている。(山崎久隆)

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7. 規模は 小さいが、東海村でも 同じ 問題が あった。 ウラン濃度の きわめて 高い ウラン残土が 廃棄物貯蔵庫に 保管されたが、そこに 雨水が 流れ込み、地中に ウランが 漏れだして、今も 回収できていない。(山崎久隆)

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8. 東海村 再処理工場に 隣りあった 川に 流れ込み、そこから 汚染が 広がる。 濃度が 低くなり、天然ウランの 存在も あって、除染が できたのかも わからない。(山崎久隆)

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9. JCO 事故、中性子線が 大量に 発生した 臨界事故。 住民、従業員 含め、657人が 被曝した。 福島の 事故より 10年以上前に、日本で 最初の 住民が 避難した 事故であった。(山崎久隆)

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10. JCO の 教訓が 生かされていれば、今回、あれほどの 混乱は 起こらなかった。 大規模な 原子力災害が 起きた 場合に、放射能を 回避しながら、多数の 住民を 避難させること。(山崎久隆)

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11. 国、事業者は 真剣に 検討することを 怠り、それどころか、避難命令を 指示した 村上村長は、批難を 浴びせられた。(山崎久隆)

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12. 今の 核燃料サイクルの 実態。 燃料プールに 溜まった ウラン使用済燃料は、六ヶ所再処理工場へ 運び、全量、再処理することに なっている。(山崎久隆)

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13. 再処理で できた プルトニウムは、ウランと 混ぜて、酸化燃料物 (MOX 燃料) に 加工する。 これを 使用するのが プルサーマル。(山崎久隆)

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14. 使用済の MOX 燃料を どうするのか、実際には 行き場は ない。 国は、MOX 使用済燃料の 再処理を する 施設の 一つとして、東海村 再処理工場を 挙げている。(山崎久隆)

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15. 東海村 再処理工場では 現在、ウラン燃料の 再処理だけを 実施している。 ふげんの 使用済燃料も 再処理しているが、これは 燃焼度 (処理時間) から みても、可能な 範囲に 収まる。(山崎久隆)

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16. 問題は MOX 使用済燃料。 再処理で できる 廃棄物には 貴金属の 白金類が 含まれ、これが 容易には 溶けない。(山崎久隆)

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17. 六ヶ所村 再処理工場の 高レベル廃棄物 処分ライン、PT-1 と 呼ばれているが、廃棄物が 硝酸溶液に 溶けないため、目詰まりを 起こして、現在も 停止中。(山崎久隆)

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18. 六ヶ所での 再処理は 行き詰まった 状態だが、プルサーマル MOX 燃料の 再処理は さらに 困難。 東海村で やれば、同じことを 引き起こす。(山崎久隆)

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19. 核燃料サイクルは 絵に描いた モチにすぎない。 計画が ありさえすれば 事業が すすめられる 構造。 今、明日 火星に 行くと いえば、それは 映画の 世界の はなし、プルサーマルも それと 等しく、実際には 不可能。(山崎久隆)

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20. 再処理工場は 本来、もんじゅの 高速炉燃料の 再処理を 想定。 現実には、もんじゅは 95年の 大事故以来、多くの 問題を 引き起こしてきた。(山崎久隆)

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21. 2010年、運転再開 直後に、燃料交換装置を 炉内に 落下、現在も 停止中。 つい 先日には、10000ヶ所近い 点検放棄が 明るみに 出て、理事長が 辞任に。(山崎久隆)

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22. 東海村にある 原子力研究開発機構は、もともと 原子力研究所と 動燃とが 合併して できたもの。 敦賀の もんじゅ、大洗の 常陽、東海村の 原研を 管理運営している。(山崎久隆)

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23. いわば 原子力開発の 中枢機関。 これまで 解体と 再編を くり返してきたが、あとは 解体撤去しか ないだろう。(山崎久隆)

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24. なぜ 今回、点検放棄を したかと いえば、検査のための 予算が 削減され、委託先の 会社に 点検費用が 支払えなかったから。(山崎久隆)

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24. 理事長である 鈴木篤之氏は「点検が なくても、安全であることは 確認できている」と 弁明。 それなら 点検する 必要など ないことになる。 彼は 予算の ないことは 当然 知っていた。(山崎久隆)