第一回大罪大戦《正1の狭間》【戦闘フェーズ02】

紅(ルージュ)は『傲慢』プライド[ @seigo_sin ]、並びに『唯一』ウーヌス[ @nobara_sin ] 黒(ノワール)は傲慢、スペルビア[ @takami_sin ]
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ウーヌス(インヴィディア) @nobara_sin

→ 振り返れば、開かれた漆黒の扉。その先に待つものを、知っている。 あの日、全てを拒絶し、助けを求める様に飛び込んだ扉ときっと、同じ。 けれどあの時とは違う、確かな意思を、心を、想いを持って。 青年に背を向け、足を引きずりながらも、一歩、一歩、踏みしめる様に、進む。

2013-07-03 02:06:49
プライド @seigo_sin

ぽすり、と。 頭に、何かが載るような感触。 彼か彼女の身体には少し大きいそれは、背後より被せられたものだった。 『誠実』を示す、『獅子の王冠』。か弱き少女に似つかわぬ、とある王家に伝わる冠。 ジンクテッドという男の、生前積み重ねた美徳の証。『誠実』なる想いの体現。 →

2013-07-03 02:19:13
プライド @seigo_sin

→ 「振り返らないで、前へ進みなさい」 背後の男の気配が、徐々に薄れていく。 それでも、少女の身体に残るあたたかさと、交わした言葉の温もりだけは、けして幻などでは無かったのだと、そう信じられる筈だ。 「さようなら、愛しき『     』」

2013-07-03 02:29:06
ウーヌス(インヴィディア) @nobara_sin

「―――っ」 頭上に被せられた王冠に、一度、立ち止まり。振り返りそうになる。 消え行く気配が分かる。最期まで、背中を押そうと言う優しい声が。 溢れそうになる涙を、もう一度、拭う。道を示す様、導くよう、涙でぬれた白銀の赤い石の指輪が優しく、煌めく。 振りかえらず、再び歩き出す →

2013-07-03 02:58:04
ウーヌス(インヴィディア) @nobara_sin

→ イラ、アーチェディア、グラ、ルクスーリア、アヴァリーティア―――スペルビア…気高く優しい黒の傲慢、アポロニア。 一歩一歩、しっかりと歩む。帰るべき、生きるべき黒への道を。歩を進めるごと心のうちで紡ぐ。守るべき大事な人の名を。確かに刻みこんで。これから進みゆく未来の為に。 →

2013-07-03 02:58:45
ウーヌス(インヴィディア) @nobara_sin

→ そして八歩目。最後の一歩。心の内で紡いだ、唯一の大切な愛しい人の、名前は 『      』 聞こえた言葉に振り返りはしなかった。けれど確かに感じた。もう一度見たいと願っていた、あの優しい眼差しで微笑んでくれていると とても穏やかな笑顔で黒を潜り、扉は静かに、閉ざされた

2013-07-03 03:01:23
プライド @seigo_sin

扉が、閉まる。 その、最後の瞬間。 「私の想いもまた、貴女の征く優しき道と共に」 男の消滅と、言葉が紡がれたのは、同時だった。 それが少女の耳に届いたかは分からない。 けれど、もし。 もしも、耳に届いていたのなら。 きっと、ジンクテッドは。彼の最後は笑っていたと、理解出来た筈だ。

2013-07-03 03:07:08
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