同時多発・ツイート連詩・夏組【抱きたい詩、抱かれたい詩　完全版】＃pw夏組　

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

響きに漣の美しき波紋、競う時のなだらかな祈りが転写し、慈しみが時空を渡る。郷愁を封鎖しながら、微笑みは永遠のまなざし。息する刹那に、哀しみの溢れを雨にして、点描の景色を繋ぐ。凍る響きの温感を、淡い色の精霊があやした。もうすぐと。 （抱きたい詩、抱かれたい詩）#pw夏組

薫流 @tukasa_sora

唇を寄せた首筋からは、ヘチマコロンの蒼い匂い。 剥き出しの恋情に、薄く笑う。 指の先、求めたのはゼロ距離。 汗ばむ陽気が、劣情を加速させる。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

セッキンすると「ねえ、伝言ゲームだよ。“大好き”。はい、君の番」と、尖った耳を差し出す。言われるままの夜が、月に嗤われている。マチノコハ、コンナフウニ、イツモ罪カ。「ソンナコト、ナイサ」奥歯で木の実割るような。乾いたサ行の音から好きになった。（抱きたい詩、抱かれたい詩）＃pw夏組

葉月野 @hadukino_tc

イツマデモツ身カ セメルのはナツの熱さか キミの熱意か 続くセリフは「キミガスキ」なら ずっと廻っていられそうだね 目眩のようなセミの合唱が ふたりをハヤしたてる （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

西原真奈美／来春詩集を上梓します @m_a31354363

撫でるまでに半年 抱っこまでに１年かかった　野良猫のおまえ 母の舌のざらざらの感触 甘噛みのここちよい痛み ちいさな頭蓋骨のおまえには残っているの 抱きあげて おまえのにおいを胸いっぱいかぐ それがわたしのざらざらと甘噛み (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

はらみ🤮 @kakinnko0904

大きな鉄板のように熱く焼けた地面の上で 転んでしまった私を優しく抱きしめてくれた 今度は私が泣いているあなたを抱きしめる番 もう私は大人なのだから。 でも私たちはずっとあなたの子供 （抱きたい詩、抱かれたい詩）　#pw夏組

春森しゆう @junju_usako

擦りむいた膝で抱きついた腿。 赤い眼を拭ってくれた温かい指先。 いつでも石鹸の匂いのしたエプロン。 楽しいことも泣きたい話も一番に貴女に聞いてほしかった。 いまは、きみの お母さんに、なりたい。 髪を撫で抱きとめたい。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

陶坂 藍 @ohagikinako449

蝉時雨 溶け出すアスファルト 立ち昇る陽炎を避け日陰を選んで もうすぐこの身はふたつになる 私の腕の中で泣き、飲み、這い、やがて立って歩きだし 舌足らずな可愛い声で私を呼ぶだろう 世界中で私だけに許された呼び方で 今はただ無事に産まれて （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

こひもともひこ @kohimon

懐にいだく 乳房がすぐそこにある むずかって泣く おしめりはばい菌を呼ぶ なめる なめる おまえはピカピカになる なめる なめる おまえはいとおしさを知る (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

夕立が通り過ぎた じわり濡れたシャツに 透ける細い肩 こんなにも愛おしい一瞬、を、 家で眠る傘は知らない 僕とあなた ふたりだけの、秘密を いつか空が泣きそうになったら 思い出してください きっと隣に僕は、いないだろうから (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿＆毎月「拾う三拍子」開催 @fateful13

泣きそうに笑った。肩が震えていた。こんなに近くにいるけれど、そうするべきじゃないと言い聞かせた。もどかしさは煙草で紛らわせて。安堵を捧げたいけれど、役目が違うと、もう遅いんだと自嘲。幸せを祈るのはエゴイズム。手を伸ばすことすら叶わずに。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

酷く生きづらい世の中だ、と彼女は。憎らしそうに見上げた青空、燦々と輝いて。夏は嫌いなの、溶けてしまいそうでしょう？長袖はいつかの後悔を隠した、蘇る残像は浴室で反響して消える。朝顔の茎に縛られた、雁字搦めな関係性の中で。ねえ、愛してる。(抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

じま @ZIMA_time

「いいえ」で隠した「はい」 伝えられない、伝えたいことばかり あなたに、ひとつの問いかけを わたしに、ひとつの問いかけを 心から「はい」と黙るような 抱きたいと言うなら 抱かれたいと黙ろう はなしたいと言うなら 花になりたいと黙ろう (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

春森しゆう @junju_usako

「朝顔は自然と巻きついていくのだからすごいよね。」 ミニトマトの茎にも向日葵にも手を伸ばしていく。早くも芽を出した秋桜にも絡み付いていく。意思があるかないか誰にわかる。 そこにわたしが咲く。どこへでも絡むけれども、咲くのは一色の夏。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

無意識の内に絡みゆく あなた、の、養分をちょうだい 差し出した手を拒めないと知りながら 依存という言葉に折りたたまれたこの関係を それでも花が咲くのならと 言い訳のように繰り返す 崩れゆく未来が見えても 繋ぎとめたかったのは あの、夏の日 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

🌺愛日花 aska🌸Angela🌹 @megami_hohoemi

夢遊病のように出会いと別れを繰り返す サヨナラに鍵を掛け、美しく消す面影 また次の人へと流れていく赤き血潮 野菊のフリをして惑わす月光の浜辺 人生は修羅の渚、時の隙間の夢 水際の闇に、今日も舟を漕ぎ出す 眩しき夢の永遠の小島を目指して （抱きたい詩、抱かれたい詩） 　#pw夏組

伽十心■毎月13日小説「十三段目の踊り場」投稿＆毎月「拾う三拍子」開催 @fateful13

あの日確かに、腕の中にいたものーー下手くそなピアノの音、よく冷えた朝の匂い、約束。ああ、青い空ばかりが知らぬ存ぜぬで、春は別れの季節だと思い出した、昨日。確かにいたはずなのに、そっとすり抜けて。名前を呼ぶことも出来ずに。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

🌺愛日花 aska🌸Angela🌹 @megami_hohoemi

夢を託す愛の渦潮 膨らむ恋を夏風に解き放つ 一途な想いは水平を辿る 刹那の奥へ向かう 夏は水脈の記憶を呼び戻す 命の絆は海の細胞にある 体の遺伝子が眠りから覚める 滴る雫が愛で溶け合う 肌合いの幻、愛しき温もり たまらず抱擁する、強く （抱きたい詩、抱かれたい詩） 　#pw夏組

ブックワーム @BIBLIOTHEQUEa

夜の砂浜で、孤独の測量図、重いハミングとかすれた線で描かれる。海の呼吸が正しい角度で宝石を吐き出したら、真夜中の台座と重なる針で、言葉には頼らない。手と手を離して、窓の絵を描いた貝殻をこっそり開いてみる。透き通るまで眺める心を青に預けて。 （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

かとう たか @taka423kato

砂漠に薔薇が咲いた夜 海を越えた街では 抱きたい身体と 抱かれたい身体が 互いの皮膚の上に 互いの痛みと存在を 探していた 八月の朝 陽の差さない 西向きの角部屋で 二人が言葉を探している頃 東向きの角部屋では 言葉が二人を探している (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

春森しゆう @junju_usako

言葉が足りないとあなたが言い 熱が足りないと私が言った。 足りないものを埋めても埋めても補いきれない棘になる。 絡めとられた足首が熱くしまっていく前に 饒舌な月の光に溶かされたい。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

花夜 @kayanokaya

そこには、何も無かった 俯いた先ばかり見つめて 時間ばかりが重ねて グラスの中のは体積を増し 薄くなった液体越しに見た世界は、 あの日と、同じものではなかった 巡る日々は、移ろいて 再び訪れた夏は、 はじめての色を、魅せる (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

林明乎 @acico55

寝つけない夜に何度も思った 伸ばした腕と腕との隙間を埋めたいと 埋めてくれるのはなんだろうと ゆるいかたちで待つだけではだめで 肩がいたくなるまでその先に伸ばして 触れるための腕だった そこから先は この胸ひとつで 十分だった （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

西原真奈美／来春詩集を上梓します @m_a31354363

父さんあなたの時間が 無残にそぎ落とされてゆくなかで 夜勤の看護師さんの来る合い間に あなたのベットにもぐり込んで 添い寝したね あなたのやせ細った身体を じっとまもり抱きしめていると ふたりきり繭の中にいるみたいだった (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

Chivalreaper @Chivalreaper

流れる気ままな白を眺めながら思うことがあった 草原の匂いは背中を包み エメラルドグリーン色の空は 隣で寝転ぶ彼の胎内と繋がっていて 内から細胞一つ一つを抱擁する してあげたいこと 出来ないことの狭間で 泣きたくなる程 出来ることを考える (抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組