戦慄怪奇学園ダンゲロス「墓場の呪い」 #怪奇ダンゲロス
アパートを出たてるこは、どんどんと人気のない方向へと向かっていく。身体こそふらつかせているものの、その足取りは軽く、表情にも恍惚の笑みが浮かんでいる。このように表現するにはあまりにも禍々しいが――、彼女の様子には、恋人の下へと急ぐ乙女の姿にも通じるものがあった。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:07:45が、その時――。 曲がり角を曲がった直後、彼らの前からてるこの姿が消えた――。 「えっ」 「あれれ!?」 エースと一刀両は同時に間抜けな声を上げて走ったが、やはり、いない。彼らは一瞬のうちにてるこの姿を見失っていた。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:09:31だが、二人が呆然としていると、 「先輩、霊園です……」 不意に鏡子が呟いた。彼女は手元の手鏡を見つめたまま、 「そこの生垣の合間に小路があります。霊園に通じてるみたいです」 と言った。鏡子の能力『ぴちぴちビッチ』は半径2キロ以内の映像を手鏡の中に再現する――。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:11:58しかし、「霊園」の名を聞いた途端、悲痛な叫びを上げたのは木蔭ムツキであった。 彼女は、わなわなと身体を震わせると、絶望に染まった顔で、 「やっぱり……。私たちがあんなことをしたから……。許して……。許して……」 何度も何度もそう呟いた。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:13:06心配した一刀両が怯える後輩の肩を揺するが、彼女はなおも「許して……許して……」「もう私に付きまとわないで!」と頭を抱え涙ながらに訴えるばかりである。 「ムツキちゃん……」 エースは彼女に向きなおり、静かに語りかけた。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:13:46「そろそろ、全てを話してもらおうか……。キミは知っているんだろう? てるこちゃんの身に何が起こったのか。そして、今回の発端となった事件を……」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:14:37問われた木蔭ムツキは、しばらくは震えるばかりであったが、やがて、意を決したのか、 「あの時は……、ほんのイタズラのつもりだったんです……」 ぽつぽつと、彼女たちの犯した、忌まわしき罪を語りだしたのであるーー。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:14:58「あの時は、ほんのイタズラのつもりだったんです……」 ムツキの語るところによると、彼女たちが初めてその霊園を訪れたのは、夏休みに入る直前のことだったという。 下校中の二人は、先の小路を見つけ、ほんの好奇心からその先へと進み、そこに忘れられた霊園を見つけたのだ。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:17:25訪問者も久しく無かったのだろう。霊園にはぼうぼうと雑草が茂り、墓石も無惨に苔むしていた。そこに踏み込んだ瞬間からムツキはぶるりと寒気を感じて、「ねえ、ちょっと、もう帰ろうよ、てるこ……」などと言っていたが、てるこは「へーき、へーき」とグイグイと進んでいく。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:19:34一方、ムツキは人よりも霊感のある性質なのか、なにやら辺りに目に見えぬ気配のようなものを感じて不気味で仕方なかったのだが、あまり表情に出すとてるこに笑われそうな気もして、仕方なく彼女の後を付いて行った。 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:20:13「へーぇ、これ、ちょっとした肝試し気分じゃない?」 などと、てるこは脳天気なものだったが、恐れ知らずの彼女は、そこからさらに神をも怖れぬ所業に出たのである。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:20:35てるこは、いくつもの墓石をぺたぺたと触っていったが、「よし、これだな!」と一人何かに納得すると、 ーーなんと、己の股間を墓石の角に擦り付け始めたのである! #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:22:47「あー、ちょっと待て。ストップ。早くも付いて行けない……。というか、付いて行きたくないんだが」 エースは頭を抱えながら、てるこの告白を止めた。 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:23:59「えーと、なに? キミたち、墓場に行って墓石があったら角マンするの? 何考えてんの? いくら女子高生だってやっていいことと悪いことがあるんじゃない? それ、死者も怒るよ? 冒涜だよ? 一体何考えてんの?」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:24:52「何考えてんのって、そりゃ私も思いましよ! でも、とにかくてるこはやっちゃったんです!」 「いや、でも……」 「とにかくやっちゃったものはしょうがないんですよ!」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:25:14しかしまあ、とにかくやっちゃったんならしょうがない。エースはとりあえず諦め、ムツキは告白を続けた……。 「てるこちゃんはしばらく股間を擦り付けてたんです……」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:25:38その時のてるこはえへえへしながら嬉しそうに股間を墓石に擦り付けていた。 「ちょ、ちょっと! なにやってんのよ!」 ムツキは慌てて止めるも、「えー、だって気持ちいよー」と、答えにならない答えが返ってくる。その上、 「まあまあ。ムツキもとりあえずやってみなよー」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:28:36などと言うので、ムツキは、 「んん……、じゃあ、ちょっとだけ……。……あ、ほ、ほんとだ。きもちい……」 女子高生たちは二人して「ひゃーん」と声を合わせた。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:29:13@zon_1212 あ、本当だ。しまった。一度ミスると直せないのがツイッター小説の困ったところ。忍殺はどうやってるんだろう。
2013-09-07 23:30:10「おい、キミ。さっきは止めようとしてたよね? なんでキミまでやってんの? 何考えてんの? 脳みそゆだってない? 大丈夫なの?」 「え、いや……。だって、てるこがあんまりにも気持ちよさそうだったし……」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:31:55「いや、キミ、霊感あるんじゃないの? 一歩踏み込んだ瞬間からぶるりと寒気を感じたんじゃないの? 目に見えぬ気配のようなものはどうなったの? なんでキミまで角マンしてんの??」 「や、あんまりにも気持ちよさそうだったし……」 #怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:32:53「最初はほんのいたずらだったんです。でも、それから、てるこがとんでもないことを言い出したんです……」 しばらくの間……そう、大体60分くらい角マンをしていた二人であったが、 「ねえ、ムツキ……」 はぁ、はぁと息を荒らげながら、てるこが言い出した。#怪奇ダンゲロス
2013-09-07 23:34:50