オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー 03
平成ライダーカプセルトイ二次創作シリーズ 「オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー」 03:青色メダルと輝く勇気と心に剣 ※諸事情により先んじて前回分のTogetherをまとめられなかったため、後日今回分と合わせてまとめます
2013-09-10 22:08:12カウント・ザ・メダルズ! 現在、火野映司が所持しているメダルは―― ◎ヘッド・コア:割れたタカ・コア……一枚
2013-09-10 22:09:22「ふふふ、貴様もこれで最後だな、仮面ラァーイダ・ディケーイ」 毒に侵され立ち上がれないディケイドにメダルの化け物・カニレーザーが迫る。カニレーザーは介錯せんと鋏を振り上げるが、ディケイドの足元に転がった二枚の“メダル”を目にし、振り降ろしかけた鋏を止める。
2013-09-10 22:13:19「ほほォ、首領が探していた”残りの”メダルではないか。成程、通りで見つからぬ訳よ」 「くそっ、お前には……渡さねぇ」 毒に侵されたディケイドの手は震えるばかりで、落としたメダルを拾うことすら叶わない。カニレーザーは彼の手を軽く払い除け、二枚のメダルに手を伸ばす。
2013-09-10 22:16:04しかし、彼がメダルを握ろうとしたその刹那、彼の視界を夜と見違えんばかりの漆黒の煙幕が遮った。 カニレーザーは突然視界が遮られたことに取り乱し、ディケイドはその隙に体勢を立て直して距離を取り、何が起こったかと周りに目を向ける。
2013-09-10 22:20:37見ると、「タコ」の形をした一匹の機械が墨を吐きつつカニレーザーの周りで浮いている。どうしたことかと首を傾げるディケイドに、馬上の映司が声を張り上げた。 「今の内です、逃げてください! ピンクの人」 「ピンクじゃねぇマゼンタだ! 俺のことはいい、助かったんならとっとと逃げろ!」
2013-09-10 22:23:52「今にも死にそうな人を見捨てろって言うんですか? そんなこと、俺には出来ません!」 「ンなこと言ってる場合か、戦いの邪魔なんだよ!」 「退きません! 逃げろって言うならあなたも一緒に逃げましょう」 「馬鹿言うな、俺が逃げたらあいつが追ってくるだろ!」 「じゃあ俺だって退きません」
2013-09-10 22:28:33あぁ言えばこう言う、こう言えばあぁ言う。両者一歩も退かない言い争いが続く。言い争いに夢中になっていたからか、二人はかの怪物が煙幕を振り払い、タコカンを砕いたことに気付けなかった。 咄嗟の対応も虚しく、映司はカニレーザーは右の鋏で胴を、左の鋏で首を掴まれてしまう。
2013-09-10 22:31:05「何処の馬の骨か知らんが、神聖な戦いを汚す輩は許さぬ、断じて許せぬ!」 戦いの邪魔をされ怒り心頭のカニレーザーは、映司を地面に押し付け、ゆっくりと力を込める。引き剥がそうと鋏に手を掛けるが、怪人と人間との力の差は歴然。引き剥がすどころか逆に絞め付けられていく。
2013-09-10 22:33:17――力が……力が欲しい。繋いだ手を離さなくても済むだけの力が……、皆を護れる力が! 映司は消えそうになる意識の中、左腕を鋏と自身の首との間に割り込ませ、力を欲して辺り構わず右手を伸ばす。カニレーザーは彼のそんな様を見、悪足掻《わるあが》きはよせと映司の右手を踏みつけた。
2013-09-10 22:36:33「無駄だ無駄だ。我が鋏は止められぬ! 死ねェい」 これで終わりだと鋏に力を込めるカニレーザー。だが彼は功を焦るあまり二つのことを失念していた。一つはディケイドが先刻の二枚のメダルを落としていたこと。もう一つはそのメダルが、自分たちのすぐ近くに落ちているということを。
2013-09-10 22:38:25そしてそれはカニレーザー最大の誤算だった。映司はその場に転がっていた青のメダルを掴み取っており、同時に彼の胸から勢いよく飛び出した「柄」によって、カニレーザーは跳ね飛ばされてしまったからだ。 「なん……なんなんだ? 今何か、俺の……胸、から……」
2013-09-10 22:39:55映司の胸に刺さっていたもの。それは何らかの剣の「柄」だった。いや、待て。そんなものが刺さって何故生きている? 出血や痛みが無いのが不気味だ。痛みが無いからと胸から柄を引き抜いてみる。それは何事もなく引き抜け、映司の目の前にヘラクレスオオカブトの角を象った、見事な剣が現れた。
2013-09-10 22:43:56引き抜くと同時に映司は気付く。今の今まで握っていた青色のメダルがない。体の中に吸収されてしまったのか、それともこの剣が青色のメダルそのものなのか、それは分からない。しかし、一つだけ分かることがある。 「ここに剣があって、奴が吹っ飛んでいるってことは……」
2013-09-10 22:46:04戦って勝つ以外に道は無い。映司は剣を支えに立ち上がり、体勢を立て直さんともたつくカニレーザーに斬りかかった。不意を突かれたカニレーザーは、胸を打たれて転げ回るも、その後何事もなかったように立ち上がる。 「人間如きがよくも……! 容赦せぬ、ああ容赦せんとも!」
2013-09-10 22:47:58カニレーザーの怒りに任せた鋏が飛ぶ。映司は剣の刀身で攻撃を受けて捌きつつ、怪物の堅牢な鎧に一撃一撃を丁寧に入れていく。衝撃でその都度よろけるカニレーザーだったが、装甲を貫くことは出来ず、決定的なダメージを与えられずにいた。
2013-09-10 22:51:26力負けし、刀身で防御しつつも吹き飛ばされて宙を舞う映司。上手く着地出来ず、足を挫いてふらつく彼に、ディケイドは何をやっているんだと檄を飛ばす。 「仮面ライダーの力を使ってそのザマか? もっと真面目に戦え!」 「真面目にって……。これ以上どうしろって言うんです!」
2013-09-10 22:54:15「剣の柄だ。そこの窪みにもう一枚のメダルをぶちこめ、お前の足下に落ちているそれだ」 「足下、ですか? メダル、メダルと……」 言われて、足下を見回しメダルを探す。赤のメダルはすぐに見つかった。拾い上げて剣に嵌め込もうとするが、カニレーザーがそれを見過ごす筈がなかった。
2013-09-10 22:57:03「言った筈だぞ人間よ、無駄な足掻きはやめろとな!」 そうはさせるかとカニレーザーが迫る。奪われるよりも先にメダルを柄に填め込むが、刀身を盾として構えるには近付かれ過ぎた。 「小癪な、このまま真っ二つに裂いてくれる!」 「くぅ……こうなったら、喰らえッ」
2013-09-10 23:00:15守りに入る暇はない。ならば駄目元でも攻めるだけだ。映司は懐に入り込んだカニレーザーに対し、逆に一撃見舞ってやった。 「なかなかやるではないか。しかァし、武器を持とうが不意を突こうが、人間ごときにこの超装鋼カニレーザー様を跪かせることは出来ぬ、絶対に出来ぬのだ!」
2013-09-10 23:01:01映司決死の一撃は、届いたものの押し込んで斬り崩すとまでは行かず、勢いを殺されてあっさりと止められてしまう。 カニレーザーの額の水晶が輝いた。殺人光線発射の合図だ。最早これまでかと歯噛みする映司だが、瞬間、刀身から発せられた”雷”によって、カニレーザーは火花を散らし吹き飛んだ。
2013-09-10 23:03:47「なっ! 何だこれは!? 何故私が吹き飛ばされているッ」 「何だったんだ、今の……」火花を散らし、弾ける音を響かせる赤のメダルを見、これがピンクの男が言っていた力かと驚く。こんなメダルは初めてだ。これを持っていた「ディケイド」とは一体何者なのか。映司の脳裏に様々な疑問が駆け巡る。
2013-09-10 23:07:44「なんと言う、なんと言う失態! 人間ごときに遅れを取るとはッ!」 「あれでもダメ……なのか」二枚のメダルの力を用いてなお、カニレーザーを倒せない事実に愕然とする映司。しかし、その様子を傍から見ていたディケイドは、一枚のカードをドライバーに装填し、彼を後ろに下がらせる。
2013-09-10 23:10:36「お手柄だぜ旅人。後は俺に任せな」 「任せろって……」不安げな声で映司が言う。「そんなにふらふらで大丈夫なんですか?」 「心配ねぇよ。お前が時間稼ぎしてくれたお陰でな。さぁてと蟹野郎、一気にトドメを刺してやるぜ」
2013-09-10 23:15:02――FORM RIDE「AGITO BURNING」 カードをドライバーに装填すると共に、ディケイドの体は燃え盛る業火の戦士、「アギト・バーニングフォーム」へと姿を変える。 「一発で決めてやる。覚悟しな!」 ――FINAL ATTACK RIDE「a-a-a-AGITO」
2013-09-10 23:16:51