ニーチェと反ユダヤ主義

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直立演人 @royterek

→ヨーロッパ文化を採用することによって、ユダヤ人はそれと同時にヨーロッパ文化を乗り越え、キリスト教の否定によって出現する頽廃していない新しいヨーロッパ文化の旗手となるのだ。→

2013-10-28 13:52:44
直立演人 @royterek

→それゆえユダヤ人はその特異な独特の歴史的個性を捨てて、ユダヤ教の信者としてではなく、実存的、歴史的経験を経てきたユダヤ人として、その価値を創造する力を発揮してヨーロッパ共通の努力に協力することが求められる。→

2013-10-28 13:53:47
直立演人 @royterek

→このようにして、ニーチェが現代ユダヤ人のなかに貯えられていると考える、家系や教育や歴史的経験による驚くべき富と人間的な豊かさが、その狭い水路から溢れ出てヨーロッパの現実の変革に助力することになる」(イルミヤフ・ヨベル『深い謎:ヘーゲル、ニーチェとユダヤ人』pp.246-247)

2013-10-28 13:55:59
直立演人 @royterek

今日の尺度からすれば、ヨーロッパのユダヤ人にニーチェが期待した「創造的同化」のナイーヴさは否めない。だが、ヨーロッパ人の大半がユダヤ精神に否定的兆候しか見なかった中、ユダヤ人の大半がヨーロッパへの発展的融和を望んでいた当時の状況に照らせば、異例なほどリベラルな立場だったと言える。

2013-10-28 14:17:43
直立演人 @royterek

いずれにしても、いわゆる「ユダヤ人問題」をめぐるニーチェのスタンスから今日の我々が無条件に学べる点があるとすれば、それは何よりも、反ユダヤ主義に対する断固たる態度であることは疑いない。

2013-10-28 14:21:47
nos @unspiritualized

その通りですが、その場合、猖獗を極めていた反ユダヤ主義の渦にあって、あえてユダヤ人を内なる他者として概念化した意味を踏み込んで掬いとりたくなるんですよ。@royterek …生身の人間の集団的カテゴリーを何らかの社会・文化改革のための手段として概念化するのは、たとえ肯定的な…

2013-10-29 23:35:17
nos @unspiritualized

ニーチェの場合は思想としての内実にこそ責任がありそこを問うべきだと思っています。ハイデッガーやシュミットの場合は思想をはみ出たものが彼らの思想を逆に汚染していく様相を看過できない。@royterek

2013-10-29 23:40:10
直立演人 @royterek

私も当時の状況を考えると、ニーチェのユダヤ人観は害よりも益の方がはるかに大きかったと思います。@unspiritualized:その通りですが、その場合、猖獗を極めていた反ユダヤ主義の渦にあって、あえてユダヤ人を内なる他者として概念化した意味を踏み込んで掬いとりたくなるんですよ。

2013-10-29 23:49:23
nos @unspiritualized

ありがとうございます。その上で、人種を操作概念として扱うことの是非は別であるという論点は同意です。@royterek

2013-10-29 23:54:46
直立演人 @royterek

一方で、ニーチェの(せっかくの)肯定的なユダヤ人観が完全にスルーされたばかりか、その思想が反ユダヤ的文脈で悪用されてしまったのは、(思想的内実というよりは)誤解の余地を残すレトリックや「政治的無能」のせいであったとはヨベルが指摘しているところです。@unspiritualized

2013-10-30 00:15:16
nos @unspiritualized

ニーチェに政治センスを求める人はどうかしています(笑)思想的な厳密さに欠けるというのは同意ですね、ダイナミックさの犠牲になってしまっている箇所は多々ある。@royterek

2013-10-30 00:36:42
直立演人 @royterek

(笑)いや、でも、少なくとも彼の反ユダヤ主義に対する断固たる態度は抜群にセンスいいです。@unspiritualized:ニーチェに政治センスを求める人はどうかしています(笑)思想的な厳密さに欠けるというのは同意ですね、ダイナミックさの犠牲になってしまっている箇所は多々ある。

2013-10-30 00:42:00
直立演人 @royterek

彼のユダヤ人観にしても、スピノザやハイネ等のヨーロッパ最高の知性を模範とした概念化の産物であり、時には極端な評価が見られたにしても、政治的な意味ではむしろ非常にバランスがとれていたと思います。@unspiritualized:ニーチェに政治センスを求める人はどうかしています(笑)

2013-10-30 00:49:41
nos @unspiritualized

ニーチェは書簡ではさらに苛烈に反ユダヤ主義を批判しています。センスだけじゃない、小手先の道徳(むろん違う!)でもない、世界の捉え方そのものにおける帰結だと思うんですよ。@royterek

2013-10-30 00:50:46
直立演人 @royterek

なるほど。要するに、あらゆる意味で普通の尺度が通用しない思想家なんでしょうね。@unspiritualized:ニーチェは書簡ではさらに苛烈に反ユダヤ主義を批判しています。センスだけじゃない、小手先の道徳(むろん違う!)でもない、世界の捉え方そのものにおける帰結だと思うんですよ。

2013-10-30 00:52:57
直立演人 @royterek

「政治にかかわる慎重な人々がみな現実の反ユダヤ主義的行動をたとえ無条件に拒否しているとしても、その深慮遠謀は反ユダヤ主義的感情そのものに向けられているのではなく、その種の感情の危険きわまる極端な昂揚に、特に昂揚した感情の悪趣味な恥ずべき表現に向けられているにすぎない」(ニーチェ)

2013-10-31 02:01:12
直立演人 @royterek

「キリスト教によって教育されたどういう子供でも、潜在的に反ユダヤ主義的感情を幾分かは吸収していると考えても、少しもおかしいことではない。問題は、成人してその反ユダヤ主義的感情をどう処理するかだ。それを理論化するか。それに対して反論を展開するか。→

2013-10-31 02:04:22
直立演人 @royterek

→それともその感情を温存したまま、ニーチェの言う「政治的な」理由からそれを残酷な形で示すのは控えても、「ソフトな」または「手の込んだ」反ユダヤ主義は一生引きずっていくことにするのか」(イルミヤフ・ヨベル『深い謎:ヘーゲル、ニーチェとユダヤ人』)

2013-10-31 02:05:52
直立演人 @royterek

「ひどく汚染された地帯に短期間、滞在している間に、私も病気に全然罹らなかったわけではない」(ニーチェ『善悪の彼岸』)

2013-10-31 02:21:03
直立演人 @royterek

「反ユダヤ主義者はみなルサンチマンをいだく者たちであって、身体も病気に蝕まれているが、陰険な復讐心で全地を揺るがさんばかりで、幸福な者に対して際限なく飽きもせず復讐心を燃やしている」(ニーチェ『道徳の系譜』)

2013-10-31 02:34:40
直立演人 @royterek

「おまえは最大の愚行を犯したのだ――おまえ自身にとっても僕自身にとってもだ! おまえが反ユダヤ主義者のボスと結婚したのは、僕の生き方全体になじまないものであって、そのために僕はいつも再三怒りと憂鬱に襲われている」(ニーチェ、妹への手紙)

2013-10-31 02:43:51
直立演人 @royterek

「反ユダヤ主義との関係では絶対に潔白で後ろめたいところがない、つまり著作と同様に、それに反対していることは、僕にとっては名誉にかかわる問題なのだ。」(ニーチェ、妹への手紙)

2013-10-31 02:45:18
直立演人 @royterek

「近頃、手紙や『反ユダヤ主義通信』の記事でひどく悩まされている。(あまりにも僕の名前を利用したがる)この党派への嫌悪はできるだけ率直に言わせてもらっている。…それに対して何もやれないということ、…毎号ツァラトゥストラという名前を使っていることで、再三殆ど病気になってしまいそうだ」

2013-10-31 02:48:19
直立演人 @royterek

「現代の「ドイツ精神」ほど私にとって縁遠いものはなく、私はその独特の表現をみると耐えがたい思いがいたします。特に反ユダヤ主義運動はその一つだと考えています」(ニーチェ、反ユダヤ主義者の知人宛ての手紙)

2013-10-31 02:59:14
直立演人 @royterek

「反ユダヤ主義者の情熱には、深刻な自信喪失が覆い隠されている。反ユダヤ主義者のもともとの立場は自分自身の存在や価値の晴れやかな肯定ではなくて、自分と絶対に異質だと思われるユダヤ人に対する、――ユダヤ人を貶めることで得られた優越感をもってくだされた――否定なのである。→

2013-10-31 03:45:16