[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―【第3章〜第4章】
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[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―,2013, レイ・オルデンバーグ:著, 忠平美幸:訳, マイク・モラスキー:解説, みすず書房 http://t.co/tCSjVrDWeY 原著→The Great Good Place:1989
2013-11-06 11:26:29第3章 個人が受ける恩恵(P98〜P130)
第3章 個人が受ける恩恵 人間は他者との関係の元で生きる社会的動物であるから、サードプレイスの価値はそこにいる全員に与えられる。本書では金銭面での恵みは扱わない。しかしサードプレイスでは物・時間・スキル・情報・サービス等の交換が行われているのだろうから、その事も重要ではあるだろう
2013-11-06 11:26:41恩恵は4つある。 目新しさ(産業化され、都市化され、官僚化された社会に目立って不足しているもの)、人生観(または健全な心の持ちよう)、心の強壮剤(またはサードプレイスを訪れることによる日常的な元気回復)、友だち集団(または一人ずつではなく大勢と定期的に友達づきあいすることの利点)
2013-11-06 11:26:53目新しさ
(1)目新しさ アメリカの日常は、家も職場も規則性と型通りの行動(ルーティン)が支配している。一定の人数のもと「交友関係は多様性を失い、驚きや冒険、危険、興奮、とは相容れない二重の環境のなかで、人びとはごく少数の人間にあまりにも多くのことを期待するように(P101)」なっている。
2013-11-06 11:27:06サードプレイスは以下の3つの点で日常に目新しさや刺激を与える。 A)多種多様な人びとの隠れ家であること サードプレイスは誰でも受け入れる場所なので、色々な人との豊かなふれあいがある。職業も立場も様々な人から受容されるので他の公式組織以上にコミュニティへの帰属意識を抱く傾向がある
2013-11-06 11:27:31B)不確定性 計画や組織の欠如、まとまりのゆるやかさ、サードプレイスに来る顔ぶれの流動性・偶然性から生まれる。ここからわくわく感や期待感があらわれる。 サードプレイスで起こる会話も変化に飛んでいる。色々な人がいるので視点に多様性が生まれるからである。
2013-11-06 11:27:49C)コラボレーションが起こること そこに集まる人同士の関わりで起こることそのものが目新しい。満足で、かつ有益な気晴らしな条件は、それが社会的であると同時に能動的であることだ。多彩な社会的背景をもつ人々と会話することで、その時でしか起こらないことが調整され、その場に新味が生まれる。
2013-11-06 11:28:02「サードプレイスは、おおむねそこだけで成り立つ世界であり、おしゃべりによって構築され、もっと大きな社会の、制度化された秩序からは完全に独立している。サードプレイスの世界が、もっと大きな世界よりははるかに論理的一貫性に乏しいとしても、
2013-11-06 11:28:11常連たちは、サードプレイスのほうがまっとうであり、人間そのものゆえに人間をより好きになり、いつでも、ものすごく愉快だという事実で、その欠けは十分に埋め合わせがつくと思っている。(P105)」
2013-11-06 11:28:20人生観
(2)人生観 「サードプレイスは、幅広い層の人びとがいる状況で気晴らしと交流とを組み合わせ、成員の集合知を提供することによって、健全な人生観をもたらすうえで役立っている(P108-P109)。」 影響大なのはユーモアである。ユーモアは人を結束させたり心を解放したりする力がある。
2013-11-06 11:28:37心の強壮剤
(3)心の強壮剤 サードプレイスは、そこに集う人々を元気にする。それは自分自身が幸せな気持ちになると同時に他の人々を幸せな気分にするということ。サードプレイスで元気になって、人は前より自信をつけて外の世界に出て行く。 雰囲気を表す言葉としては動的なものと静的なものがある。
2013-11-06 11:28:54【動的な言葉(ゲオルク・ジンメル:社会学者の言説を引用)】 ・喜び(幸福が呼び起こす感情) ・快活さ(速さが軽快なこと) ・気晴らし(義務からの解放や単調さの打破) 【静的な言葉】 ・ゲミュートリッヒカイト(独:居心地のよさ、何でも受け入れるおおらかな心的態度、自他のくつろぎ)
2013-11-06 11:30:57サードプレイスがいつも陽気な理由(3つ) ・参加者同士の関わり方が限られてるから(P117) →日常の多くを共有しないからこそわくわくする出会いがある ・その場を楽しむ人々がそこに費やす時間を制限するから(P119) →居たくなければ自由に帰ることが出来る
2013-11-06 11:31:57・表現の自由が促されるから(P120) →社会的役割から解放される事による。そこでの挑戦は許容される。従って素人芸は歓迎される。 ちなみにカクテルパーティーやハッピーアワー(勤務時間後の憩いの時)はサードプレイスにならない。それは「強制的な慣例(P123)」に支配されているから
2013-11-06 11:33:06ひとまとまりの友人たち
(4)ひとまとまりの友人達 サードプレイスには常連中心の集団がある。そこでの出会いは友人が「ひとまとまり(セット)」で提供される。こことの関わりは帰属を生む。この集団には自分の好みで選んでない人々がいる。ここから、他の交友形態にはみられないほど幅広く多様性に富んだ友人集団ができる
2013-11-06 11:42:19帰属意識に必要なのは、サードプレイスに見慣れた顔が幾つかあるだけでよい。こうして特定の個人に依存しなくてよい日常的な交友関係が確約される。 また、精神衛生の見地から述べると、大集団は個人の感情表出を抑える。この事と帰属意識が相まって、個人は「高揚感」を感じ心の健康を促すと思われる
2013-11-06 11:34:50クローズ・S・フィッシャー(米の社会学者)によると「社会的支援ネットワーク」に過剰に熱意を持つべきでない。そのようなシステムの支援者との関係には維持費がかかるからだ。その点、サードプレイスは「形式ばらない気軽な帰属意識によって生じるお手軽版の友情や意気投合(P130)」が得られる
2013-11-06 11:34:59第4章 もっと良いこと(P131〜P159)
政治上の役割
第4章 もっと良いこと 政治上の役割 長居ができ自由に話す事が出来るサードプレイスは、人々を一律管理する全体主義・独裁政治社会にとって脅威である(例:83年東ドイツ、50年代ハンガリー、18世紀スウェーデン)。一方で、サードプレイスは民主主義の政治プロセスにとって必要不可欠である
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