【装束小ネタ】みづら篇~『角髪』表記について、美豆良と総角について

◆『角髪』表記への反論 ◆美豆良と総角、双髻 ◆詩経「甫田」と神楽「総角」 ◆童子の下げみづらの結い方 続きを読む
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詩経「甫田」と神楽「総角」

逆名🌈🕊️🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @sakana6634

神楽の総角(あげまき)歌は、詩経の甫田の歌から引かれている、気がする。 詩経國風/齊/甫田 無田甫田、維莠驕驕。 無思遠人、勞心忉忉。 無田甫田、維莠桀桀。 無思遠人、勞心怛怛。 婉兮孌兮、總角丱兮。 未幾見兮、突而弁兮。 (続)

2013-11-08 23:24:56
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(承前)「甫田」読み下し 甫田 田作るなかれ、維莠驕驕たり。 遠人 思うなかれ、勞心忉忉たり。 甫田 田作るなかれ、維莠桀桀たり。 遠人 思うなかれ、勞心怛怛たり。 婉よ孌よ,總角丱よ。 見ること未だ幾ならずも、突として弁す。 (続)

2013-11-08 23:25:56
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(承前)「甫田」意訳 広い田んぼなんか作ったって、草がぼうぼう生えてくるだけさ。 遠くの人を思ったって、胸がずきずき痛むだけさ。 ねえ、かわいこちゃんたち、お坊っちゃんにお嬢ちゃん。 大人になるのなんて、あっという間なんだよ。

2013-11-08 23:27:25
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神楽歌「総角」 総角(あげまき)を 早稲田(わさだ)に遣りて や そを思ふと そを思ふと … 何もせずして や 春日すら 春日すら… (意訳・諸説有) あげまき髪の若い子を、田んぼにやったが、物思いに耽って、何もせぬまま、春の日すら、暮れてしまったよ。

2013-11-08 23:28:54
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前掲書のような礼楽制定を目的とした日本雅楽の編成という流れの中で、神楽歌も編纂され、新作もなされたものと考えれば、詩経を下敷きにしたというのは別に無理なことでもないと思う。こういった形でも漢語が導入されていったのだと思うし。

2013-11-08 23:38:22
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ただ「あげまき」がもともと日本にあって総角の字を宛てたのか、総角という言葉と風習(髪風そのもの、或は幼少=総角に類する結髪という文化)が共に輸入されたのかはわからない。

2013-11-08 23:41:57
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実際の髪型が伴わない「年少者」の意の『総角』といえば、源氏物語の蓬生巻の「崩れがちなるめぐりの垣を馬、牛などの踏みならしたる道にて、春夏になれば、放ち飼ふ総角の心さへぞ、めざましき。」の総角は、牛飼童の身分でみづらなど結う訳もないので『童子』の意と思われる。

2013-11-09 00:00:59
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実際の髪型は入元結の垂髪、つまりうしろひとつ縛りだったと思うが、それらをも含めて童子の結髪を『総角・あげまき』と総称することがあったかどうかはわからない。

2013-11-09 00:06:32

童子の下げみづら結い方図解

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昨日の続き? 童子の下げみづらの結い方。 これを結うのは幼年東宮や親王、摂関公卿家など権門の若君(規定はありませんが)、殿上童など貴顕の童子に限られるので、水干と合わせたりはしません。身分が低くても臨時で節供のお手伝いや舞童が結 http://t.co/kwjuyBE7wq

2013-11-09 20:26:44
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この結い方は『雅亮装束抄』を参考にしています。 前 q 後 のように前気味に張り出す感じになり、垂れ髪は後方から流れます。総角結びは輪の部分を長くとって垂らすこともありました。

2013-11-09 20:30:59
逆名🌈🕊️🏳️‍🌈🏳️‍⚧️ @sakana6634

そのうち雅亮装束抄の訳も添えて書きたいなあーと思っています。

2013-11-09 20:34:03