コーヒー屋たんの自己紹介~コーヒーの味を評価するということ~
- bittersweet_tan
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今日は定期ツイートを設定する時間もないので、思いつくままにツイートしてみるよ。 テーマは、コーヒー業界におけるスターバックスの貢献。
2014-01-06 19:53:55コーヒー業界では、品質基準として豆の粒サイズとか、欠点豆(カビとか割れ豆とか)の混入率が使われてるんだって。 ある程度名の知れた産地でその基準をみたせば、高級豆として売ることができたの。 この基準に『味』という要素が入ってない、これが今日のポイントね。
2014-01-06 19:59:55これには根深い問題があってね。 コーヒー産地は決して豊かとは言えない国が多いんだよ。 先進国のコーヒー業者は安い労働力でそこそこのコーヒーを入手し、自分の国で安く売る。 このプロセスでは、おいしいコーヒーを適正価格で買おうって発想にはたどりつかないのよ。
2014-01-06 20:02:55異物混入みたいな最低限のところをクリアすれば、あとは味の違いなどわからない消費者 (もしくは前向きにとらえるなら、味の違いを吸収できるブレンドなどの企業努力ね☆) が安く大量に飲んでくれるよ!って発想ね。
2014-01-06 20:07:28生産国側は買い叩かれるのを防ぐために、地名を冠したブランドの輸出制限(ブルーマウンテンとか有名だよね)とか、鑑定家を組織して品質を保証していたんだけど、基本的に発想は同じ。 あくまでも減点法、農作物としてのクオリティ維持であって、飲み物としての味を誰も気にしなかったの。
2014-01-06 20:10:59さて、先進国と途上国の格差を埋めよう、って世の中になると、当然コーヒー業界の構造も問題になるわけよ。 そこで世界的な評価基準を設けて、優秀な生産者にはきちんと対価を払いましょう、という流れがおこりはじめるの。
2014-01-06 20:56:41ではその評価基準をどうするか? ここでさっきちらっと触れた"伝統的なコーヒー評価集団"を組織し、圧倒的コーヒー大国だったブラジルが名乗りを上げたよ。 つまり、うちの基準を使ってよ!ってことね。
2014-01-06 20:58:43ここでブラジルの要求を突っぱねたのが、スターバックスをはじめとするシアトル系のコーヒーチェーンなの。 彼らの言い分はこう。 「おいしいコーヒーに相応の対価って取組みには同意するけど、あなたのとこの基準ではおいしいコーヒーを見つけられない!」
2014-01-06 20:59:48社内で独自に本当においしい豆を見つけては、従来より高価格で提供する。 そんな新しいスタイルで動き始めていたシアトル系チェーンにとって、豆の粒がそろってるとか、名の知れたブランドであるとか、そんなことはどうでもよかったのよきっと。
2014-01-06 21:01:15お客さんが飲むカップの時点で、ちゃんとおいしいコーヒーであること。 そのためにカッピング(つまり味見)という審査を厳格に行うこと。 この辺の条件をブラジル側が飲む形になって、ついに「味」という要素が審査基準に加わったの。
2014-01-06 21:02:25飲み物としてのおいしさをチェックするって、当たり前のようでかなり大変な評価方法なのよ。 精製、保管、ローストを経てカッピングまで、自分ちの豆の魅力を引き出すような理想の状態を維持しなきゃいけないんだから。 おそらくコーヒーに携わる全ての人が新しい努力を求められたんじゃない?
2014-01-06 21:05:40でも、厳しい評価制度で得をするのは、なにも消費者やショップだけじゃないよ。 高評価の豆はオークションに出品されて、従来よりも圧倒的な高価格で取引されるの。 そしてもともとが格差軽減のための仕組みだもん。マージンも極小に抑える仕組みが整ってきてるんだよ。
2014-01-06 21:06:30ショップ側もおいしいコーヒーを作ってもらうために、最新の研究施設を現地に建てて、農家の支援を惜しまない姿勢が根付いてきたんだって。 (毎年継続的においしいコーヒーを作れる農園と仲良くすることは、受賞できたかどーかとか関係なく、それだけでショップにとってありがたいの。)
2014-01-06 21:08:13なんで今までだれもやらなかったの??っていうような良い仕組みだよね。 この仕組みがうまく回りだした最大の要因が、スターバックスの世界的(特に日本での)成功だと私は思っているよ。
2014-01-06 21:09:03つまり、多少高くてもいいからおいしいコーヒー!!って考えを世界中に広めたんだよ。 いままで誰もできなかったのは、おいしいコーヒーの価値を分かる人が、あまりにも少なかったから。 そこをスターバックスが切り開いたの。
2014-01-06 21:10:13