- bittersweet_tan
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これまで、コーヒー生産における政治や地理を見てきたよ。そこで次のテーマは経済! 過去のまとめはこちら→ http://t.co/B1q7LYA1cV http://t.co/48CDjGBAl6
2014-01-14 20:13:45みんな、自分が飲んでるコーヒーの値段がどうやって決まるか知ってるかな? まずはこちらのグラフをご覧ください。 出典 http://t.co/FwRgDbJHxR http://t.co/tJnIFOmc3a
2014-01-14 20:14:43一見して、値段がおおきく変動してることがわかるよね~。 今日はこの変動の要因をみていきましょう。 1990年代前半と2000年代前半にそれぞれ起こった暴落の原因を考察するのが目標だよ!
2014-01-14 20:16:41ひとことで言うなら、この変動はコーヒー価格が"市場原理で決定される"から起こるよ。 つまり、需要よりも大量に出回ると値下がりするし、不足すると値上がりするの。 昔習った神の見えざる手ってやつかしらん!?
2014-01-14 20:18:22わかりやすいところだと青線の3つのピーク。 異常気象、特に世界最大の生産国ブラジルでの霜害があると、コーヒー価格は大きく上がるといわれてるよ。 出回るコーヒー豆の量が減るから、価値が上がるわけだね。
2014-01-14 20:19:30ここでのポイントは、生産者が値段を決めるわけではないってこと。 今年は不作だったから高めに売らないと生活が…なんて言ってられないんだね~。 あくまでも投資家とかロースターの"不作らしいから今買っとけば値上がりするんじゃね?"の心理で、値上がりするわけ。
2014-01-14 20:20:20このグラフよりさらに昔、コーヒー業界では、世界中のロースター(生豆を買ってローストし消費者に売る、先進国寄りの会社)が主導して、低品質低価格の豆を大量に作らせる傾向にあったんだよ。 低価格競争のせいで、値下がりもしやすかったんだって。
2014-01-14 20:23:14そんなこんなで、昔から事あるごとに暴落と高騰を繰り返してきたコーヒーなんだけど、特に大幅な値下がりは生産国にとって一大事なの。 コーヒー生産国の多くは、コーヒー輸出が外貨獲得の柱。 コーヒーに依存した経済だから、コーヒーの暴落は国がなくなるピンチなわけ。
2014-01-14 20:24:16そこで1960年代、コーヒー価格の安定化を目指して世界的な約束が交わされたよ。 国際コーヒー協定(ICA)ね。
2014-01-14 20:25:54超簡単に言うと、加盟輸出国は、毎年一定量の豆しか輸出できないってルールだよ。 そうすれば、供給過多による値崩れを防ぐことができるからね。在庫があまったら自国で処理しましょうって。 そして輸入国は、加盟国以外からコーヒーを買ってはいけない。
2014-01-14 20:34:57ブラジルは○ポンドまで、コロンビアは○ポンドまでって感じに、それまでの生産量に応じて、国ごとに輸出できる上限を決めたわけ。
2014-01-14 20:35:44しばらくはこの制度がうまく行って、コーヒー価格はそこそこ安定していたよ。 どこかの国が不作の年は、高騰を防ぐために制限が緩む(→他国からの供給が増え値下がり方向に動く)みたいな適度な柔軟性もあった。 ところが80年代後半、コーヒー業界を大きく動かす変化が起こるの。
2014-01-14 20:36:51この変化こそが、いつも言ってるスペシャルティコーヒーの躍進だよ。高価格でもおいしい豆を買おうって動きね。 実はこれ、ICAのルールととても相性が悪かったみたいなの。 (調べても明確な証拠は出てこなかったから、ここは私なりの仮説ですね~。)
2014-01-14 20:38:0670年代に提唱されてから少しずつ育ってきたスペシャルティコーヒーの概念は、80年代になって爆発的に広まるの。 コーヒー好きからすれば歓迎するべき流れなんだけど、ここでひとつ困ったことが!
2014-01-14 20:38:49ICAのルールでは、"国ごとに輸出できる上限が決まっていた"よね。 ブラジルやコロンビアなど、生産量の多い地域がたくさん輸出できる仕組みだったの。 ところがスペシャルティ化の流れのなかで、グアテマラやコスタリカ、"量より質"だった中米の豆がものすごく評価を上げたんだよ。
2014-01-14 20:41:32こうなるとICAのルールは足かせでしかない。 特定の高品質豆をたくさん買いたいのに、ICAのルールのせいで、ほしくもない別の地域の豆を買わなきゃいけないんだもの。 これでまずアメリカが、輸出量の制限に反対し始めるの。
2014-01-14 20:42:36生産国側の中米としても、せっかく自国の豆が人気でてきたのに、制限に引っ掛かるから在庫がかさむばかり。 ICAに加盟していない国に安値で売りさばくような事態が起こるわけ。 もちろん、反対にシェアを奪われる形になるブラジルなんかは、輸出制限を維持したい。
2014-01-14 20:43:51(この辺、大まかな流れは間違ってないと思うけど、各国の思惑は正確には調べられなかったんだよ~。 そこがさっきチラッと書いた、証拠がないから仮説だよって部分ね。)
2014-01-14 20:44:36結局各国の話はまとまらないまま、輸出量の上限が守られなくなる。んで最後には撤廃されたんだよ。 制限のなくなった業界全体が自国の利益を確保するために在庫の放出を続けて、過剰供給から値下がりしたよ。 これが88~92年の暴落ね。
2014-01-14 20:46:31おいしいコーヒーを選ぼうって動きと、生産量だけで定められた古い基準は相性が悪かったんだね~。 幸い94年からのブラジルの不作と重なって、コーヒー価格はICA制限があった頃のレベルに持ち直すんだけど。
2014-01-14 21:03:06ちょうど暴落から抜け出した90年代後半、もうひとつの大きな変化が起こるよ。 ほんの10年前は小規模な輸出国だったベトナム。 農業政策の方針転換で、97年にはインドネシアを抜き、2000年にはコロンビアを抜きって感じに、ブラジルに次いで第二位のコーヒー輸出国になったんだよ。
2014-01-14 21:03:46ベトナムで作られるのは、最初に出したグラフの赤線、ロブスタって品種ね。 青線のアラビカ種ほどおいしくはないんだけど、ブレンドとかインスタントコーヒーに混ぜて使われる豆ね。 たった10年で勢力図を塗り替えるような増産をしたから、ロブスタは大きく値下がりしたんだよ。
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