スイート★ノベル『怖いくらい義兄弟に愛されて』お試し読みまとめ
- harukamirai
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タオルで擦れた手首は痕になってしまっている。切り刻まれたタオルを見下ろすと無性に悲しくなってきた。ぼろぼろのその有様に自分の状況が重なった。凍りついた心のまま、のろのろと下ろされた下着とボトムを上げる。汚れた太ももはティッシュで拭った。 #SweetNovel
2014-02-08 12:30:36本当なら、膣内へと出された精液を掻き出したかったが、鷹幸の前でそんなところに触れる気にはならなかった。「たかくんも、ちゃんと服着て」「あ、うん……」綾に促され、鷹幸ものろのろと着衣を整える。酔っているのか悪夢でも見たかのように現実味がなかった。 #SweetNovel
2014-02-08 12:35:13「ごめん……綾、俺……綾からいい匂いがして、我を忘れちゃって……」鷹幸は口の中でもごもごと言い訳めいたことを呟いた。ほとんど顔色を失くし、何を言われたわけでもないのに正座している。 #SweetNovel
2014-02-08 12:40:12自分で自分が何をやらかしたかが信じられない、そんな顔だった。その姿に子供の頃の鷹幸が重なる。綾が大事にしていたオルゴールを壊してしまった時の顔よりもまだ、叱られることに怯えている顔だ。あれはいくつの頃のことだったか……。 #SweetNovel
2014-02-08 12:45:25犯されている間ずっと全身に力が入っていたせいか、まだ体は強張っている。まだ信じられない気持ちで、どこか他人事になっている。混乱はしているが、鷹幸を責める気にはならなかった。 #SweetNovel
2014-02-09 00:15:39「……忘れるから」綾はやっとそれだけを搾り出した。それは赦しの言葉にも似ていたはずだったのに、鷹幸はまるでひどいことを言われて傷ついたような表情になった。そしてそんな感情の動きに鷹幸自身が戸惑っているようにも見える。 #SweetNovel
2014-02-09 00:20:28忘れると言ったのは綾自身忘れたかったからだ。何もかも夢ならいい。こんな現実は認めない。だけど、下腹部にある違和感は厳然として存在していた。早くシャワーを浴びたい。すべて水に洗い流してしまいたい。怒ることも悲しむことも出来ず、綾は能面のような顔をしていた。 #SweetNovel
2014-02-09 00:25:21「俺のこと、嫌いになった?」叱られた子供そのままの顔で鷹幸が聞いてくる。鷹幸にそんな顔をされると無条件で慰めなければいけない気がしてくる。むしろ慰められるべきは綾の方なのに。嫌いになったかと聞かれても、鷹幸に対してどんな感情を抱けばいいのかがわからない。 #SweetNovel
2014-02-09 00:31:00「嫌いになんか……なってないけど、私たちは姉弟なんだよ」だから、困っている。自分は被害者で目の前の男は加害者だ。なんでこんなことをしたんだ、ひどいひどい。 #SweetNovel
2014-02-09 00:35:20むやみに責めたい気持ちはないではないけれど、姉弟として暮らしてきた年月がいきなりゼロになるわけではない。どんなに傷つけられても、鷹幸は綾にとって可愛い弟で大事な家族だ。 #SweetNovel
2014-02-09 00:40:23姉弟で性行為に及んでしまったのはいけないことで、その罪は姉である自分にもある。被害者のはずなのに、綾は自分が鷹幸に罪を犯させたような罪悪感を覚えてしまう。可愛い弟を嫌いになんてなれるわけがない。「姉弟でこんなことしちゃ、いけないんだよ……」 #SweetNovel
2014-02-09 00:45:29…お試し読みはここまでです♪ 新作TL作品『怖いくらい義兄弟に愛されて』(著者/春河ミライ イラスト/城之内寧々)をお送りいたしました。いかがでしたでしょうか?
2014-02-09 00:50:25続きは魔法の図書館プラスhttp://t.co/VAJfII0h7x(ガラケー)、http://t.co/QiGTqYG348(Android)、電子書籍アプリBOOK☆WALKERなどからご覧いただけます。
2014-02-09 00:55:15