「報道の自由」の名のもとに蹂躙されるもの・・・あるジャーナリストたちへの警告

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2月10日、東京高裁にて、会員制ニュースサイト・マイニュースジャパンとその代表・渡邉正裕氏が、掲載された記事によってプライバシーを侵害されたとして訴えられていた裁判の控訴審判決がだされ、マイニュースjジャパン側の控訴が棄却された。

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会員制ニュースサイト・マイニュースジャパンとその代表・渡邉正裕氏が記事掲載によってプライバシー侵害を行ったとして、当事者から訴えられている裁判。マイニュースジャパン側は、先日の高裁での敗訴を不服として、2月24日付で上告との情報。

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どうしようもない行き詰まりに陥って随分時間が経ってしまった。最近中川翔子さんのインタビューを読んで、ブログを始めた当初は、絶望感の真っただ中で遺言を書くような気持ちで始めたということを知った。

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そうして自分でサイトをつくったときの一つの窓になればいいなと思っていたのが、自分の関心ある司法と表現の自由のテーマをあつかった「SLAPP WATCH」というブログだった。烏賀陽という男がオリコンに訴えられたことを契機に、支援になればと、体裁上は共有名義で立ちあげたものだった。

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「SLAPP WATCH」というブログは、そもそもオリコン訴訟はSLAPPという観点から解釈できるのではないかと僕自身が匿名で書いていたブログで指摘していたところ、烏賀陽からコンタクトしてきたことに端を発して、訴訟を支援する意味合いも込めて始めたブログだった。

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僕自身がfc2に取得したアカウントもあったのだが、烏賀陽がjugemに取得したアカウントを提案してきたのでそちらを使うことにし、パスワードを共有するかたちで始め、烏賀陽は訴訟も忙しいだろうと実質的には僕一人で更新していた。告知以外でも約200エントリーは書いた。

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当然ブログの更新は無報酬でやっていて、日本ではあまり知られていない概念の話なので調べ物をしても時間もかかるし、進行中のオリコン訴訟以外の裁判の経過も追ったりしていたので手間がかかるものだった。経済的に厳しい中、将来の何かにつながればこそと思ってやっていたことだった。

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オリコン訴訟が進行していく過程では、僕は関心のありそうな人に声をかけて支援のメーリングリストを立ち上げるなど支援の前線にいた一人だった。ただ裁判が進むうちに烏賀陽はあとからあとから証拠を提出したりして秘密主義が目立ち、弁護士解任の理由すら語らず、MLも機能しなくなってしまったが。

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訴訟は1審で烏賀陽が敗訴するも2審は和解で終わった。当時烏賀陽は弁護士とともに勝訴を宣言していたが、自分はそういう評価はできなかった。時間が経った後悩みつつも当該ブログで、個人的見解として違和感があると書いた。ただその見解は津田大介氏なども表明済みのもので特別なものではなかった。

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すると突然ブログのパスワードを一方的に変えられ、ブログもネット上から削除され、以後連絡がとれなくなった。 電話をかけてもガチャ切りされた。そしてアメリカに取材旅行に行ったという噂を聞いた後、独自ドメインのSLAPPの情報に特化したサイトが立ち上がっているのを知ることになった。

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これから書いていくことは気が重い。しかし遺言のつもりで書き始めたことだ。本来なら昨日早大で開かれた『１１・２３全国スラップ訴訟止めよう！シンポジウム』の場で聴衆の面前でぶちまけようと思っていた内容だ。昨日僕はシンポジウムの場にいた。

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シンポジウムはSLAPP訴訟を起こされたと主張する市民団体3団体が主催している場だった。ドキュメンタリーで見たことのある高江・ヘリパッドいらない住民の会、上関原発阻止被告団の人たちのスピーチを聞いていると、この場を自分の私怨で混ぜっかえすわけにはいかないと思った。

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質疑応答のときにピンボイントで烏賀陽に質問をしてYES・NOを確認し、聴衆の面前で事実を押さえておきたいとも思ったが、一見その場とは全く関係のない質問をすることになるので、ためらう気持ちのほうが勝ってしまった。

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ブログを削除された後、データを返せとメールで言ってもなしのつぶてなので、私は裁判の進行中特にこの人物に抱いていた疑念を確認したいと思って動いた。それはMyNewsJapanに掲載された2つの記事に烏賀陽が関係しているのではないかという疑念だった。

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その記事は、「27才1,200万円！　国民の働く意欲削ぐ講談社の異常賃金」http://t.co/BxJcJGTMJh　「講談社「社内W不倫夫婦が元夫を訴訟攻撃」にみる格差固定社会の末路」 http://t.co/3Pi9SQmgqm の２つだ。

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なぜこの記事が烏賀陽に関係していると疑念を抱いたかというと、オリコン訴訟より前の2006年、AFPBB運営のコラムの連載を原稿料が安すぎるとして降り、炎上した事件があったからです。「みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。」 http://t.co/bQ5kFUY49e

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「そのかわり、そのライターの書く原稿で本を出す某出版社Ｋの社員の給料は28歳で年収1200万円だったりするなど、それはそれでハラの立つ話もまたあるのですが、」コラムにはこんなくだりがあったのを僕は覚えていた。

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AFPBBのコラム炎上が2006年6月、MyNewsJapanの記事が2006年7月、オリコン訴訟が起こされたのが2006年11月ということで、実はこの問題、烏賀陽と協働し始めた初期の頃にMyNewsJapanのネタ元は烏賀陽さんですかと質問したところ、違うと否定されていた。

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訴訟の支援を求めてきて、それに積極的に応えている自分にまさか嘘をつくとは思えなかったし、記事中の登場人物の年齢に差があったので、よく似た当事者を知っているだけかもしれないと、そのときは考えた。

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その後2008年8月、MyNewsJapanには講談社女性社員の給料明細を掲載した記事に関連して、その記事の背景にある事情を告知する訴訟通知書なるものが送られて来たことが、サイト主宰者の驚きとともに掲載されていた。

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通知書は給料明細を掲載した記事が、プライバシー侵害の共同不法行為になることを警告する内容だったようだ。MyNewsJapanは通知書に反発して逆に通知書に書かれていた内容をもとに、さらに踏み込んで関係者の事情を明かす内容を記事化した。

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MyNewsJapanは情報源に関してはノーコメントとするものの、通知書で告知された関係者の事情はかなり詳しく明かしている。「内縁の夫だった年収80万円の極貧フリー記者」「精神障害3級で障害者手帳を取得」「元夫で元朝日新聞記者・H氏」といった記述が登場する記事が公開されている。

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自分は給料明細の記事は、持ち主が「わかる人にはわかる」内容の記事が公開されたと当初から思っていたが、この告知書記事はいっそう踏み込んで、関係者みなが「わかる人にはわかる」記事が公開されたと感じた。告知書記事の画像には（のちに差し替えられたが）当事者名まで載っていた。

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告知書記事の中には以下の記述がある。「問題となっているのは、Kさんの元夫で元朝日新聞記者・H氏との関係だ。「講談社Kさん・T君」VS「元朝日H氏」で、双方が損害賠償を求め、提訴し合っている。」　このKさんの実名が記事から読みとることができた。

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【続き】ここに登場する年収80万円の元朝日新聞記者という記述には少し引っかかるところがあった。それは烏賀陽はオリコン訴訟後、年収がいかに減ってしまったのかの推移を自分のサイトで公開していたが、そこに80万円の記述はなかったからだ。現在烏賀陽のサイトではその文章は確認できない。