リベラルフェミニズムとラディカルフェミニズムについての徒然
この @hyodoshinji 氏が纏めた「強敵! ストロッセン現る! http://t.co/cMrBJKRIK7 」が面白いので、ちょっと久々に連続ツイートします。TL汚し、失礼します。
2014-03-12 18:36:32話の前に、言葉を定義しよう。 リベラルフェミニスト:文字通りリベラル=自由を重んじ、性別を理由にした差別をなくしたい一派。 ラディカルフェミニスト:文字通りラディカル=根本的に、女性は男性中心社会に苦しめられてきたので、これを正そうとする一派。 とここでは定義する。
2014-03-12 18:37:16自由権と社会権の対立構造が理解できるなら、リベラルフェミとラディカルフェミが理念レベルでまず相容れない、トレードオフの関係にある事は推察できるだろう。具体的には、国会議員における女性比率の低さへの対応で意見が割れるはずだ。
2014-03-12 18:37:42リベラルフェミなら、女性議員比率が少なくとも、それが女性の自由意思の選択なので、これを肯定する。で、あるが故に(例えば、選挙権や被選挙権で)男女に法的な差をつける事に反対するだろう。
2014-03-12 18:37:53ラディカルフェミなら、女性議員比率が少なければ、それは根本的に男性中心社会の弊害なのでこれを否定する。で、あるが故に(例えば、選挙権や被選挙権で)男女に法的な差をつける事に賛成するだろう。
2014-03-12 18:38:01ちなみに、私はリベラルフェミとラディカルフェミの区別自体を知らなかった。大学でも他の講義を優先していたので、フェミニズム系の講義は出席しなかったし、何より、フェミニズム=当然リベラル(自由主義)と思い込んでいたからだ(多分、昔見た『G.I.ジェーン』とかの影響)。
2014-03-12 18:38:25で、何が面白いのかと言うと、私は『ごく凡庸で平均的なフェミニスト』のつもりだったのだが、実は『リベラル・フェミニスト』で、しかもこれが日本では少数派――らしいのだ。 この声にまず驚いた。 ……ただし、事実か否かは怪しんでいる。
2014-03-12 18:39:04何しろ、ここ http://t.co/cMrBJKRIK7 に書かれたリベラルフェミニスト:ストロッセン史の主張は、それこそ平凡妥当な男女同権の論理で、日本のサイレントマジョリティとも親和性が高いと思われるからだ。
2014-03-12 18:39:52例えば、私の父(そこそこ高齢な日本人男性)も財布は夫婦別で、職場でも「(男女を問わず)俺にいくら儲けさせてくれる?」かを重視する。ストロッセン史型のリベラル・フェミに相当するだろう。
2014-03-12 18:40:04そも理詰めで考えれば、今後の日本ではストロッセン史型のリベラル・フェミが主流にならざるを得ない。技術の進歩が性差の意味を薄める事は多いが、その逆は少ない。なら、工業化の過程で奴隷制が不経済になったのと同様に、封建的な性別役割分業も不経済になる事は不可避だろう。
2014-03-12 18:40:29そして、ここ http://t.co/cMrBJKRIK7 で紹介されたのストロッセン史の論理の通り、封建的性別役割分業とラディカル・フェミは近似だ(だから、私はそもラディカル・フェミをフェミと認めたくない)。つまり、ラディカル・フェミも不経済なのだ。
2014-03-12 18:41:27勿論、封建的な男女差別の撤廃=(リベラル)フェミの推進が、奴隷制度廃止の時と同様、犠牲を生むのは間違いない。 男女差別の撤廃によって、会社社長だった男性が平社員になることもあるし、専業主婦だった女性がホームレスになる事もある。
2014-03-12 18:41:48ただ、奴隷制廃止の結果、餓死する黒人元奴隷がいたとしても、奴隷制を復活させるのが難しいように、男女差別を復活させるのは難しい。 実際、上記の例の通り、現代日本人のサイレントマジョリティは無自覚なリベラル・フェミニストであり、経済的にも一定正しい選択をしていると私は思うからだ。
2014-03-12 18:42:40逆に、上野千鶴子氏のようなラディカルフェミニストは、炎上マーケティングもあって、目立っているだけの少数派――典型的なノイジーマイノリティではなかろうか?(この手のノイジーマイノリティも一定の政治権力を握っているのが厄介なのだが)。
2014-03-12 18:42:55ただし、そもそも、文中で挙げられている上野千鶴子氏などが本当にラディカル・フェミなのかは怪しいと思う。何しろ、ラディカル・フェミの政治的原理的無謀さは他の追随を許さない。
2014-03-12 18:43:30単純に(自由主義的に)『男女差別』を撤廃しようとするリベラル・フェミなら、男性も賛同しやすい。男性のみに圧し掛かっていた負担を女性にも負担してもらえるなら、『男性特権』など喜んで渡す男性は少なくない。
2014-03-12 18:43:37現実に西欧では、女性も兵役をはじめとするリスクを負担しつつある。こういうと、兵役の是非に話をすりかえる人がいるが、今まで男性におしつけられていたリスクを自ら背負った事実が重要だ。これにより、封建女性特有の平均寿命の長さなどの特権を手放す事で、男女同権先進国を成立させている。
2014-03-12 18:44:23マクロなデータとは言い難いが、NHKの『母親は兵士になった』は面白かった。銃弾で死ぬリスクを女性が負担してくれるなら、男性は兵士になる特権など喜んで手放すという好例である。日本では銃弾のリスクは低いが、他のリスクを負担してくれるなら、やはり男性は喜んで特権を手放すだろう。
2014-03-12 18:44:46ところが、階級闘争的に『女性差別』を撤廃しようとするラディカル・フェミでは男性が賛同できない。男性にのみ圧し掛かっている負担はそのままで、女性にだけ権利を寄越せ――という政治的無謀さは言うまでもない。
2014-03-12 18:45:24さらに「女性にも活躍するチャンスを与えるべき」「ただし、女性はリスクからは保護されるべき」というラディカル・フェミ(繰り返すが、これをフェミとは認めたくない)の主張は、政治的にだけでなく、原理的にも無謀だ。
2014-03-12 18:45:35権利と義務は必ずしも表裏一体ではない。人権は特にそうだ。とはいえ、人権以外の権利はかなりの部分が義務と表裏一体である。何故なら、リスクとチャンスの多くが表裏一体だからだ。リスクから保護されている人間は、必然的にチャンスを掴む能力を身に着けにくい。
2014-03-12 18:46:01例えば、私が教育実習の頃(当時は気付かなかったが)、女性実習生は『常習暴行犯である生徒』から遠ざけるという差別を受けていた。結果、「酷い目にあう」リスクからは守られていたが、同時にその手の経験を積むチャンスを奪われていた。
2014-03-12 18:46:25これと好対照なのは女子校出身者の実社会で活躍する比率の高さだ。この原因は(女子校自身が宣伝文句によく使う通り)女子のみの世界なので、性別を理由に保護されるという差別がないゆえだろう。
2014-03-12 18:46:36勿論『そんなリスク≒チャンスは要らない』と言う女性もいる。元々、男性も多くは積極的に欲しがっているわけではない。何しろ、現実に若死にする確率は圧倒的に男性の方が高いのだから。
2014-03-12 18:46:51そのため、「女性に『そんなリスク≒チャンスは要らない』から、《ハーレム/聖域》にでも保護すべき。結果、無能になるけど、女の子は馬鹿な方が可愛い」という主張にも一理ある。
2014-03-12 18:47:04