【twitter小説】箱の世界#1【幻想】
不思議な箱を持っていた。その中を覗くと見知らぬ街が見えるのだ。あるときリクルは、その箱の中にサマードレスの娘を見つける。小説アカウント@decay_world で公開した少し奇妙な話です。この話は#2まで続きます
減衰世界
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リクルは彼女に声をかけようか迷った。赤の他人だったが、声をかけてみるのもいいだろう。だが、何と言って声をかければいいのだろうか。箱の中であなたを見ました? 一瞬リクルは箱のことを両親に話したときのことを思い出してしまった。 24
2014-03-01 11:33:28
減衰世界
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こんな突拍子もないことをいきなり彼女に言うわけにはいかなかった。かといって何と言って声をかければいいのかも分からない。迷っているうちに、いつの間にか、彼女を見失ってしまった。リクルは立ち止り、膝に手をつき呼吸を整える。 25
2014-03-01 11:36:06
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結局迷っているうちに機会を失ってしまった。リクルは悔やんだが、過ぎてしまったものはしょうがない。彼は元来た道を引き返した。ガードの下は闇が濃く、列車の気配もなく静かだった。 26
2014-03-01 11:38:37
減衰世界
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辺りはどんどん暗くなっていき、空には星が光りはじめた。空から見慣れた建物や公園の横を過ぎる。すると、リクルはふと視線を感じた。誰かがいるのだろうか。しかし辺りを見回してみても、誰もいない。猫すらいない。 27
2014-03-01 11:40:56
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ふと彼は上空に視線を移す。すると……彼は息をのんだ。夜空に……光る四角い窓が開いているのだ。そしてその四角い窓いっぱいに……。 28
2014-03-01 11:44:15