名古屋の掃除機の埃からホットパーティクルって?

アーニー・ガンダーセン氏の分析担当者マルコ・カルトフェン氏(化学分析会社社長でWorcester Polytechnic Instituteの博士課程終了見込み)http://bit.ly/1swaKTl が名古屋の掃除機の埃から4x10^19 Bq/kgというとてつもなく高い質量あたり放射活性を示すホットパーティクルを検出したという動画(2014年4月3日づけ) http://www.fairewinds.org/hottest-particle/ が出回った時に作ったまとめです。このデータはカルトフェン氏の学位論文の一部で、大学内の学位論文コンテスト用のポスター http://bostonchemicaldata.com/wpi/mKaltofenNagoya2014.pdf でもう少し詳しい内容を知ることができますがいろいろ不明点が多いです。雑誌Health Physicsに投稿したという氏の論文が公表され次第その内容を追加して公開するつもりでしたが、待てど暮らせど論文公表の兆しがないので公開に踏み切りました。 続きを読む
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nao @parasite2006

@SW83A 有難うございます。こちらのポスターhttp://t.co/sQRxVgGoXf の画像のいくつかはこちらの動画http://t.co/5qxK8tnfD2 にも出てきますね。カルトフェン氏は福島関連のデータを学位申請論文にして提出 @hiromiddlewest

2014-04-30 19:08:35

(引用のブログ記事に貼られているポスターは、ひょっとすると学位論文の公聴会用に作られたものだったかもしれません↓)

[2014.8.9追記]
その後このポスターは普通の学位論文公聴会用ではなく、大学が主催した学位論文(博士論文、修士論文共通)コンテストのために作られたものとわかりました。2014年3月19日(ポスターの一番下の行に書いてある日付と一致)に行われたポスターセッション形式の研究発表会の結果、カルトフェン氏も含めて最終選考に残った66名http://bit.ly/1kQiAbO が2014年4月14日の本選会で再びポスターセッション形式の発表を行い、上位3名が表彰されることになっていたのですが、大学ホームページには本選会当日決まったはずの結果は公表されていません。

nao @parasite2006

@SW83A @hiromiddlewest 3月のポスターの図の右上には"Dust Sample High Density nodule.spx"、4月の動画の図には"Dust Sample Particle 1.spx"と書いてあります。同じ試料を条件を変えて測定したか?

2014-04-30 19:33:39

(↑ボスターhttp://bit.ly/1iH9ryW の右上に出てくる粒子の走査型電子顕微鏡写真には複数の粒子が写っていますから、ポスターの左下に「名古屋で見つかった最もホットな粒子」として提示されているものと動画http://bit.ly/1pNhAXf の4:00付近とではべつべつの粒子の特性X線スペクトルを見せた可能性も考えられます。前者にはセシウムのピークはあまり見えないのに対し、後者には見えます。動画中で見せているスペクトルは他にありません)

nao @parasite2006

「名古屋のホットパーティクル」の特性X線として示された今年3月のポスターhttp://t.co/sQRxVgGoXf の図http://t.co/PYSexPOC9q と4月の動画http://t.co/5qxK8tnfD2 の図 http://t.co/SrqKw3MCzJ

2014-05-03 19:33:53
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粒子の写真

nao @parasite2006

動画http://t.co/5qxK8tnfD2 6分30秒付近で放射性微粒子の走査型電子顕微鏡写真が登場(倍率15000-25000倍、茨城県のハウスダストとあるが採取時期を明示せず。これが一番大事な情報なのに)。いずれも放射性同位体がβ線を出す物質

2014-04-30 18:25:12

(↑名古屋のハウスダストの走査型電子顕微鏡写真もあとで出てきますが、これも試料の採取時期がわからずじまいです。もっとも動画の終わり近く、15:10付近で"The good news is repeated sampling at the same location getting additional material from there, we’ve never found another particle like that. "「同じ場所で試料採取を繰り返しても、こんな粒子が見つかることはもうなかった」と言っていることから、原発事故直後に回収した掃除機の埃だった可能性が伺えます。普通なら最初にデータを見せる所で「これはいつ採取した試料だ」と言いますよ

nao @parasite2006

@Ikaushi ひとつご教示いただけないでしょうか?特定の放射性微粒子から出るα線なりβ線なりを検出して、それをもとにその微粒子がどんな放射性物質を含んでいるか調べる方法はあるのでしょうか?(α線なら写真乾板上の飛跡の長さをエネルギーの大小と結びつけることは可能と聞きますが)

2014-04-30 18:57:38
ネコ砂シャシャ(ネコウニョ) @Ikaushi

何の加工、化学処理せずに、混在する放射性核種を定性・定量する方法は無いと思います。α線は電着が必要ですし、β線は連続ですし(ご存知だと思いますが)。放射化分析とか…RT@parasite2006

2014-04-30 19:50:14

(α線を利用したプルトニウムの検出がどれほど大変かはこのまとめの「プルトニウムの検出はこんなに大変だ」の項でご覧いただけます。「電着」とは複雑な化学処理により夾雑物を取り除いたあとの試料を金属メッキの要領でステンレス板の表面に付着させる操作を言います↓)

nao @parasite2006

@Ikaushi 明快なお返事ありがとうございます。だとすると、こういう写真http://t.co/kTryqBmdlX だけではここにプルトニウムがあるという証拠にはなりませんよね。

2014-04-30 20:45:38
olivenews @olivenews

肺の中のホットパーティクルの写真 (ベラルーシ大学・放射線化学研究科教授ペトリャエフ氏撮影) 死んだ人の肺300人分を検査して70%から検出 (日本では調査されていない) http://t.co/wK1CE5LyZ4

2014-03-31 09:23:34
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(元はこの1990年の朝日新聞の記事。肺の組織切片を写真フィルムにのせ感光させています↓)

西 美智 @nishi_michi

1990年7月9日の朝日新聞 「交通事故や一般的な病気で死んだ11~70歳のチェルノブイリ周辺住民200遺体の7割の肺からホットパーティクル。ホットパーティクルは死ぬまで肺に留まる」 http://t.co/bJaaSdDK

2012-09-02 04:37:26

微粒子の質量で割ったらいくらでも大きい値が出る

Masato Ida, PhD @miakiza20100906

40,000,000,000,000,000,000 Bq/kg とかいうホットパーティクル http://t.co/LzADmQr5dK  1 kg当たりの値が異常に大きくなっているのは、微粒子の極々小さい質量で割ったからだろう、多分。

2014-05-01 22:58:09

(↑引用の記事でも、カルトフェン氏が2014年3月に公表し問題の微粒子の質量あたりのベクレル数を一方的に発表しているポスター発表http://bit.ly/1kstpg2 の中にも、問題の微粒子の質量をどうやって測っていくらになったという話はどこにも出てきません。次のツイートで紹介されている日本の気象研究所の論文では、放射性微粒子の密度を2.00 g/cm3と想定して電子顕微鏡で測定した球状の微粒子の直径からこの微粒子の質量を求め、γ線スペクトル測定により求めたBq数からCsの質量がこの微粒子の質量に占める割合を5.5%と算出しています)

Masato Ida, PhD @miakiza20100906

1粒子当たりでは 310 Bq とか。これだけ見ると高いけど、この Bq はどうやって評価してるんだろう? Adachi ら(2013年) http://t.co/kO3g6JWRMc の粒子は、1粒子当たり、Cs のみで一桁 Bq 程度。 @miakiza20100906

2014-05-01 22:59:42
リンク t.co Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident : Scientific Reports : Natu The Fukushima nuclear accident released radioactive materials into the environment over the entire Northern Hemisphere in March 2011, and the Japanese government is spending large amounts of money to clean up the contaminated residential areas and agricul

↑これはつくば市にある気象庁気象研究所から2013年8月30日に発表された論文で、掲載雑誌がNatureの発行元が出しているオープンアクセス誌Scientific Reportsですのでだれでも無料で読めます。福島第一原発から放出された放射性微粒子の研究をカルトフェン氏と基本的に同じ方法で行っていますので、これに目を通して方法を頭に入れてからカルトフェン氏のデータを見直すとよいと思います。特に放射性微粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)観察の手順を試料調製法からさかのぼって説明している補足図4(補足データファイルhttp://bit.ly/1nSrKUE p.5)は必見です。
 著者らは2011年3月14日〜3月21日に石英ガラスの繊維でできたフィルターを使って気象研究所の屋上で大気中の放射性微粒子を捕集し、フィルターの一部を切り出してイメージングプレートに載せて感光させ放射性微粒子を検出しました(図2http://bit.ly/1sC4SYT 。この方法をオートラジオグラフィーと言います)。
 オートラジオグラフィーで黒い点が出たところに対応する部分をフィルターから切り取って(粒子1個を取り出した試料ができたところでγ線スペクトルやβ線スペクトルの測定ができます)走査型電子顕微鏡写真を撮影し、同時に粒子の特性X線分析を行ってどのような元素が含まれているか調べました(図3http://bit.ly/1sC4r0z )。その結果1個の粒子(図3a、3b)からCsが検出されました(図3dが特性X線スペクトル)。この粒子は水と接触(water exposure)させたあとも形・大きさが変わらなかったので、著者らは水に不溶性の固体粒子と判断しています。
 余談ながら、3月20日〜3月21日は大気中の放射性物質濃度が14-15日と同じくらい高かったのに(図1)、オートラジオグラフィーで検出された微粒子の量ははるかに少なく(図2)、フィルター全面が薄黒くみえます。フィルターの特性X線分析の結果、全面にアルミニウム原子とイオウ原子が分布しているのが観察されたことから(補足図8c、補足データファイルp.10)、著者らはこの時期に放出されたセシウムは3月14-15日の1回目の放出の時とは違って、主に直径1μm以下のエアロゾル(例えば硫酸ミスト)に付着した状態で大気中を移動したのではないかと考えています。

[2014.8.9追記]
その後気象研の人たちは東京理科大学の中井泉教授の研究室と共同でこの3月14-15日に捕集された放射性微粒子3個を播磨科学公園都市のSPring-8に持ち込んで分析し、続報論文http://bit.ly/XETLVx を発表しました。
Abe Y, Iizawa Y, Terada Y, Adachi K, Igarashi Y, Nakai I.
Detection of uranium and chemical state analysis of individual radioactive microparticles emitted from the Fukushima nuclear accident using multiple synchrotron radiation X-ray analyses.
Anal. Chem.
DOI: 10.1021/ac501998d
走査型電子顕微鏡付属の蛍光X線分析装置ではせいぜい10 keVまでしか蛍光X線スペクトルをとれないのに対し、SPring-8では60 keVという高いエネルギー領域までの蛍光X線スペクトル測定が可能で、従来の蛍光X線分析では検出が難しい質量数の大きな重元素も検出できます。http://bit.ly/1A0wVpb この方法を使って、気象研で捕集された放射性微粒子からウランが検出されました。また他の方法による分析から、放射性物質は規則的な結晶構造を持たないガラス状の固体として存在していることが明らかになり、著者らは高温で溶けた後急激に冷却されてできたのではないかと考えています。
なお、蛍光X線分析は原子核のまわりを回る電子の挙動がX線照射によってどのように変わるかを見ることによってどのような元素が存在するかを知る方法で、内側の原子核の質量数の違いはわかりません。従ってどの同位体が存在するかは他の方法(放射線測定、質量分析)で調べる必要があります。

Masato Ida, PhD @miakiza20100906

 (うーん、なんか Bq/kg の方の桁がおかしい気がする。計算まちがえてない?これ)

2014-05-01 23:19:59
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