林衛氏の【被害を出した大川小、被害の出なかった相川小と雄勝小。裏山の条件に違いはあったのか。裏山登り比べ】まとめ

2011.3.11 東日本大震災の津波で、すぐに裏山に逃げずに児童108人の7割に当たる74人が死亡した石巻の大川小。一方、もっと条件の悪い近隣の相川小、雄勝小の二校では、三階まで波を被りながら、学校にいた児童全員が山に登って無事だった。大川小の裏山は登りにくかったのか? 科学コミュニケーターの林衛氏が、現場に行って裏山登り比べを実施。
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林 衛 @SciCom_hayashi

津波到達前の避難に成功した雄勝小の裏山写真1 「3次避難」場所だった新山神社。詳しい避難ルートがわからなかったので,今回は,左手の社に進むこととした。 pic.twitter.com/u5iet3YaY0

2014-06-13 22:49:57
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津波到達前の避難に成功した雄勝小の裏山写真2 社から小学校敷地跡(右端),細い平野部,雄勝湾(左側)を望む。左手の社付近まで激しい浸水の跡が残る。ここから裏山に入っていくこととした。 pic.twitter.com/6zT1PwRJv5

2014-06-13 22:54:35
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津波到達前の避難に成功した雄勝小の裏山写真3 あんまり整備されていないがどこについているのかわかるといった登山道といえばよいのか,緩い坂道をたどる。足下がふかふかなのは,大川小の裏山とそっくり。 pic.twitter.com/j8Z0DE93t5

2014-06-13 22:59:40
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津波到達前の避難に成功した雄勝小の裏山写真4 緑の葉がついたものもある比較的新しい倒木に行く手を何度も阻まれる。被災時には,もう少し通りやすかったのだろう。震災後に間伐がされなくなってしまったのではないか。 pic.twitter.com/VrpCdgqWpl

2014-06-13 23:10:12
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大川小事故検証委員会報告書によれば,雄勝小は2階建て校舎が水没,新山神社へ避難。忠魂碑へ移動…津波の来襲を目の当たりにしてさらに高い場所へ逃げる必要性を感じ,山頂に道が通じていることを知っている教員の判断で山頂へ向かい,さらに奥のクリーンセンターまで1時間程度登ったとのこと。

2014-06-13 23:16:44
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雄勝小と大川小を比較すると… 雄勝小:マニュアルでは少し高い学校隣の神社が避難場所だったが,津波を目撃し,1時間も山登り(今回はその入り口付近だけ確認)。児童37名と大人。 大川小:児童70名以上いたがたたき台までならばすぐ,急斜面あるが林道まで14分,峠までいく交通手段あり。

2014-06-13 23:22:33
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ついで北上川北岸を進み,追波湾に面した相川小裏山。 小学校から高台にある旧中学校地を利用した子育て支援センター(保育所)まで登った。航空写真でもわかるとおり,一般道経由でもすぐだが,ほんの数百mで到達できる目標地点があった。 pic.twitter.com/FyB0oWQydB

2014-06-13 23:41:02
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相川小裏山2 左に学校。学校の右手と左手を両方探ったところ,この右側に登り口があった。ここから高台をめざしたのだろう。 pic.twitter.com/Odj8C7RFE6

2014-06-13 23:47:41
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相川小裏山3 足下ふかふかは,大川小の木立のある裏山,雄勝小裏山と似ている。間伐されていないよう。獣道らしき場所をたどり始めると,やがて右手が明るくなる。 pic.twitter.com/fLe9vWitFj

2014-06-13 23:52:59
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相川小裏山4 明るい尾根筋までは道なき急斜面。子どもたちははってよじ登ったという。よじ登ったと思われる斜面を,尾根筋から見下ろしたカット。 富山県にある国立立山青少年自然の家のとんとんの森の急斜面でも,幼稚園児がよく楽しんでいるな。 pic.twitter.com/x8GsETJX57

2014-06-13 23:57:34
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相川小裏山5 尾根筋には,こんな道がついていた。そこを奥に向かうと… pic.twitter.com/Cc0wqkjk0c

2014-06-13 23:58:53
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相川小裏山6 すぐに,保育園がみえてきた。大川小生存教員(教務主任)は,相川小在籍時にに裏山への避難ルートをマニュアルに定めたという。大川小事故検証委員会報告書によれば,「15時30分頃には21人の児童が校庭にいた…」 pic.twitter.com/tN1A7DZq8o

2014-06-14 00:02:32
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林 衛 @SciCom_hayashi

続き… 「教師の一人が自分の車を校庭に移動させ、ラジオのボリュームを上げて共有。また、防災無線でも大津波警報を聞き、訓練していたとおりに学校の裏山へ避難。 そこからさらに山を登れば山頂の子育て支援センターへ到着することを知っていた教員の先導で山を登った」 とのこと。

2014-06-14 00:04:12
林 衛 @SciCom_hayashi

相川小と大川小を比べると 相川小:津波をみる前に登った。マニュアルに学校のお隣の裏山が書いてあったが,ゴールは近く,建物があった, 大川小:津波来襲直前と同時に移動。マニュアルには高台とあるだけで,避難先は具体的には決まっていなかった,学校敷地内ともいえそうな「たたき台」あり。

2014-06-14 00:11:17
林 衛 @SciCom_hayashi

大川小生存教員は,校庭避難後に,1階ではなく,2階を避難場所として検討したと証言している。 これは,津波浸水ありと考えていた証拠だといえる。大川小の教員に危機感がなかったというのはまちがいだ。 山に入ったあと1時間も歩いた雄勝小に比べ,大川小はすぐ近くに避難できる場所があり便利。

2014-06-14 00:54:45
林 衛 @SciCom_hayashi

大川小事故検証委と理研改革委を比べると, 将来への教訓などとして,今回の事態の分析,評価を避けた大川小検証委に対し,今回の大問題への分析,評価に踏み込んだ点で理研改革委は当然の役割をはたしたといえる。 理研改革委は,今回のケースを特殊事例だとして扱っていないか??

2014-06-14 10:09:42