特撮は「ミニチュア」に非ず、特撮は「一発撮り」 ~トクサツ原理主義者のつぶやき

「特撮=ミニチュア」とする単純化固定概念が、否定論も肯定論もその軸足を狂わせる原因になっている! 画面の法則を分かつ根本は「一発撮り」/「多重合成」。 …などと思うトクサツ原理主義者のつぶやきです。 #特撮映像の「一発撮り」と言う言い方は世間的には多分ありません。”多重録音しない”の意の音楽用語を当てはめて使っています。
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田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし現代において”ジェットコースター”的映画を見る行為は、「映画を見る」と言うよりも、それ自体が「”こう言う映画が面白いと主張するメタ映画”を批評する」行為にも見えてしまう。つまり「知的過ぎる」。わざわざ”点数”をつけたくなるのもそのせいでは。ホントに「見たい」んですか。

2014-07-24 17:20:59
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)映画に「白と黒」しかなかった時代は、「特撮」とは「VFX」の概念を全て含むもの。今思えば「カラー」になった時から概念の分離が始まっていた。色があると大くの場合「ミニチュアだとバレる」。現実ではないと観客が”覚醒”してしまう。技法の停滞がスターウォーズへの「負け」となった。(続

2014-07-24 17:59:15
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかしスターウォーズの直前期(1970年代前半)にミニチュア特撮がしょっぱく見える様になっていたのは、技術の停滞と言うよりそれを招いた予算不足(映画産業・経済の衰退)のためだった。自分はこの時代の東宝特撮より後で昭和30年代の初期作を見て、その絢爛豪華さに驚いたものだ。(続

2014-07-24 18:04:09
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)昭和30年代の絢爛豪華なカラー東宝特撮には「本物と区別できない」VFX性が有ったから凄かったわけではない。まず見紛う事は無い。やっぱりミニチュア。ただ「本物に似せる」意思、技巧が尋常でなかった。奇術でなく、ネタを知った上で「よく出来ている」と心を動かす迫真性が「表現」の核心。

2014-07-24 18:12:14
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)円谷英二も白黒映画時代は「VFX」として特撮を撮っていたと思うが、カラー+シネスコ化によって映画の「見世物性」が高まった時、特撮の持つ「表現性」に自覚的になった部分はある気がする。カラーならどうせバレる。騙し切れない。ゴジラもウケた。ならば”見世物”として趣向を凝らそう、と。

2014-07-24 18:20:03
怪奇・ホラー漫画&児童書bot @HORRORmanga_bot

「大怪獣モスラから トリック映画はこうして作る」 中学生画報1961年06月号掲載 pic.twitter.com/PJtU5yHIFS

2014-08-05 15:47:23
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怪奇・ホラー漫画&児童書bot @HORRORmanga_bot

「大怪獣モスラのセットを訪ねて」 小学生画報1961年06月号 pic.twitter.com/kzvpe5ci4P

2014-08-05 16:00:42
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田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)特撮の中でも「怪獣もの」は映ったそばから「現実の世界でない」宣言をしているので、「お約束性」が強い。カ「ラドン」「モスラ」にはカラー化しても特撮画面をギリギリまで現実に近付ける”凄味”があったが、「モスラ対ゴジラ」の頃から”見世物”化が進行する。

2014-07-24 18:30:09
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)日本の特撮は怪獣の”キャラ性”が人気の中心となったために、画面を「ギリギリまで引き締める」努力が予算低下の中で先に捨てられてしまった。昭和30年代の「宇宙大戦争」「世界大戦争」の様な、”怪獣でない”特撮に発展の機会が乏しかった事が心残り。可能性は「もっと広かった」はず。

2014-07-24 18:35:17
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)”見世物”である事を自覚した怪獣映画がシネスコ画面にその技巧を凝らした時、それは映画であるのに”錦絵”の様な過剰さを帯び始めた。現在のVFXの「過剰さ」にも似て。”特撮”が自分を「怪獣のためのお約束」だと”覚醒”してしまったために、そこに「自堕落」になる種が蒔かれてしまった。

2014-07-24 19:25:32
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)怪獣はTVにも猛威をふるうが、高度成長が終わる頃には粗製乱造を極めた様な安普請のミニチュアまでが子供にその姿を晒した。肝心の怪獣だけで大予算、あとはテキトー。しかしその”ようす”は、錦絵の様な豪華怪獣映画からは気づきにくかった「特撮とは何か」のシンプルな表現でもあった。(続

2014-07-24 19:32:43
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)”表現としての特撮”とは『かぐや姫の物語』でも行われていた様な心理作用を持つ「積み木遊び」「箱庭遊び」「盆栽」「縮景」「庭園」であり、それを”そのまま映す”事によって見る者の心と繋がるのだと。もはや技巧と呼べるほどの手間もかけない画面から、その”初心”がむき出しになっていた。

2014-07-24 19:40:39
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)”絢爛豪華な見世物怪獣映画”は照明の不自然さをあまり気にしない。フィルムの感度も弱いし、俳優を映す様に全てクリアな方がいい。…やはり不自然な画面になるが、しかしなお「自然」だ。”撮影している場所を見ている”。世界の統一性がなお保たれている。”撮った場所”への想像が浮かぶ。(続

2014-07-24 20:25:25
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)デジタル合成を重ねて出来上がるVFX画面に映るパーツは、ほとんどの場合存在時空も大きさもバラバラ。つまりは「一画面が絵空事」。それを馴染ませようとして絵葉書の様な画面になってもやはり「絵空事」に見える。絵空事なら漫画やアニメの様な表現を志向するはずだが、「実写」の顔をする。

2014-07-24 20:38:24
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)無論フィルム時代の特撮にも「合成」はあったが、「ミニチュア」とはかなり世界観の異なる技法。予算もかかり「どうしてもと言う時」の一手であり、画面の違和感も消せなかったので、全体の中でのカット数は極くわずか、目立たなかった。特撮ファン的には「直ちにお約束として了解し忘れる」感じ。

2014-07-24 20:45:22
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)一方、合成の中でもキングギドラやウルトラセブン等の光線の”作画合成”はその実写画面とのマッチングの高さが飛びぬけていた”特異点”。飯塚貞雄氏個人の才能に負う所が多そうだが、これは特撮の枠を超えて、長く”世界最高”だった。”VFX”の範疇に入るものだと思う。

2014-07-24 20:51:45
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

補)飯塚定雄氏らの”作画合成”で良く考えると不思議なのは、”光線”であるにも関わらずその流れが見える=非常にスピードが遅い事だ。稲光を見ても、現実には有り得ない。この有り得なさが逆に実写画面との類を見ないマッチングと画面の生気を生んだ。”リアル”な発想からは出て来ない。

2014-07-27 20:03:10
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)飯塚氏がキングギドラの光線作画で用いた工夫は、光線の到達と実写画面での弾着(爆発)に少し「間」を空けている事だ。誘爆に時間がかかる、と言った特殊な状況を除けばこれも現実には殆どないだろう。画面に”重さ”、生命感が加わる。言わば”気”の様に光線を表現している。非リアルの発想。

2014-07-27 20:10:02
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)海外SF映画ではこんな非リアルな光線を積極的に描くと言う発想が出にくかったために、日本特撮の「作画合成」は長く目立ったのかも。もっともアメリカではむしろ先んじて試してはいた。超未来が舞台の『禁断の惑星』(1956)ではディズニー系のアニメーターが「イドの怪物」を作画している。

2014-07-27 20:35:31
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)『禁断の惑星』は日本のSF・特撮にも大きな影響を与えた名作(科特隊のユニフォームも多分これがモチーフ)だが、イドの怪物や光線の作画はちょっとアニメ的過ぎて浮いている感もある。この点は飯塚氏の勝ちと言う事にして良いのでは(笑。

2014-07-27 20:39:47
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