rsbs日誌#8

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌 アルストツカ小話。「さて…ひとつ問題事があるわけじゃが…」口許を組んだ手で覆い隠しながら提督は仰々しく切り出した。「問題とはなんだ？司令官」朝の鍛練を終えた那智が問い掛ける。「うむ。武蔵の服がない」『あぁ…』全員は納得した。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話２。「ここはアルストツカ。帝国海軍の艦娘が堂々と闊歩しておったらマッハでしょっぴいてやんよ。と言われても仕方はないのじゃ。」「しかしどうする？彼女の体は…」すやすやと眠る武蔵を４人は見つめた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話３。デカイ。彼女はデカイ。２メートルを優に越える。キングサイズのベッドからはみ出しかねないサイズだった。「服のサイズがあるのか見当も付かん。どーしたもんじゃろうなー…」やれ困ったと提督はだらけた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話４。かといってこのまま出不精を決め込むのは詰まらない。提督としても武蔵にうまい飯のひとつでも食わせてやりたかった。また、ここアルストツカは共産主義だが、街並みなども美しかった。観光せず帰るなど愚の骨頂である。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話５。と言う訳で。急遽ホテルの従業員にデカイサイズのある服屋は無いかと問い掛けた。幸いアルストツカの男性の平均身長はデカイ。一番大きなサイズならばなんとかなる…だろう。微妙に不安が過ったが４人は無かった事にした。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話６。榛名と叢雲を置いて(口は悪いが叢雲は面倒見が良いのだ)提督と那智は外出した。ホテルの従業員もとい、アルストツカ海軍の衛兵に何処其処に行くと告げて。「時に銃の所持は認められるかや？」「こちらをどうぞ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話７。抜かりなく、提督と那智は所持免許を貰った。偽造だが。雪がちらつき寒い。東欧の独特の街並みが白く彩られ美しい。しかし二人はサッサカ歩き出した。ぶっちゃけるとホテルは暇の極みだから早く全員で出掛けたいのだ。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話８。足早に店に到着しテキトーに衣類を物色し終えた提督と那智はサッサカホテルに帰っていった。部屋では提督が居ないとぐずる武蔵を叢雲が慰めていた。デカイ子供だ…いや享年を考えれば無理もないのだが。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話９。榛名持参の日本茶で慰めた武蔵に服をテキトーに着させて身支度を整えさせた。デカイジャケットやズボン、ダッフルコートに帽子とどう見ても武蔵が不良に見えない服装になったが気にしないことにした。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話10。そして出掛け先のレストランで話をしていたのが前述のグラタン云々である。武蔵はデカイ。デカイから良く食う。ビフテキ、グラタン、ピラフ、スープスパと４皿も食った。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話11。その様子を懐かしそうに榛名は眺めていた。戦艦時代、共に戦線に立った事もあっからだろうか。那智は出来の悪い妹を見守るようであったし、叢雲は面倒見の良い口煩い姉その物だった。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話12。他にも食おうとする武蔵を一旦止めて彼女らはレストランを後にした。「武蔵や、美味い物は飯に限らん。軽食や甘味も美味いぞ。この国は」「本当か！美味いのか！」「故に観光と参ろうではないか。先ずは美術館か」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話13。アルストツカ海軍の、監視と言う名の歴とした護衛兵たちを散々ハラハラさせながら５人はぶらついた。路面電車は武蔵に懐かしさを覚えさせたし、叢雲は行く先々でアクセサリを物色した。「姉妹達の分よ」ツンデレである。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話14。美術館では受付を散々びびらせた。反乱軍の処刑パレードで客は来ないだろうと思えばSAN値が下がる程の美少女を先頭に、付き従う美女３人にデカイ女が１人だ。びびらない方が可笑しいだろう。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話15。美術観賞はしかし、武蔵には受けが今一だった。「綺麗だとは思うが何が凄いのかよく判らん」とバッサリ切り捨てた感想に提督は笑った。意外と食い付きが良かったのは叢雲と那智だった。「好きだぞ、美術は」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話16。曰く、「彫刻とかは力強くて好きだ。他愛ない木材や岩から形を産み出すのが良い」私物の携帯電話を見せて貰うと妙高、足柄、羽黒の彫像があった。無駄に上手い。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話17。叢雲はと問うてみれば「頭ガッチガチより教養のある兵士の方がいい兵士になれるでしょう？」と他愛ない返事を返したが「趣味で水彩画をやっていたろう」と那智に暴露され飛び蹴りを彼女に叩き込んでいた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話18。「榛名はどうじゃ？」じゃれる駆逐艦と重巡を置いといて提督は問う。「技法などは全く良し悪しが分かりませんけど、なんとなく背筋がぞわぞわするものとしないモノがあります」「そうかや」「提督はどうなんです？」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話19。「がはははは！全く判らん」４人はずっこけた。「じゃが、見るのは好きじゃ。誰かの創作物は見るだけで楽しい。なんか凄い。なんか面白い。芸術などはそんなので良いのじゃよ。こねくり回した学問にしてもうたら全くつまらん」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話20。「わしの知り合いにも『音楽が楽しくなくて【音学】と綴って教師に怒れた』と言うとった奴がおったからなー。技法だ何だに固執してこねくり回したらとたんにつまらなくなるもんじゃよ。好き嫌い、楽しい楽しくないぐらいで良いんじゃ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話21。美術観賞を終えた彼女らは甘味屋に入った。焼き菓子が多いがしかし、僅かだが生クリームなどで彩られたケーキなどもあった。「好きなものを選んでよいぞ。ただし５つまでな？」個数を制限された武蔵は酷く狼狽したが、楽しそうに菓子を見つめていた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話22。「大きな犬ね…」砂糖の入っていないミルクティーを飲みながら叢雲は呟く。「叢雲！このくりぃむとやら、甘くてふわふわだぞ！すごいぞ！」「口元に食べ滓が着いてるわよ、全く…じっとなさい」ハンケチで拭いてやる叢雲の姿は様になっていた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話23。斯くして食い歩き、買い歩き、笑い声を上げて数日を過ごした。４日目、提督らはアルストツカ海軍に招かれ、写真を撮影した。提督が他の軍人と談話の間、暇をしていた武蔵は模擬戦に明け暮れた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話24。「あんた本当にレベル10にも満たないの？バッコンバッコン当ててってるけど」模擬弾を用いた模擬戦闘と言えど、45センチ砲は扱いが難しい。しかし武蔵は気にも止めなかった。「砲弾の射線が見えるからな！」「あ、そう…」