rsbs日誌#8

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌 アルストツカ小話25。軍務を終えた５人は再びホテルに帰った。次は戦争博物館へと訪れた。武士としての血色が強い提督の艦娘には受けが良かった。バカ受けである。武蔵には装甲列車が酷く受けていた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話26。「提督！見ろ！陸上軍艦だ！なんだあれは！凄いな！」「ああ、装甲列車じゃよ。線路の上を走る移動砲台じゃ。陸上戦艦と言うのも強ち間違ってはおらんよ」「面白いな！色んな形がある」「他にもあるぞよ。陸上戦艦」「それはどんな物だ？」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話27。きらきらと目を輝かせる武蔵に提督はもったいぶる様に間を置いて、そして呟いた。「多砲塔戦車じゃ」提督が指差したその先には巨大で、無骨な錆び掛けの鉄の塊が静かに鎮座していた。「デカイな。軍艦のようだ！」「そもそも戦車は海軍が作ったんじゃよ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話28。提督の他愛も無い薀蓄は続く。「発想は正に陸を行く軍艦じゃ。塹壕と有刺鉄線と言う大海と荒波を超えんとして作られた、陸上の戦艦じゃ」「確か、金剛お姉様の祖国で…でしたね？」「うむ。トンデモ兵器製造国家のイギリスの貴重な大当たりの兵器じゃよ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話29。「まぁ、戦車は成功したが多砲塔戦車はオオハズレも良い所でなぁ。デカイ重い高い使えない動けないすぐ壊れるとカワイソーな兵器なのじゃよ。あれはフランスの2C重戦車。向こうのは某国の悪役戦車じゃな。輸出モデルの」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話30。「…無念を感じるな」「じゃろう。同じ兵器としてその気持ちは強く伝わってくる…じゃが、世の中にはひねくれモノが居るでなぁ？」にやにやと提督は口角を吊り上げた。武蔵はキョトンと首をかしげる。遠くから何やら物々しい重低音が響いてきた。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話31。重低音は見る見るうちに近づいてきた。そしてやや離れた広場を、爆音を撒き散らしながら走り抜けていく多砲塔戦車の姿があった。独逸のPKF NbFzとT-100重戦車であった。4人はただただ呆然と見つめ、提督はゲラゲラと大笑いする。

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#rsbs日誌 アルストツカ小話32。「いやはや。何時見ても愉快痛快じゃ。快速に動き回る多砲塔戦車と言う奴はなぁ」「司令官！なんだあの物理法則を無視したような多砲塔戦車は！」那智が素直に問いかける。見てはならぬ物を見たかの様に。「そりゃ、魔改造した多砲塔戦車に決まっておろう」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話33。「V型12気筒DOHCツインターボＴ-レックス改エンジンのダブルエンジンじゃ。超重戦車マウスとてドリフト出来るぞ」「…えげつないモノを見たわ」「何を言う。わしの戦車友達の見事な作品じゃろう。まぁエンジンはわしの私物じゃが」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話34。「戦車乗りの友人…提督は、元陸軍の方だったのでしょうか？」榛名の問いかけに、提督はゆっくりと首を振る。「いんや、わしは元々空の人間じゃ…」「空の…航空隊か？」那智の言葉に懐かしげに目を閉じる。「ただの、戦闘機乗りじゃよ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話35。「さて…昔話はいずれ、な？今は楽しめ。もうそろそろしたらカリーニン　K-7のフライト時間じゃ」懐中時計を取り出し、提督は楽しげに呟く。「…そのカリーニンって、何？」叢雲はおっかなびっくり尋ねた。「ソビエトの巨大飛行機じゃ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話34。提督が簡潔に説明するや否や、頭上を爆音が駆け抜けていく。全幅５０メートルを超える、巨大な鳥が地面に大きな影を作りながら。「…あれも提督の知り合いなのか？」武蔵が頭上を飛んでゆく怪鳥を見つめながら呟いた。「そうじゃよ。わしの大事な友人じゃ」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話36。「わしはキチガイじゃからなぁ…こうして、一緒に遊んでくれる友人はとんと少ない…友人や仲間は、大切にせねばならんぞ？どんな下らない間柄でもよい。互いがおっぱい愛好家であったとしても、笑い合える存在と言うのは何よりも貴重なのじゃから…」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話37。「…感動の場面で悪いのだけど、あのデカブツ。あれも魔改造したんでしょう？」「かかか！大当たりじゃ！ミクーリン AM-42に排気タービンをぶち込んでパワーアップさせてあるのじゃよ」「ほんっとーに馬鹿だわ…あんたって…」

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#rsbs日誌 アルストツカ小話38。しかし、と叢雲は心中にて思う。この様に単純で馬鹿で真っ直ぐだからこそ、この提督は慕われるのではないかと。自分も、こんな馬鹿だからこそ今もこうして付き合い続けているのだと。本人には、絶対に言うつもりはないのだが…

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#rsbs日誌 帰還である。アルストツカでのささやかな休暇は楽しかった。武蔵に気に入られたらしい叢雲はややぐったりしていたので後で物静かな面々で気軽な遠征任務を組んでやろう。

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#rsbs日誌 空路の旅は些か疲れる。航路は深海棲艦に制圧されているし、空路も高速かつ、高々度を飛ばねばならない。もしくは島と島を繋ぐ安全圏を宛ら大航海時代のように飛ばねばならぬ。よって…

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#rsbs日誌 「…提督…空は…怖いぞ…うぷ…」気流に揺すられ空酔いした武蔵は目に見えて青い顔をしていた。今後のトラウマにならなければ良いがと切に願う。何処ぞの特攻野郎の様に。

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#rsbs日誌 わしが今回ボーイングスキーを選んだのも、何も趣味ゆえにではない。手持ちで長距離を高々度で飛べる機体があれぐらいしか無かっただけなのだ。提督業をやるのも苦労が掛かる。海運が主業務のHCLIは業績に大打撃じゃよなぁ…

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#rsbs日誌 件のボーイングスキー、ツポレフTuｰ4だが手に入れるのに苦労したもんじゃのう…。デカイから空輸は難しいスゥパァグッピィのやうな大型輸送機はとてもでは無いが借りられぬ。かと言って海路は時間を食いすぎる。ならば…？

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#rsbs日誌 残された手段は現地で組み立てる他有るまい。二束三文で買い取り、貸し倉庫に押し込み妖精さんに最低限の魔改造を施させて離陸。専らやったのはインテグラタンクの復旧と補強、エンジンの載せ変えじゃが。

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#rsbs日誌 ロシア人も驚いた事じゃろう。ヨレヨレのツポレフがヨタヨタと飛んでいくのを見て。帰りも帰りで苦労したがなぁ…途中深海棲艦の航空機に食い付かれた時は背筋が冷えた物よ。龍驤が撃ち落としてくれなんだら地獄を見たじゃろう

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#rsbs日誌 「やぁ君ー。向こうで無茶したそうやないか？うん？」噂をすれば。龍驤が羽織を肩にかけて歩いてきた。「なんや、あっちでちょいと話そうや」幼げな顔に見合ぬ老獪な表情で彼女は言う。わしらは二人、工廠の隅へと歩いた。

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#rsbs日誌 人気のない場所に、屋根と椅子だけの休憩場がある。傍らには一斗缶の灰皿もあった。龍驤とわしは煙管を取り出し、火を灯す。「馬鹿な事したそうやないの。大丈夫なん？」無論、検査は受けるとも。「アホ。その検査はウチと初春がするんやろが」

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#rsbs日誌 「榛名がえらい心配しとったで？えれぇ血ぃ吐いたっつーてなぁ…」武蔵の中で己を曝したんじゃ。「……はあ！？」ポカンとしてから驚愕の声を上げる龍驤。「アホや！マジモンのアホやアンタ！ナニ考えとるん！」無論、武蔵を救いたかっただけじゃ