特別警報や避難勧告などについての法規定をみてみる
避難指示には法的強制力があって、避難指示の対象になった人は避難指示に従わなければならないと解釈されているね。行政行為の「下命」の仲間だよ。もっとも、避難指示に従わないことに対する罰則はないし、強制的に移動させられることもないから、自分の判断でその場に留まり続けることはできるかな。
2014-08-10 10:27:57市町村長が避難勧告、避難指示を出すときには、避難先として指定緊急避難場所を指示することができるよ(災害対策基本法60条2項)。「ここへ逃げてね」って指示することもできるってこと。 指示まではせずに「ここへ逃げてもいいよ」って、避難先の一つとして避難場所を紹介することもできるね。
2014-08-10 10:36:07逆に、外へ逃げるとかえって危ない場合には、一定の地域にいる人に対して「屋内での待避等の安全確保措置」っていうのを指示して、「屋内にいてね」って指示することもできるんだ(災害対策基本法60条3項)。
2014-08-10 10:36:45(3)避難準備情報
そして、避難勧告をするには至らないけれども人的被害が発生するおそれがある場合に出されるのが避難準備情報だね。「避難するのに時間がかかる人(身体障害者の人やお年寄りなど)はもう避難し始めてね。それ以外の人も避難できるよう準備を始めてね」って内容で出されるんだ。
2014-08-10 10:45:33この避難準備情報の発表は法令には直接根拠となる規定がなく、市町村が個別に定めた地域防災計画(災害対策基本42条)などに基づいて出されているよ。 避難準備情報の発表は避難勧告よりもさらに弱い行政指導、または単なる情報提供としての性質をもつ行為だろうし、法令の根拠がなくてもできるね。
2014-08-10 10:52:44災害対策基本法には避難勧告、避難指示以外にもほんとにいろんな措置が定められているから、興味のある人は見てみてね。 law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S…
2014-08-10 10:53:453 避難の判断など
今、特別警報まわりと避難勧告まわりの規定を概観しても分かるとおり、特別警報や避難勧告などを出す段階では気象庁と市町村は基本的には別々に動いているんだ。割り当てられている役割や権限が違っていて、それぞれがそれぞれの目的をもって個別に動いているね。
2014-08-10 10:58:04必要に応じて連絡を取ったりはするんだろうけど、たとえば特別警報と避難勧告が連動して出される仕組みには必ずしもなっていない。市町村が「特別警報が出されたら、出された地域全域に即刻避難指示を出す」って運用をすることはあり得るとしても、制度的に担保されているわけじゃない。
2014-08-10 10:59:27特別警報と避難勧告・避難指示の出され方が連動していなくても……たとえば特別警報が出されていないのに避難指示が出されていても、別におかしなことだとは言い切れないんだ。 もともと別の機関が出すものだし、特別警報が出ていなくても急いで避難する必要があるって場合はあり得るだろうし。
2014-08-10 11:03:54【補足】 「特別警報が出されていないのに避難指示が出されている」ってことは十分あり得ることだよ。気象庁と市町村とがそれぞれ別に判断することだし、出すために考慮すべき要素、満たすべき要件もそれぞれで違うだろうから。 誤解する可能性があるってご指摘を頂いたから、改めて強調しておくよ。
2014-08-10 14:28:24特別警報も避難勧告・避難指示も多くの人に向けて出された情報だよ。その情報を踏まえて個々人がどう行動した方がいいかは、個々人の判断に委ねられている。それに、個々人が避難した方がいいかは、その人の周囲の状況を把握できるその人自身やその人の身近にいる人が一番適切に判断できるだろうね。
2014-08-10 11:07:43【行政機関の出した情報を漫然と受け止めていると自分にとって重要な情報をスルーすることもある】ってことが、わたしの言いたいことだよ。後で「あのとき避難をきちんと検討していれば、あんなことにはならなかったのに…」ってことは避けたいだろうし、そうなりたくなければ検討してみる必要はある。
2014-08-10 11:08:33最後に、このツイートを引用して連続ツイートを終えることにするよ。 twitter.com/admi_tan/statu…
2014-08-10 11:12:03個人の不幸が積み重なって、それを教訓にして生まれるのが行政法や他の法令による規制だよ。始まりは個人の素朴な不幸なんだ。そういう不幸が積み重なって「それって社会全体で何とかするべきかも?」って議論が始まって、遂には行政規制すら出来上がるってわけ。個人の不幸を軽視するものではないね。
2014-03-08 20:30:42個人の不幸が積み重なって、それを教訓にして生まれるのが行政法や他の法令による規制だよ。始まりは個人の素朴な不幸なんだ。そういう不幸が積み重なって「それって社会全体で何とかするべきかも?」って議論が始まって、遂には行政規制すら出来上がるってわけ。個人の不幸を軽視するものではないね。
2014-03-08 20:30:424 余談など
災害は政府、少なくとも公共事業による備え(ハード面に限らずソフト面も。)の必要性を実感する場面だね。気象の予報はもちろん河川の治水、各種情報の提供、避難所の設置、被害の後処理など、ボランティアに委ねるだけでなく、実施されることを制度的にも担保しておいたほうがいい事業の宝庫なんだ。
2014-08-10 11:35:085 反応など
その1 市町村と関係機関との連携、市町村の自主性
必要に応じて連絡を取ったりはするんだろうけど、たとえば特別警報と避難勧告が連動して出される仕組みには必ずしもなっていない。市町村が「特別警報が出されたら、出された地域全域に即刻避難指示を出す」って運用をすることはあり得るとしても、制度的に担保されているわけじゃない。
2014-08-10 10:59:27@admi_tan 災害対策基本法第六十一条の二に市町村長が指定行政機関の長や都道府県知事などに対して助言を求めることができ、この場合にこれらの機関はその所掌事務に関して必要な助言をするという規定が追加されました。あくまでも市町村側からのアクションがあることが規定上は前提ですが…
2014-08-10 12:01:42@tomishu_eqrc 住民に身近な市町村が主導して行うべき事務でしょうし仕方ないのですが、きっと市町村の動向を見て「ああすればいいのに…こうすればいいのに…助言したい…」(でも市町村からアクションはない)って感じに、もどかしい気持ちの関係機関の人もいらっしゃるのでしょうね。
2014-08-10 14:32:01