責任・他人への呪詛・親

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

けっこう微妙で危ういところもあるけれど、あえて言葉にすると「自分のことを忘れていて、自分などはどうでもいい」と思っている人。「どうでもいい」のあたりが微妙なのだが。つまり純粋に忘れている場合と、めちゃめちゃセルフイメージが低くて自分を無価値だと思っているかで状況は正反対。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

以前も、結城メルマガで書いた気がするけれど、多くの人が「自分の有能さを誰かに証明しよう」として必死になっている。オレはすごいだろ、オレはかっこいいだろ、オレは賢いだろ……でもね、本当にすごくて、かっこよくて、賢い人は、そんなアピール不要なんですよ。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

学校でも、職場でも、地域でもいいけれどどんなコミュニティでも、少し言葉のやりとりするだけで、少し一緒に仕事するだけで、「ああ、この人はいい人だ。賢い人だ。配慮する人だ」と感じるものです。そんなことないですか。（だから、会社では入社前に面接するのです。少しのやりとりで多くがわかる）

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ああ、年齢の問題はあります。まだ社会やコミュニティに慣れてなくて、おずおずと自分アピールをする若者もいます。それは全然OKで、嫌な感じはありません。結城がさっき書いたのはそれとは別の自己アピールの話。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

結局、人間はあくまでも社会的動物なのでしょうね。サル山のサルのように、自分の位置を確認したがり、自分の位置を高く保ちたがる。その行為自身が、自分の評判を落とすことに（なぜか）気付かない。なかなか人間はやっかい（で、少し愛しい）ものですね。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

話を大きく戻す。始まりは「責任」の話でした。結城は基本的に「他人の人生の責任を取ることはできない」と思っています。だから、（特に）若者に対して言いたい。あなたが誰かのアドバイスを受け入れるとき、その責任はあなた自身にある（と思った方がいい）ということ。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

世の中の人（特に如才ない人）は、幻想を作るのが上手です。特にお金が絡むとき、みごとな幻想を作ります。たとえばどんな幻想かというと……「この会社は永遠に続く」「この会社に奉仕していれば安泰」「キーマンはこの人。だから従順せよ」「絶対面倒みるから」「オレを信じろ」……そんな幻想。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

その幻想によって、集中力が生まれて新たな力が開花することもあるのですけれど、まあ、一般には10年後、20年後には甘い幻想は苦い教訓に変わります。《あなたの人生の責任を取る人はいない》というのは真実だと思います。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

だって、人間ですからね。自分の人生の落とし前もつけられないのに、他人の人生の《責任》を取れるわけがない。そう考えるのが妥当です。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

ここで論理はナナメに飛びます。例外が二つある。《男女》と《親子》です。いわゆるオトコとオンナの関係においては、例外がたくさんある。究極の滅私と究極の愛が起こりえる（ある意味、困ったことに）。だからこそ、結婚詐欺やダメンズ的な人が存在するのですが。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

男女のあいだは神秘です。どんな良いことも、どんな悪いこともどうどうと起こりえる。不思議な世界です。だから、気を付けなさい……といっても無意味ですけれどね……

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

男女に比べたら、親子はまだましです。親子の関係もまた、いくらでも良いことといくらでも悪いことが起こります。子供時代に親からたくさんの傷を受けた人は無数にいます。と同時にこの世で生きていく《鍵》を親から授かった人も多いはず。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

具体的にいうと、教養も学歴もない親だけれど、たっぷり《私はあなたを愛しているよ！》というメッセージを幼少時にもらった人はたくさんいます。そして、幸福なことにそのような人は、深いレベルで世の中を渡っていける。生きていける。自分は大丈夫だと思っていられる。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

それはとても恐いほどです。子供のころ、親から無償の愛をあふれんばかりにもらった子供は、親に感謝すべきです。それは何よりの宝物。人生を幸福にわたりあるく鍵を親から直接渡されたようなものです。結城はそういう方をたくさん知っています。親の学歴や経済や教養無関係。《私はあなたを愛します》

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

現在《親》の立場にある人への強いお勧めは、だからこうです。あなたは親からたくさんの傷や辱めを受けたでしょう。でも、それはそれとして、あなたの《子》に対しては、ふんだんに愛を注ぎましょう。無償の愛を、無限のエコヒイキを、馬鹿で阿呆で理不尽なまでの愛情を注ぎましょう。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

結城は心からこう思います。親が子供に対して、アホでマヌケでバカみたいな理不尽な愛、エコヒイキを注ぐことは、その子供の一生を計り知れないほどに良い方向に導く、と。そして、結果的には世界の平和と発展に貢献するのだ、と。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

（そしてそれは、結果として、イエス・キリストがこの世とあなたに求めていることと寸分違わないのだ……と思うのですよね。ねえ、このツイートを読んでいるあなた。私はあなたのことをこよなく愛しています。わたしは、あなたが、大好きです！）

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

……ということで、今日の連ツイはおしまい。これでまとまるのかどうかわかりませんが、明日くらいにはとぅぎゃりますねっ！

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

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結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

（連ツイ読み返しての補足） 親から受けた辱めというのは具体的には「お前はバカ、役に立たない、親戚のだれそれに似ている。何もできない、金ばっかりかかる、誰もおまえを好きにならない」……という呪いの言葉のこと。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

神さま。このような呪いの言葉を受けた方が、とてもたくさんいらっしゃいます。神さま、あなたは愛なるかた。あなたに感謝します。この《呪いの言葉》を断ち切ることができますように。親は親で、大きな傷をその親から受けたことを思います。傷つく親を、いま、ゆるします。ゆるします。

結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

自分の《子》のことを「役立たず」と表現することで、何とか自分のいのちを保たずにはいられなかった《親》の不遇を思います。神さま。ゆるしてください。親はあまりにも愚かで、何を言っているのかわからなかったのです。神さま、愚かな親と私自身をゆるしてください。あなたは愛なる方です。