【詩のレシピ４】ツイッター連詩　＃pwGT組　始まりました。

上野江来晴 @UEraharu

石垣の首筋を 贄の地図を咥えてトカゲが登る バス停の竜胆が くすぐったくて首を振る どこかふわふわと 重量級の怪獣話で盛り上げ ちゃっかり 授業ノートを口実に捧げた 却ってきた無言の行間に 空っぽの腑を埋め戻してやると 戯けるように暴れ出す日記 (詩のレシピ4) ＃pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

雨が咲く 傘が産卵にくる白壁の部屋で ハンモックを編みたい （音符は読めないけれど） 泡立て器がなくて 指を濡らすひとでありたい みずたまりに嵌る絶景を 嘘だって信じてるから （詩のレシピ４） #pwGT組

川澄萌野 @acchonbrico

雨音がうるさいから、ぼくはもう平均律なんて弾けないよ。ウイスキーに入れる氷の球を鍵盤に強くぶつけて、白黒の塗装をめちゃくちゃに剥がしてやる夢を見た。女を犯すのに似ているようで、ぼくはかたく勃起して、目醒めた。弾けないよ。海から上がってきたぼくには、今指も無いんだよ。#pwGT組

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

円環が開く。形象に祈りが零れる。溢れる夢に愛が追い縋る。物の怪が、意味を大仰に放擲する。馥郁な官能を時が嫉妬する。あっ私のドーナツが、ひとつ無くなっている。 しょくたくの おやつドーナツ つばよだれ とるなよおれは ドーナツいのち (詩のレシピ4)#pwGT組

川澄萌野 @acchonbrico

また、地震の夢を見て飛び起きた 非常用の水の消費期限は数ヶ月前に切れていた ぼくもまた水から成る物体で、とうに駄目なのはわかっていた 渇いた体を煽るように電子音楽をかける ダンスフロアの光の渦巻く中にいるように ライム入りのコロナが飲みたい。 （詩のレシピ４） #pwGT組

独り言 @n_b_k_

パンに挟んだ半熟の心 塩で焼かれた鱗を纏った生命を ひとかじり 努力の苦味と 涙の甘さを混ぜた珈琲を ひとくち 宙の碧を経て 笑顔になった君を見て 僕は詩を紡ぐ。 (詩のレシピ4) #pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

つめたいなあ、渇いているくせに。空虚な鏡をミュートする。吸う、吐く、吸う、透ける。香りたつミルク色に溶けることができない。正直、どうでもいい。と言うときの嘘を剥いだとしてさ、誰も笑わないよ。貝殻は苦手なの。あんなに可愛い骸って眠たくなる （詩のレシピ４） #pwGT組

こひもともひこ @kohimon

百舌が贄を置いていき、ひらき、かわき、百の舌が錵をヒカラセル、鋭く、すると語句が斬られ、ワカレ、刀が仮名を分ける、その異句バクかをモズは喰らい、知己知己と鳴く。 （詩のレシピ４） #pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

皮膚に残された歯痕が心音とともに薄らいで、それは時を数えるのにとても有効な手段でした、今日の食餌はヒュメドポワソンをふんだんに使ったパスタ、舌に残る君の名前と鱗、そうか海に帰ったんだね、 皮膚に還った、私は遠くを見やる そこには雲がまばらに光を遮り、 （詩のレシピ４）#pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

石を蹴ったら海に変わる、 書割のセカイだ、ワタシアナタ、ランランrun、の無謬 弾ける水滴は歳を取るとともに減少する、鎖骨に溜まる水に、伝染ったアナタの顔、カヲ 火を吹け咥えろ、よ、この火中に 願いは祈りとは違う、 だから、笛吹きびとよ セカイの歯車を（詩のレシピ４）#pwGT組

しえら@キャス垢 @huahua_6

手に余る躍動感 踊る姿に魅入ってしまう やがて私は愛想をつかされ それは優雅に舞い上がり 空へ泳いでいってしまった 生きるために必要だったシンプルな 最愛の、もの (詩のレシピ4) #pwGT組

伊藤 透雪（いとまん本垢) @tohsetsu

朝寝から覚めた頭のランチ よおく浸したフランスパンをじゅうと焼く 手はまだ眠い背中はあくびしているね ひっくり返してさあ召し上がれ 白いお皿にふくふくとやわらかいお腹 はまだ焼き色がついていないから 囁くシナモンシュガーをたっぷり掛けて (詩のレシピ４)#pwGT組

工藤ヒロツグ @kudodoc

そう思って目覚めた朝 手にしたモノは何も無く 独りの部屋で手に入れたのは 己の夢か他人の夢か 例えようのない充足感だけを 身に纏い 今日も空に目を細めながら 表に出た いつもの日常か (詩のレシピ4)＃pwGT組

gesi @gesi2013

鱗を一枚一枚 剥がしていく ぺりぺりと命の音 夜の海に還せば満月の反射 夜桜が広がり 季節は曖昧になる （詩のレシピ４） #pwGT組

深青 @synnblue

啓け空行く鼠の雲に落ち穂拾いの種まきすずめ。宵を呼ぶ笛水辺に響けば溶ける藍闇とめどなし。何処と手綱の赴く先は汎く途なり谺する声唯の一つを胸にして (詩のレシピ４) #pwGT組

gesi @gesi2013

生きることを諦めた贄は ただ静かに血を流した 胃の形を確かめるように左手で優しく撫でる。シの形を撫でる。シの形を辿る。ここには未来がある。 生きることに目覚めた女は ただ静かに涙を流した （詩のレシピ４） #pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

ページをはぐると 途端に死んでゆく 君の名を 既に忘れてしまった 多々良という機能は空気を送る知恵です たくさんの人口呼吸で君は救われた さあ、尾びれをヒラメかせよ 弾く泡の隅に 僕らが宿り 窒息するその時まで 指を舐め舐め 抱きしめてあげよう (詩のレシピ4)#pwGT組

深青 @synnblue

博愛と偏愛 酒精が繋いで 海へ 秘蹟辿って きっとまた還るから (詩のレシピ４) #pwGT組

睦月 とや @__mutsuki

わたしの内側で 命の肥える音がする 声がかすれてうまく歌えない もう言葉はいらないのだろう 小鳥にたくした想いは 朝のおとずれを知らせるための 快活なだけの音になる 赤い靴で出掛ける 宛先不明で戻ってきた３通を 風葬するために （詩のレシピ４） #pwGT組

☆MIKAKO☆ @1108_kaori

ぱぱの足の裏 きらり光る 夕べ鯛を裁いたぱぱ 一歩蹴りあげれば、 また、きらり光る 鯛に喰われた！！ 鯛をくった！！ ちゃぷちゃぷ 地球の裏から心音が 弾けて散る （詩のレシピ4）＃pwGT組

天乃絵留 @ama_noel

ここから飛び立てば それだけでNEWSになる 怪物の鱗を見たとの報告が巷に降る それはマイクロシーベルトの塵 ボクらの口から押し込むもの 命の次に生臭い息継ぎ 憶測はおとぎの国から よじれた蕾を押し開く 風評でぬかるんだ故郷から 飛び立てない (詩のレシピ４)＃pwGT組

かとう たか @taka423kato

曖昧なもの 切り分けることのできない ただひとつのもの 国境のない海 窓しかない部屋 そして、空 青の中にいる時 ぼくは言葉の始まりに立つ 足許に咲く花を摘むことさえ 時に躊躇う 君の手が好きだ 何も決められないまま 生きてゆく人だけが 愛おしい (詩のレシピ4) #pwGT組

みいと かろ @KaroMiito

白いところにジャムを乗っけた。 ミントの葉を二枚程 庭から摘んできて ホットミルクに浮かべた。 葉もバタベラもお皿もマグも 洗っていない そのまま。 黒いリュックを 暗い廊下で背負う そしてふりかえる。 それは玄関の金具を いじるよりも前の時。 (詩のレシピ4) ＃pwGT組

☆MIKAKO☆ @1108_kaori

秋刀魚だ！！ 夢の中から手を伸ばす はらはら 堕ちてくる昨日のワタシの言葉 あなたと食べたかった秋の夜空 月はひょいとワタシの恋心も 暗闇に突き出す （詩のレシピ4）＃pwGT組