@_h_japan さんの「自殺率の規定要因分析」

@_h_japanさんの「自殺率の規定要因分析」研究ツイートのまとめ。 かなり詳細に研究プロセス・結果を記述なさっています。   (関連まとめ) 清水康之さんの自殺対策支援活動:http://togetter.com/li/72533
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h @_h_japan

下記↓の論文は http://www.springerlink.com/content/f2413u4834524386/ 。一般公開版( http://decon.edu.uy/diploma/micro/suicide.pdf )では結論の表はp.43のTable.5です。

2010-11-23 12:32:50
h @_h_japan

今回の研究発表で、これまでやってきた哲学・思想史研究と再分配研究と親密性研究が、「自殺・他殺といったミクロ(親密的)でもありマクロ(公共的)でもある問題」を媒介項にすることで、ようやく一本の糸でつながった。

2010-11-24 13:20:41
h @_h_japan

少し時間ができたので、予測値を単純計算してみる。まず、日韓を含むOECD21ヵ国の1990-2005年パネルデータを混合効果分析すると、積極的労働市場政策支出に対して労働組合組織率は有意に正である。この効果は、他の14個の経済・政治・人口・宗教の変数で、統制してある。→

2010-11-24 23:38:24
h @_h_japan

→ちなみに左翼政党議席率は過去21年間平均値も現在値も非有意。この結果から予測値を計算すると、現在の日本の労組率18%が50ポイント増えてスウェーデンと同じ68%にまで増えたとすると、積極的労働市場政策支出対GDP%は0.497ポイント増える。すると自殺者数はどのくらい減るのか?

2010-11-24 23:42:58
h @_h_japan

(修正:さっきの分析では韓国は入っていませんでした)→次に、日韓を含むOECD27ヵ国の1980-2005年パネルデータを混合効果分析すると、自殺率に対して積極的労働政策支出は有意に負である(これは他の22個の経済・生活・人口・宗教・緯度・領域別社会支出の変数で統制してある)。→

2010-11-24 23:50:19
h @_h_japan

→この結果から計算すると、積極的労働市場政策支出対GDP%が0.497ポイント増えると、自殺率は1.413人/10万人減る。日本の現人口が1277×10万人だから、日本全体で自殺者が毎年1800人減る計算になる。4年間で7200人であり、これは阪神・淡路大震災の死者数を超える。→

2010-11-24 23:54:56
h @_h_japan

→この予測値によれば、スウェーデンに比べて(非正規労働者を含めた)労働組合の政治力が弱いだけのために、阪神淡路大震災と同数の自殺者を、たった3年半ごとに毎度発生させてしまっている、と考えられるのである。あくまで単純計算にすぎないけれども、だいたいの規模は把握できる。→

2010-11-25 00:04:35
h @_h_japan

→言い換えれば、労組率%がたった1%上がるだけで、日本の「毎年の」自殺者数は、36人減る計算となる。毎年36人というのは、どう思われるだろうか。労組率1%というのは、微々たる変化だ。日本では2004年から2007年のたった3年間で、労組率が1%減ったからである。

2010-11-25 00:13:11
h @_h_japan

世界青年意識調査の最新データも追加してグラフにしました。 http://bit.ly/fIMzfo するとたしかに2003年→2007年で家族充実感が一気に上昇。1985年以降生まれの世代ですねえ。 RT @tasano *ちなみに上昇傾向は世界青年意識調査の方でも確認できます。

2010-11-25 11:38:49
h @_h_japan

ちなみに、世界青年意識調査では、一人当たりGDPが高い国ほど、相談相手として「近所や学校や友だち」を選ぶ率が高まるが、「団体やグループの仲間」の率は高まらない http://twitpic.com/39wu6g 。近隣友人のほうが団体友人より重要化する。→

2010-11-25 12:52:03
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h @_h_japan

→これは世界青年意識調査の結果を使ったマクロパネルデータ分析でも言えて、一人当たりGDPは近隣友人には有意に正だが、団体仲間には非有意 http://twitpic.com/39wxc9 。これは、今思えば、昨日ツイートした自殺率の研究とも符合する。つまり→

2010-11-25 13:05:05
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h @_h_japan

→隣人関係が豊かな社会(ローテンションなコミュニティ)では自殺率が低い(http://bit.ly/aclsi6)が、市民活動が豊かな社会や、悲しみの少ないハイテンションな社会では自殺率が高い(http://bit.ly/bjoHrX http://bit.ly/fF6UhL)。

2010-11-25 13:15:07
h @_h_japan

→これは殺人率の話とも一部符号する。OECD19ヵ国の順位相関係数では、「殺人率」と「非宗教組織への所属率」との間や、「殺人率」と「ボランティア活動率」との間に、有意な正の相関(http://bit.ly/fRwacU のTable 1)。→

2010-11-25 13:23:38
h @_h_japan

→こうしてまとめてみると、友人関係研究はコミュニティ研究や自殺・犯罪研究へとつながる。政府の福祉支出は、自殺率と他殺率を抑制する傾向があるから、これは福祉政策の話にもつながる。ただし→

2010-11-25 13:34:13
h @_h_japan

→ある年の殺人率は、2~3年前の福祉支出が高いと、むしろ増える傾向がある。これは、福祉支出(所得再分配)の恩恵を得られなかった人が「社会からの疎外感」を感じるため殺人を犯す、と解釈されている。 http://bit.ly/gbHGeM コミュニティも福祉政策もいろいろ難しい。

2010-11-25 13:39:23
h @_h_japan

なお先述の傾向は、当年の福祉支出で統制された傾向なので、「数年前からの福祉削減があると、それによって排除された人が、殺人を犯しやすくなる」と解釈すべきじゃないかな。すると福祉支出はやはり基本的には殺人を抑制するといえる。>ある年の殺人率は、2~3年前の福祉支出が高いと、高い傾向。

2010-11-25 15:00:08
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