【続報】日本の「Honkaku」ミステリ事情がアメリカの雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』の増刊号で紹介される
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「また、『ホンカク』が日本で大衆の人気を得ていることは、不可能犯罪を扱ったテレビドラマが多数製作されていることからも明らかである。」
2014-10-14 18:43:55- なお、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」は今のところ英訳はない。2014年内に、日本の出版社黒田藩プレスから江戸川乱歩の明智小五郎物の英訳作品集『Edogawa Rampo: The Early Cases of Akechi Kogoro』が刊行される予定であり、それに収録される予定。ほかの収録作は短編「黒手組」「幽霊」、長編『一寸法師』。
台湾の本格ミステリの紹介
その続きでは、台湾は素晴らしい本格ミステリのもう1つの供給源であって、林斯諺(りん しげん、1983- )の不可能犯罪物の長編『雨夜莊謀殺案』(2005? 06?)の英訳が進んでいるということが紹介されている。
2014-10-14 18:48:32- ↑ 『パブリッシャーズ・ウィークリー』の記事について教えてくださったいなむらさん(稲村文吾さん)が中国語から翻訳した本格ミステリ・アンソロジー。記事で言及されていた台湾の本格ミステリ作家、林斯諺(りん しげん)は今まで邦訳がなかったが、今月、初めて短編「バドミントンコートの亡霊」が邦訳された。上のアンソロジーに収録(単品でも販売されている)。
- 林斯諺の邦訳については、詳しくは「中国語ミステリ邦訳・電子書籍化計画「現代華文推理系列」」をご覧ください。
- 邦訳の出ている台湾の本格ミステリ長編には以下の2作がある。寵物先生(と書いて「ミスターペッツ」と読む)の『虚擬街頭漂流記』と、藍霄(ランシャウ)の『錯誤配置』。
記事の締めくくり
また今月末にはアメリカで、オットー・ペンズラー編の不可能犯罪物のアンソロジー『The Black Lizard Big Book of Locked-Room Mysteries』 amazon.co.jp/dp/B00J1ISJJQ が出版されるという。約1000ページの大著。
2014-10-14 18:49:22記事の末尾、どうもうまい日本語に出来なかったのでざっくり訳すと、「才能ある作家は世界中に大勢いる。しかしその作品の多くはまだ英訳されていない。それらの作品が英語圏の読者を驚かし、魅了する日がそのうちやってくるだろう」
2014-10-14 18:50:46昨日のTogetterまとめに対する杉江松恋氏のコメント
.@Colorless_Ideas さんの「「本格(Honkaku)」という言葉が米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のブログで紹介される」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/731215
2014-10-14 13:19:51前ツイートのtogetterは、作例はあるが概念はない、という状況に変化が起きるかもしれないというお話だ。まだ一例に過ぎないので、ここから潮流ができるかどうかは楽しみに観察していきたい。
2014-10-14 13:22:51togetterの中に日本ではまったく「本格」と見なされていないサンドフォードの作品が挙がっているのが興味深い。実際には1990年代以降も、法月綸太郎氏他の読み手がマイクル・コナリーを「発見」した例のようにそうした要素を多く含む作品は散発的に紹介されてきている。
2014-10-14 13:26:51ただ、それらの「本格」性が多数の認知を得られることは珍しかった。そういう意味では『デス・コレクターズ』のジャック・カーリィなどは日本で発見された幸福な作家である。丹念に見ていけばそうした例は他にもいくらでもある。『2000年代海外本格マストリード』が必要なのかもしれない。
2014-10-14 13:29:02本格ミステリ作家クラブ10周年のときに、過去10年間に翻訳された海外本格作品を顕彰しようという声があり、そのときにカーリィ『デス・コレクターズ』は「発見」された。クラブは、同じような試みを今こそすべきなのではないか。ちなみに来年は本格ミステリ作家クラブ15周年である。
2014-10-14 13:31:23100人100冊は難しいかな?(本がないだろうから) 50人だったらいけるような気がする。たとえば『マストリード』国内篇の千街晶之氏と私が協力して50人50冊ずつ選ぶというやり方だったら、もしかすると『2000年代海外本格マストリード100』も可能かもしれない。
2014-10-14 13:34:05- 2010年の「海外優秀本格ミステリ顕彰」(by 本格ミステリ作家クラブ)で最終候補になったマイクル・コナリーの『わが心臓の痛み』と、最優秀作に選出されたジャック・カーリイ『デス・コレクターズ』
- 対象は2000年~2009年に翻訳出版された海外作品
- その他の最終候補作は、ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカー』、サラ・コードウェル『女占い師はなぜ死んでゆく』、ミネット・ウォルターズ『蛇の形』、トマス・H・クック『夜の記憶』
- 「最終候補作」以外の候補作については、本格ミステリ作家クラブ公式サイト内の「こちら」のページを参照のこと