【続報】日本の「Honkaku」ミステリ事情がアメリカの雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』の増刊号で紹介される
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「「本格(Honkaku)」という言葉が米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のブログで紹介される」をトゥギャりました。 togetter.com/li/731215
2014-10-13 10:05:50@Colorless_Ideas Publishers Weeklyが配信しているFrankfurt Show DailyにもPugmire氏周りの取り組みについてコラムがありました。”Honkaku”の文字も。 facebook.com/permalink.php?…
2014-10-13 12:00:03- ↑ リンク先は、台湾の本格ミステリ作家、林斯諺(りん しげん)のFacebookページ(中国語)。記事中に林斯諺氏についての記述があったので、それについてFacebookで言及している。
いなむらさんにご教示いただいたことを受けて
米国『EQMM』のブログで日本の「Honkaku」という言葉が紹介されたと昨日ツイートしてTogetterでまとめたところ、いなむらさん( @inmrbng )から別のところでも最近日本の「Honkaku」が紹介されていたと教えてもらったので、それについて18連投します。
2014-10-14 18:32:56アメリカの出版業界誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』がフランクフルト・ブックフェアに合わせて3日間発行した『The PW Frankfurt Show Daily』(2014年10月8日~10日)の9日付けの誌面(紙面?)でも日本の「Honkaku」事情が紹介されている。
2014-10-14 18:33:339日付けのものはこちら publishersweekly.com/pw/by-topic/in… で公開されている。「Honkaku」に言及しているのは18~19ページの記事。この『The PW Frankfurt Show Daily』は現地で配布されたりしているんだろうか? それともオンライン公開のみ?
2014-10-14 18:34:18- 上のツイートのリンク先からも記事は見られますが、「こちら」の方が見やすいです。
記事「世界の不可能犯罪物」の内容
2014年10月9日付けの18~19ページ。レニー・ピッカー(Lenny Picker)「世界の不可能犯罪物」(International impossibilities)。世界のいくつかの地域での不可能犯罪物の人気について紹介し、またそれらの作品の英訳事情を紹介している。
2014-10-14 18:35:04記事には書影が2つ付されている。1つは高木彬光『刺青殺人事件』の英訳版、もう1つは昨日紹介したパグマイヤー氏が英訳出版したポール・アルテの『The Lord of Misrule』(未邦訳)。 記事の冒頭、ピッカー氏はある連続密室殺人物のプロットを紹介する。
2014-10-14 18:35:52「この魅力的な不可能犯罪物のプロットに惹き込まれない人がいるだろうか? ある人はこれを、英米の巨匠の『探偵小説黄金期』の作品だと勘違いするかもしれない。たとえば、カーやクレイトン・ロースン、ヘイク・タルボット、あるいはエラリー・クイーンのような。」
2014-10-14 18:36:13「実際にはこれは、フランスのピエール・ボアローの『殺人者なき六つの殺人』(1939/邦訳1985)のプロットだ。この作家はヒッチコックの映画『めまい』の原作者の1人として知られている。」
2014-10-14 18:36:46「そして、このようなヨーロッパやアジアの『クライム・パズル・フィクション』(crime “puzzle” fiction)が英語圏で再評価されつつある。読者たちが、英米以外の作家たちが黄金期探偵小説にまったく引けをとらない巧妙な作品を書いていることに気づいたのである。」
2014-10-14 18:38:25英語圏で使われる「crime fiction」という言葉は日本語の「ミステリ(ー)」にほぼ対応する。ここでは「本格ミステリ」の意味を表すために、「crime fiction」に「パズル」という単語が付け足されている。
2014-10-14 18:38:58- ピエール・ボアロー『殺人者なき六つの殺人』(仏原題 Six crimes sans assassin)は英訳は出ていない。
ジョン・パグマイヤー氏の取り組みの紹介
それに続いて、ジョン・パグマイヤー氏が出版社「Locked Room International」を設立し、シャーロック・ホームズ物の原型的作品とも見られるアンリ・コーヴァン『マクシミリアン・エレール』(1871)を今年5月に英訳出版したことや、(続く)
2014-10-14 18:40:16現代フランスにおけるカーの後継者、ポール・アルテの長編を次々と英訳出版していること、そのなかでも2013年11月に英訳出版した『赤い霧』が『パブリッシャーズ・ウィークリー』により2013年の「ベストミステリ12選」のうちの1冊に選ばれたことなどが紹介されている。
2014-10-14 18:41:41- このときに選ばれた12冊の一覧は「こちら」で見られる。ほかに邦訳がある作品は、A・S・A・ハリスン『妻の沈黙』、ジェイソン・マシューズ『レッド・スパロー』。
- なお上記のリンク先からも飛べるが、『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌には『赤い霧』レビューやポール・アルテへのインタビュー記事もある(インタビュアーはレニー・ピッカー)。
- 『赤い霧』レビュー
- ポール・アルテ インタビュー (2013年10月25日掲載)
日本の本格ミステリ事情の紹介
「英語圏では探偵小説の『黄金期』は何世代も前に終わりを告げたが、日本ではそれに相当する『ホンカク』(Honkaku)が全盛を迎えている。不可能犯罪物が今日最も多く創作され、また読まれているのは日本であるというのが一般的な見方だ。」
2014-10-14 18:42:12このあとのホンカク事情の紹介にはやや事実の誤認がある。日本の不可能犯罪物の伝統は江戸川乱歩が“1945年”に発表した「D坂の殺人事件」と、高木彬光『刺青殺人事件』(1948)によって始まったと書かれている。実際は「D坂の殺人事件」は1925年の作品。
2014-10-14 18:42:42その後も記事では日本の「ホンカク」事情の説明が続く。「1980年代初頭に島田荘司が『占星術殺人事件』を発表。この作品は『ホンカク』が人気ジャンルとなり、読者層が若者にまで広まった、そのきっかけとなった作品だとみなされている。」
2014-10-14 18:43:15