【続報】日本の「Honkaku」ミステリ事情がアメリカの雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』の増刊号で紹介される

昨日紹介した米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のブログの記事は2014年9月24日のもの。 ここで紹介しているのは、『パブリッシャーズ・ウィークリー』の2014年10月9日付けの増刊(?)に載った記事「世界の不可能犯罪物」です。この記事でも「Honkaku」という単語が使用され、日本の本格ミステリ事情が紹介されています。 ◆関連◆ 続きを読む
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(補足)本格ミステリを愛好する英語圏の評論家・作家たち

世界の不可能犯罪物を英訳出版するために自ら出版社を立ち上げたジョン・パグマイヤー氏

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

今更ながら、米国『EQMM』のブログにあのような寄稿をしたことについて、ジョン・パグマイヤー氏がその動機などを書いているのを見つけた。 mylri.com/in-praise-of-h…

2014-10-15 00:15:41
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

なぜ古典的探偵物が現代の英語圏でその価値に見合った評価を受けられないのか。その理由の一端に、「Golden Age Detection」という名称があるのではないかと氏は考えている。この名称はこの種の作品がすっかり過去のものだという含意を持ってしまう。

2014-10-15 00:16:07
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

一方、「ホンカク」という語はその種の小説そのものを指し示す。それに、この言葉はなかなかパンチが効いている(kind of punchy)。だから私はこの「ホンカク」という語が好きなのだ。――と氏は書いている。

2014-10-15 00:16:27
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

「Honkaku」という響きから英語母語話者がどのような印象を受けるのかはよく分からない。

2014-10-15 00:18:20
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

あとこれによれば、西洋の批評家たちはたいてい古典的探偵物に冷淡だが、『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌と『ワシントン・ポスト』紙だけは例外らしい。前者にはポール・アルテのレビュー、後者にはデレック・スミスのレビューが載ったからこう書いているのだろう。

2014-10-15 00:21:07
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

@Colorless_Ideas 最初のツイート、「寄稿の動機」と読めてしまうのでまずいか。内容はなんでもいいから寄稿してほしい、と言ってきたのはEQMMの編集長の方で、文章の内容をあのようなものにした動機、ということ。

2014-10-15 00:30:16
  • 『ワシントン・ポスト』紙に載った『デレック・スミス作品集』(The Derek Smith Omnibus)のレビューは「こちら」(2014年8月27日)

黄金期探偵小説の新進の研究者、カーティス・エヴァンズ氏

 この人のブログは「こちら

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

ジョン・ロード、F・W・クロフツ、J・J・コニントンを中心とする、イギリス本格ミステリの研究書 Curtis Evans『Masters of the "Humdrum" Mystery』(2012) amazon.com/dp/B008CO9TW6

2014-10-15 22:34:49
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

ジュリアン・シモンズが彼らの作品を「退屈 Humdrum」と評したのに反発し、彼らの作品、そして黄金期探偵小説を再評価しようとする本。件の米国『EQMM』のブログ記事(Honkakuを紹介する記事)に著者本人が、きっと私のこの本も参考になるよ!とコメントをつけていた。

2014-10-15 22:37:44

密室物・不可能犯罪物を愛好するノワール作家、エイドリアン・マッキンティー氏

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

先月のニュースだが、『占星術殺人事件』の影響を受けて執筆された密室物のノワール小説、『In the Morning I'll be Gone』が今年のオーストラリア推理作家協会賞(ネッド・ケリー賞)を受賞。著者はアイルランド人だが、現在はオーストラリア在住なので賞の対象になる。

2014-10-15 15:27:11
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

その受賞を祝して、ということらしいが、著者のエイドリアン・マッキンティーが好きな密室・不可能犯罪物のベスト10について書いたブログ記事(『ガーディアン』紙寄稿の原文)が再アップされている(そもそもなぜ1度削除したのかはよく分からない) adrianmckinty.blogspot.jp/2014/09/my-10-…

2014-10-15 15:31:43
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

この記事中に「the Shinhonkaku “logic problem” sub-genre」という表現が出てくるというのは前に紹介した通り。「Shinhonkaku」の部分は『ガーディアン』紙掲載版では削除された。

2014-10-15 15:34:29
  • この人物については下のTogetterまとめを参照のこと
まとめ カー&島田荘司を愛する北アイルランド出身のノワール作家 Dokuta氏が発見した、密室と不可能犯罪を愛する北アイルランド出身のノワール作家、エイドリアン・マッキンティーの紹介記事です。 11503 pv 57 1 user

現時点ではアマチュア作家の、P・J・バーグマン氏

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

密室物・不可能犯罪物のマニアであるP・J・バーグマンという人物(英国人)が現在、11の章それぞれで不可能犯罪を出し、全体として1つの長編となる『The Locked Room』という小説を執筆中だそうだ。こちらで最初の3章が公開中→ thelockedroom.com/p/the-locked-r…

2014-10-15 21:59:59
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

なお、この人物、Googleの社員とのこと。

2014-10-15 22:07:36

関連Togetterまとめ

まとめ 「本格ミステリ」「新本格」は今まで英語でどのように表現されてきたか 先日作成した以下の2つのTogetterまとめに関連するまとめです。 2014年10月13日:「本格(Honkaku)」という言葉が米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』のブログで紹介される http://togetter.com/li/731215 2014年10月14日:【続報】日本の「Honkaku」ミステリ事情がアメリカの雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』の増刊号で紹介される http://togetter.com/li/731940 13492 pv 39 6 users 5