政治の理論のための覚書 その読書感想文
- Hagiasophia765
- 1995
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【感想9-2】 そして、この匿名経済、つまり自由経済こそが、近代以前の政治を現代の政治に変化させたものなのだろう。と、書いているように読み取れた。ミクロ的経済主体の存在感の喪失が、古典的公共性を失わせ、政治を変質させた原因なのだろう。
2014-11-01 11:44:19【感想10-1 「国家」の定義】 政治と経済の係りを書いた後に、稲葉先生は国家の定義に入る。この定義に概ね反論するべき内容はないのだが、一つだけ言わせてもらいたい点があった。それは、政治の主体を何処に置くのか?だ。
2014-11-01 11:45:06【感想10-2】 私は、国家と政府当局は別物だと考えている。故に、国家は主体足りえず概念だと考えている。なので、政治の主体は当局にあると思うのだ。法人足りえるのは、あくまでも政府であり、国家そのものではない。
2014-11-01 11:46:37【感想10-3】 国家とは、「国民」と「国土」を持つと同時に、恒常性のある社会と文化を持つ。もしくは持つことを志向する存在だと思う。そしてなによりも、国家は意思を持たない。
2014-11-01 11:47:09【感想10-4】 意思を持つのは、国民の負託を受けた政府(君主制なら君主)である。その意味で、国家は政府の依って立つ土台であると、私は思う。 そこを、大雑把に国家は政府であるとしてしまうと、国家論の細部に重大な齟齬をきたすように感じる。
2014-11-01 11:47:40【感想10-5】 無論、論じる国家の側面を限定すれば、そのような齟齬は回避できるとは思う。しかし、それは、あまりにもったいない話だと思う。
2014-11-01 11:48:17【感想11-1 ポリス社会における「政治」と帝国社会における<統治> 】 民主化の潮流が<統治>による中央集権化を強化した。というのは、面白い視点だと思うし、その通りだと思う。
2014-11-01 11:49:35【感想11-2 】 国民が、<統治>の客体となるとともに主権者としての主体に格上げしようとする作用と、匿名経済と<統治>による「政治」の空洞化に対抗しようとする作用が、結果として、意図と逆に作用した。という事だ。 この件に関しては、東浩紀の一般意志2.0をなぜか連想してしまう。
2014-11-01 11:50:26【感想12-1 アレントに対する反論は、無条件BIである】 稲葉先生によると、アレントは貧困層の救済は政治を<統治>に堕すると書いているらしい。無論、こういう話法ではなく、彼女なりの言葉で書いているのだと思います。
2014-11-01 11:52:09【感想12-2】 この件について、稲葉先生がどのようにお考えなのか、私には読み取れなかった。 しかし、アレントがしたというこの考え方。これに対する明確な反論を私は持っている。 貧困層の救済を、<統治>とすることなく、「政治」を維持したまま行う手段は「無条件BI」のみである。
2014-11-01 11:58:38【感想12-4】 この無条件BIを正当化する考え方は、 matome.naver.jp/odai/214122605… togetter.com/li/726575 togetter.com/li/724426 の三箇所に分散して書いてあるので、興味のある方は見て欲しいです。
2014-11-01 12:00:22最後に
稲葉先生にはこのような刺激に富んだリポートを、私のような粗忽者に紹介していただき、大変感謝しております。
先生の行いに、私なりの返礼をしたつもりですが、礼節に叶っているなら、嬉しい限りです。
先生の国家論が完成した暁には、何らかの形で拝読させていただきたいと思います。
あと、一つ疑問に思ったのですが、先生は765プロアイドルの中では誰押しですか?私は「菊地真」押しです