映画以前の幻灯/映画以後の幻灯(細馬宏通氏の書き込みを中心に)
- kuragari20nen
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幻灯(スライド)とマンガのコマ
カートゥーンのコマと欄外のテキストとの関係に対応するものとして、同時代的に考えられるのは、幻燈会におけるスライドと口上の関係かな。無言の絵とことばの関係。家庭用スライドには読み上げ用のテキストも付いていたので、かなり近い。
2014-11-16 21:13:18幻燈のスライドには一枚にシーケンシャルに描かれたものもあり、映画よりも直接的にカートゥーンのシークエンス性と関わっていると思う。
2014-11-16 21:14:47昨日もちらと書いたが、マンガのコマと比較するのに映画ばかり持ち出すのは偏り過ぎだと思っている。歴史的には、17世紀にキルヒャーによって図示されて以来、幻燈の方が長いのだし、シーケンシャルなスライドはすでにキルヒャーの図に表れている。upload.wikimedia.org/wikipedia/comm…
2014-11-17 21:42:35映画は決められた単位時間によって規則正しく動きを切り取るが、マンガではそうした表現は例外的で、むしろ異なる時間長を持つ行為のまとまりの中からそれを代表するような図を取り出す。こうした形式は幻燈にごく近いものだ。
2014-11-17 21:44:27もっとも、映画とあえて比較するからこそ、三輪さんの「マンガと映画」のようなはっとするような論考が生まれてきたので、似たものを比較すればよいというものでもないのかもしれない。
2014-11-17 21:52:06映画以前の幻灯
幻燈会が映画以前にどれだけポピュラーだったかというと…という話をするときは「たけくらべ」を引くことにしている。拙日記から。 12kai.com/199810a.html#1…
2014-11-17 22:10:45【参考】樋口一葉「たけくらべ」(青空文庫)
《…己れの處にも少しは有るし、足りないのを美登利さんに買つて貰つて…》
@kaerusan 江戸操り人形結城座の結城孫三郎さんの「糸あやつり」という自伝に、稼ぐために船の上で幻燈をする話があって、面白かったです。屋形船の客に向けて小舟から投影したそうです。
2014-11-17 23:19:33@kissahorn わざわざ揺れる舟どうしで投映するという趣向がなんともおもしろいですね。船酔いしなかったんだろうか。そういえば、江戸影絵観に行ったのに、結城さんの自伝というのも読んでなかったです。
2014-11-17 23:38:55映画以後の幻灯
それと、明治末期から全国で組織化される青年会(青年団)の集会や催しの余興に幻燈会をしたのですよ。 twitter.com/kaerusan/statu…
2014-11-17 22:17:45こんにちは。映画の登場以降の幻燈会の使われ方、実はあまり追いかけてなかったので、青年会というのはノーマークでした。明治から時代は下りますが、宮沢賢治の「やまなし」は幻燈会の口上そのものですね。 @akisumitomo
2014-11-17 22:30:10【参考】宮沢賢治「やまなし」(青空文庫)
《小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。》
《私の幻燈はこれでおしまいであります。》
こんにちは。僕は以前青年団研究をしておりまして、その時に史料上に幻燈会がよく登場していたので気になっていたのです。やはり若者を引きつける有効なコンテンツだったのではないでしょうか。 RT @kaerusan 映画の登場以降の幻燈会の使われ方、実はあまり追いかけてなかった…
2014-11-17 22:36:20おもしろいですね。口上を誰がやったのかとか、題材や種板をどうやって決めたのかなど(もしかして自主製作もけっこうあったんでしょうか)興味深いです。もし何かお書きになっておられたらご教示下さい。 @akisumitomo
2014-11-17 22:39:26自分で幻燈器の種板を手に取ったり抜き差しして写す経験を経ると、「やまなし」の「二枚の青い幻燈」の物質感が改めてじんとくるようになる。ただの青い種板、デレク・ジャーマンもびっくりですよ。
2014-11-17 22:34:05戦後の幻灯
「映画以後」の幻灯については映画史の研究者で、マンガについても優れた論文をお書きになっている鷲谷花( @HWAshitani )さんが精力的に調査を進めておられます。 kyodo.enpaku.waseda.ac.jp/activity/2012k… researchmap.jp/hana53/ @kaerusan
2014-11-17 22:47:12