大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史』とその周辺
第一章を読みおえたところだが、すでに名著感がある | ライトノベルから見た少女/少年小説史: 現代日本の物語文化を見直すために: 大橋 崇行 amazon.co.jp/dp/4305707438
2014-10-18 15:24:42第一章の最後に「美少女ゲームのユーザーがカルト化してジャンルとしての衰退を招いたように、ライトノベルもなりつつある(ので、これを解消したい)」という旨の記述があって、嗚呼…となってる
2014-10-18 15:26:53ノベルゲームの場合、「メディア」としてでなく「ジャンル」として語られすぎてしまったことがそもそも問題だったんじゃないかと思う
2014-10-18 15:28:58僕にとってノベルゲームというメディアの「発見」とは、まず第一に「すごい絵本」としてのものだったな、ということを思い出した。子供のころから、一番親しんだ物語メディアというのが絵本だったので。
2014-10-18 16:00:52小説というものの読みにくさ、なんだかじめじめしていて暗い、との印象は、「文字だけがずらっと並んでいる」ことにも起因するんじゃないかと思う。それはいくら語り口を軽妙にしたり、イラストをそえたりしても変わらない。文字だけ、というのはそれだけで視野をぐっとせばめるものになる。
2014-10-18 16:02:47一時期グラフィックデザインやユーザーインターフェイスに関する本ばかり読んでいたのも、こうした関心の延長線上にあったなと。ようやくひと周りした感がある
2014-10-18 16:04:02童話というのは無人称的で、文学というのは作者によって特定の方向付けがなされるもの。さらに「小説」と「文学」の違いというのもあって、後者はより通時的なスタンダードをめざすみたいだ
2014-10-18 17:02:06大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために』、名著誕生だ!! みんな読むべき。
2014-10-18 18:31:53"キャラクターとは視覚的な情報によって規定されるものではなく、作中人物の心を言葉によって余すところなく語り尽くし、読者に示すという表現が様式化した結果、そのような様式に当てはまる作中人物がキャラクターとして認知されてきたのではないか"(『ライトノベルから見た少女/少年小説史』)
2014-10-18 18:59:19キャラクターと「語り」の関係性に注目していたところだっただけに、このワンフレーズには「そう!そうだよ!!」と膝をうちましたね
2014-10-18 18:59:32『動ポモ』の議論を「視覚的な作中人物の要素と作中人物の様式性(=「語り」によって規定される性質)との合致についての問題を指摘していたもの」と看破していたのには、本当に感嘆させられた
2014-10-18 18:59:49「キャラ/キャラクター」の話や、「ライトノベルはジャンルではない」論への疑義を呈した大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史』はなかなか刺激的なので、みんな読むといいと思う。
2014-10-19 23:18:10まだざっと読んだだけだけど、現在のライトノベルの「定説」を覆そうという意欲にあふれた、とても良い本だと思います。時間がないので、「ん?」と思ったところは結構流しているので、のちほど時間をかけて再読したい。
2014-10-19 23:23:16大橋崇行氏『ライトノベルから見た少女/少年小説史』を読んだ。この本は、大塚英志などの評論家たちのもやもやした説明とは違って、できるかぎり明快にキャラクターという機構の特性を説明していこうとしている。その模索が面白かった。
2014-10-19 23:49:43『日本ミステリー小説史』(中公新書)と『ライトノベルから見た少年/ 少女小説史』を続けて読んだ。後者はとりあえずざっと目を通しただけで、今後じっくり再読しなければ真価がわからないように思うのだが、それにしても「小説史」と銘打ちながらおそろしく印象が違う。
2014-10-21 23:27:40