ホットパーティクルとセシウムボール:2014年12月23日の議論

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Michiharu Wada @mw_mw_mw

飛程の短いα核種はより集中の効果が高いからと理解しています。β線γ線は飛程が長くボケていますから総量がより有効。化学形態はもっと鍵。@y_morigucci @parasite2006 @miakiza20100906 @Ikko_Yoshida @tarabagani

2014-12-23 17:26:42

その4:プルトニウムの化学的性質

nao @parasite2006

セシウムの融点の低さ(摂氏28度)bit.ly/1zYeyCX と金属セシウムの反応性の激しさbit.ly/1zYeG5a と比較のため、プルトニウムの化学物質としての性質。融点は摂氏639.5度。金属プルトニウムは特に粉末状態で自然発火する事あり

2014-12-23 12:45:02
nao @parasite2006

(粉砕すると大気と接触できる表面積が増えるため大気中成分との反応が進みやすくなる)塊の状態でも湿気を含む大気中では自然発火することがあるとWikipediaにはある。また酸素と容易に反応し酸化物(PuO、PuO2)となる。核燃料として使われるPuO2の融点は約2000℃

2014-12-23 13:29:43
nao @parasite2006

メモとして。プルトニウムのホットパーティクル仮説がどんなもので、どのような経緯で否定されたかはこのブログ記事bit.ly/nlITHz に資料が集められていて便利。ロッキーフラッツの核兵器工場での火災のくだりの断片ここbit.ly/1ACbyvU

2014-12-23 15:19:13
リンク blog.hashimoto-clinic.jp プルトニウムは人類が遭遇した最悪の毒物か? ある町医者の診療日記/ウェブリブログ ある町医者の診療日記のプルトニウムは人類が遭遇した最悪の毒物か?に関する詳細記事。(Powered by BIGLOBEウェブリブログ)反原発論者がプルトニウムの危険性を喧伝して大衆の不安を煽っている。私は、正直言って、プルトニウムの危険性について正確なところは知らない。ただ、彼らの主張の多くはデマというのは経験的に知っていたので、この手の主張も眉に唾しながら見ていた。それが今回の福島第一原子力発電所の事故で、そうとも言ってられなくなり、いろいろ調べてみました。
nao @parasite2006

「1965年10月15日に米国の核兵器製造工場のあるロッキーフラッツで発生した火災によって,PuO2エアロゾルの大量吸入事故が発生し,400人の従業員が検査された結果25名の人が肺に15レム/年以上のプルトニウム負荷があることが分かった」(続く)

2014-12-23 15:20:54

1 Sv(シーベルト)= 100 rem(レム)。従って15 remは0.15 Svすなわち150 mSvに相当。これが当時の職業人=放射線作業従事者に対する肺の年間許容線量でした。こちらの論文http://bit.ly/142OzOI によれば、この許容量を超える吸入被ばくをした人々は1965年のこの事故の25人以外にも、1944年のマンハッタン計画による原子爆弾の製造中に被ばくした人が19人いましたが、1974年にホットパーティクル仮説に対する反論の報告書が出された時点でこの中から肺癌患者は一人も発生していませんでした。
 この2つの事故を含む世界各地のプルトニウム被ばく事故記録7件がATOMICAの記事(1999年)http://bit.ly/eTilhW にまとめられています。ロッキーフラッツ事故とホットパーティクル仮説関連のくだりを以下に引用します:
「1965年米国の核兵器生産工場のロッキーフラッツ(ロッキーフラット)で金属プルトニウムが火災を起こし、発生した酸化プルトニウムのエアロゾルを大部屋にいた多数の作業者が吸入した。そのうち、許容量を超えて被ばくした者が25名いた。この事故はエアロゾルの化学形、粒子径、粒子濃度が計測されていることから、被ばく者のその後の健康状態が注目された。この25名の被ばくした者の人数と被ばく量を最大許容量の倍数で表3 に示す。酸化プルトニウムの粒子径の分布を 表4に 示す。
 この事故は基礎データが整っていることと、1974年米国天然資源協会のタンプリンが粒子状プルトニウムの危険性は均等分布の場合に比べて11万5千倍と主張して当時話題となった。現在は潜伏期の中にあり、いずれ全員が肺ガンになるだろうと予告したことでも注目された。潜伏期と考えられる事故後約20年を経過した時点で、被ばく者のその後に変化は認められてはいない。これらの事実は、現在のプルトニウムの許容量が粒子状の場合10万倍も危険だと主張したタンプリンの仮説を否定したことになる。この事故との関連で、ロスアラモス研究所のプルトニウム作業者全体の調査で通常よりも死亡率が低いことから“Healthy Worker's Effect”(健康労働者選択の効果)ということで話題となった」
 一方同じATOMICAの別の記事 http://bit.ly/idLWFG ではプルトニウムによる肺癌の潜伏期は40-50年としており、老化など他の影響のオーバーラップにより原因をプルトニウムと断定することは難しいと述べています)

nao @parasite2006

(続き)「吸入したエアロソルの粒子径は0.32μ(AMD), δg =1.83と評価されている。」もとは松岡理 著「プルトニウムの安全評価」(日刊工業新聞社、1993年7月発行)という本に書いてあったらしい。

2014-12-23 15:24:04

(↑このエアロゾルの粒子径は、国立気象研の2012年論文 http://bit.ly/13ygogY で観察された放射性セシウムを含む硫酸エアロゾルの直径0.5-0.6 μmと比べてやや小ぶりです)

Tarabagani @tarabagani

パーティクルといえばってんで,プルトニウムの資料を眺めてみる。 atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp…

2014-12-23 18:52:13

(↑引用はCDC=米国疾病対策センターが配布している化学物質の毒性プロフィールのプルトニウム編です)

Tarabagani @tarabagani

237+244Pu(NO3)4を吸入した成人で,237Puが肺から1.6-3.0日の半減期で20%,280-430日の半減期で80%減ると。で,事故で吸入した人で14-80年の半減期と。3相くらいあるのかなあ。化学形態の違いかな。 atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp…

2014-12-23 19:25:33

(↑放射性物質の原子核の崩壊のイメージは水が絶え間なく流れるというよりはしずくが落ちる方に近く、半減期の短い物質の崩壊が限られた時間に大量に降ってすぐに止む集中豪雨だとすれば、半減期の長い物質の崩壊は忘れた頃に一滴ずつ落ちてくる雨だれにたとえられます。半減期の長短に応じて原子核の崩壊が進む様子をアニメーションで見ることができる琉球大学・前野先生(@irobutsu )のページ「半減期ってなあに?」http://bit.ly/dMTHNU をぜひ一度ご覧ください。
 上のツイートに引用されている生物学的半減期は引用の資料のp.73に出ています。事故で吸入後に年単位の長い生物学的半減期が観察されているのは硝酸プルトニウム(1944年のマンハッタン計画による原子爆弾製造中のプルトニウム暴露事故は、この物質の気体を吸入したことが原因)ではなく、常温では固体として存在し水に非常に溶けにくいプルトニウムの酸化物(Pu02)です。プルトニウム237と244はそれぞれプルトニウムの同位体の中で物理的半減期が最も短いもの(45.7日)と長いもの(8000万年)です(資料p.150の表4-3より)。プルトニウム239の物理的半減期は24,000年ですが、これは引用の生物学的半減期のどれと比較しても圧倒的に長く、存在量が少ない場合体内にとどまっている間にはたして実際に崩壊する分がどれだけあるかと言いたくなるぐらいです)

その5:やっぱりセシウムボールの名は問題

(その1)

Tarabagani @tarabagani

おかしな名前は時として実体を殺しかねないのよ。

2014-12-23 16:46:35
Tarabagani @tarabagani

学問て言ってしまえば名のないものに名を与えることなので、命名にはもっと気を使ってほしいよね。

2014-12-23 16:47:45
Tarabagani @tarabagani

@kiyosi510 まあ実験するときは当たり前にホット・コールドと言ったりしてて。

2014-12-23 17:37:14
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

放射線業界(の一部?)では、「放射能を帯びた」とか「機器等からの放射線が有る場での」という意味で “ホット” という形容詞を使う。例えば「ホット試験」など。 ホットパーティクルの “ホット” もきっと同じだろう。

2014-12-23 17:40:46
Tarabagani @tarabagani

チェルノブイリでも137Csの吸入曝露で特になにも起こっていないらしいんだが,不溶性の粒子だったとしてなにか怖いんだろうか。

2014-12-23 17:42:06
Tarabagani @tarabagani

学問的な意味とか実効線量係数をどうすればいいとか,今後のためには有用かもしれんけど。

2014-12-23 17:42:51
Tarabagani @tarabagani

セシウムの実効線量係数はいますべての化学形態で共通のようだけど,めんどくさい不溶性のものが出てきたら化学形態により区別することになるかもね。吸入では高めに,経口では無視すべきレベルになるかも。

2014-12-23 17:44:50

(まとめ公開後の追加)

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